2018-5-9
ホロジックジャパンブース
ホロジックジャパンは,高画質なトモシンセシス画像を提供する新製品のデジタルマンモグラフィ「3Dimensions」を中心に,マンモグラフィシステムやバイオプシーシステムを展示した。Women’s Health領域のグローバルリーダーであるホロジックは,日本におけるプロモーション強化のため2016年からITEMに出展し,日本の医療従事者に製品を直接紹介する場を設けている。
2018年2月に代表取締役社長に就任したマーティン・アームストロング氏は,同社ブースでインタビューに応じ,日本におけるビジョンと意気込みを次のように述べた。
「ホロジックはWomen’s Healthにフォーカスして投資・開発を行い,一歩進んだ独自技術を有している。その技術を日本にも投入することで,日本においても市場をリードしていくことをめざす。特に,豊富な実績を持つトモシンセシス(3D)はデンスブレストが多い日本の患者さんに有益であり,マーケットは今後ますます伸びると考えている。次の4年間を一つのめどに日本での事業拡大を図り,患者さんにとってベストな医療に貢献していきたい」
ブースでは,全世界で5000台以上導入されている主力製品のデジタルマンモグラフィ「Selenia Dimensions」,バイオプシーガイダンスシステム「Affirm」も展示。バイオプシーシステムは現行システムである吸引式組織生検システム「ATEC」と吸引式組織生検針セット「Eviva」に加え,検体採取から標本撮影までをひとつのシステムで完結する新しいバイオプシーシステム(薬機法未承認)を参考展示した。
また,新しいトピックとして,2018年3月にホロジックとフィリップスがグローバルパートナーシップの締結を合意したことを紹介した。この合意により,フィリップスは,Women’s Health領域の提案においてホロジックの製品を提供することができる。このほかブースでは,Women’s Healthのトータルサポートカンパニーとして,ブレストケア以外にも,子宮頸がんをターゲットとした液状化検体細胞診ソリューションや,感染症の遺伝子検査製品,乳がんや子宮頸がんの化学療法により合併しやすい骨祖鬆症検査のためのX線骨密度測定装置など,他領域の製品を開発・提供していることをパネルで紹介した。
●マンモグラフィ:高画質化と被検者・操作者の負担軽減を図ったデジタルマンモグラフィの新製品「3Dimensions」
3Dimensionsは,トモシンセシス撮影機能を搭載したデジタルマンモグラフィシステムの最上位機種で,2018年2月に薬機法承認を取得した。開発に当たっては,医師の読影を支援するための「トモシンセシスの高画質化」,患者利益を追究した「乳房圧迫時の痛み・不快感の軽減」,検査を担う診療放射線技師の負担を軽減する「操作性の向上」の3つが大きなポイントとなっている。
高画質化については,新開発のトモシンセシス画像再構成アルゴリズム“ClarityHD”により,トモシンセシスの画素サイズが従来の100μmから70μmへと高精細化したことで,従来よりも鮮鋭度と粒状性の高い画像を取得可能になった。また,高画質化したトモシンセシス画像から作成される合成2Dの“Intelligent 2D”は,従来の合成2Dで弱点とされていた微小石灰化やスキンラインの描出,関心領域のアーチファクトなどが改善され,通常の2Dに近い画像を提供する。
マンモグラフィ検査では乳房の圧迫が必要だが,これによる苦痛が乳がん検診の受診をためらう理由の一つになっている。そこで,その痛みや不快感を軽減するために開発されたのが新しいデザインの圧迫板「SmartCurve」である。圧迫面に乳房の形に沿ったカーブをつけることで,圧迫時の痛みの軽減を図る。SmartCurveのための新しい画像処理技術を導入しており,従来の圧迫板と比較した米国の複数施設における臨床評価では,画質の低下はまったく見られないと報告されている。また,アンケート調査では,両方の圧迫板で検査を受けた被検者の93%がSmartCurveの方が苦痛が少ないと答え,そのほぼ全員が家族や友人・知人に検査を紹介したいと答えている。なお,SmartCurveは,18cm×24cm,24cm×30cmの2サイズを用意している。
操作性の向上においては,操作者がポジショニングをしやすくなるようなデザイン,機能が搭載された。操作ボタンをCアーム側面とガントリ側面に設けることで,どのようなポジショニングにおいてもボタン操作をしやすい。また,Cアームの上部が15°退避する機構を搭載したことで,Cアームが大きく傾くMLO撮影でも,操作者がアームの間に入り込むような無理な体勢をとることなくポジショニングを行える。
3Dimensionsは最初に欧州でリリースされ,すでに150台以上導入されている。2018年3月には米国FDA承認も取得し,日本,米国と順次展開していく。
●バイオプシーシステム:新たに保険収載されたMRIガイド下バイオプシーにも対応するATECシステム
バイオプシーシステムは,吸引式組織生検システムATECと吸引式組織生検針セットEvivaを中心に展示した。ATECは,システム内に生理食塩水を還流させながら組織採取と検体の回収を行うバイオプシーシステム。マンモグラフィ,MRI,超音波画像ガイド下での生検に対応する。MRIガイド下対応としては世界初のシステムであり,2003年の臨床導入(米国)から豊富な実績を積み重ねている。日本国内では,これまでマンモグラフィと超音波画像のガイド下生検のみが保険収載されていたが,2018年4月の診療報酬改定でMRIガイド下生検も保険収載され,8210点を算定できるようになった。そのトピックを踏まえ,ブースではMRIガイド下生検用のハンドピースとイントロデューサセットも併せて展示し,来場者にアピールした。
また,参考展示として,ATECとEvivaを改良し,組織採取から標本撮影までをひとつのシステムで完結する画期的なバイオプシーシステム(薬機法未承認)を展示した。装置本体の中にシールドルームを設け,採取した組織を自動で回収,X線撮影し,モニタに画像を表示するというシンプルな検査フローで,検査時間の短縮に貢献する。
●お問い合わせ先
社名:ホロジックジャパン株式会社
住所:東京都文京区後楽1-4-25
TEL:03-5804-2340
URL:http://hologic.co.jp/