2018-4-14
フィリップス・ジャパンブース
2017年10月に社名変更してから最初のITEMとなるフィリップス・ジャパンは,“First Time Right”を展示テーマに掲げた。ワールドワイドで「2025年までに30億人の人々の生活を向上させる」という目標に向けて取り組みを進める中,国内では,ナンバーワンのヘルステックカンパニーをめざすとして,異業種との協業などを積極的に展開している。その中でも画像診断領域は,同社にとって重要な位置づけであり,今回のITEMでも,多くの新製品・技術を披露し,来場者に存在感を示した。
ITEM初日の開場後には,2製品のアンベールイベントを開催した。最初にベールを脱いだのは,MRIの最上位機種となる「Ingenia Elition 3.0T」である。「確信が持てる画像診断」「さらなる高速化の実現」「検査ストレスからの解放」というコンセプトの下に開発されたIngenia Elition 3.0Tは,新しいグラディエントシステムの採用により撮像時間を大幅に短縮化。同社の圧縮センシング技術である“Compressed SENSE”を使用することで,従来装置と比べ撮像時間を50%以上短縮することが可能である。さらに,このグラディエントシステムは,渦電流の発生を抑えることで高空間分解能撮像でのブラーリングを低減。従来と比較して空間分解能が60%,拡散強調像のコントラスト分解能が70%向上する。さらに,寝台には寝具メーカーと共同で開発した「ComfortPlus Mattress」を採用。被検者の負担を大幅に軽減する。被検者に快適な検査環境を提供する技術としては,このほかにも従来高い評価を受けている「In – bore Experience」を搭載できる。
続いてアンベールが行われたPET/CTの「Vereos PET/CT」は,国内では2017の発表されたデジタルフォトンカウンティング技術による自社開発の半導体検出器“D-SiPM(Digital-Silicon Photomultiplier)検出器”を搭載。従来のPETよりも検出精度を大幅に向上させて,高分解能,高感度かつ高い定量性を実現している。
CTでは,臨床現場から高い評価を受けている2層検出器搭載「IQon Spectral CT」の上位機種となる「IQon Spectral Elite CT」が紹介された。画像処理能力を強化した“HyperSight Elite Spectral Reconstruc-tor”の開発により,IQon Spectral CTよりもスループットが向上。さらに,カルシウム抑制画像と電子密度画像の作成が可能になった。
また,超音波診断装置でも,新技術がPRされた。“AI Breast機能”は,新開発のトランスデューサ「eL18‐4 EMT」と寝台下に敷かれた「テーブルトップ型フィールドジェネレーター」により,トランスデューサの位置情報を正確にトラッキングして,走査記録をモニタ上で確認しながら検査を行える。新開発のプローブであるeL18‐4 EMTは,浅部から深部まで高画質を得ることができ,1本で表在・腹部領域などの検査に対応する。
このほか,血管撮影装置では前回発表された「Azurion」を展示し,3月に発表したばかりの「Azurion Biplane」をパネルで紹介した。また,ヘルスケアITでは,PACS「IDS7 VNA PACS」,ワークステーション「Intellispace Portal」などを統合し,効率的な読影・参照を可能にするデジタルプラットフォームのデモンストレーションを行った。
●お問い合わせ先
社名:株式会社フィリップス・ジャパン
住所:東京都港区港南2-13-37 フィリップスビル
TEL:0120-556-494
URL:www.philips.co.jp/healthcare