2018-4-24
アドバンスト・メディアブース
「昨日のありえないを,明日のあたりまえに。」を掲げるアドバンスト・メディアは,今回,放射線科を含め関連する他の診療科への広がりの提案をコンセプトに展示を展開した。スタンドアローンタイプからスマートフォン対応の製品まで,ユーザーの幅広いニーズに応える医療や介護向けの音声入力システム「AmiVoice」シリーズを中心に,多様なインプットデバイスをラインアップ。前回はW.I.P.だった新機能などを紹介し,さらなる機能拡張が図られたことがアピールされた。また,実機での体験が可能なコーナーが設けられたほか,実際の導入施設における使用環境などがモニタで紹介された。
●医療系クラウドサービスとして業界初の第三者適合性評価を受けた「AmiVoice CLx+」
医療・介護向けクラウド型音声入力サービス「AmiVoice CLx」の高セキュリティ型として位置づけられている「AmiVoice CLx+」が,保健医療福祉情報安全管理適合性評価協会(HISPRO)の第三者適合性評価を受けたことが発表された。医療系クラウドサービスとしては業界初である。
AmiVoiceは,各診療科に最適化された音声入力辞書を搭載しており,話した言葉を正確に文章化することができる。キーボード入力に不慣れな場合は,AmiVoiceを用いることで大幅な入力時間の短縮が図れるほか,事前に定型文や疑義照会などの雛形登録が可能な“テンプレート登録機能”や,音響学習と候補学習により使用しているうちに認識率・利便性が向上する“学習機能”などにより,正確かつ効率的なレポート作成などを強力にサポートする。これらの機能は「AmiVoice Ex7」とAmiVoice CLx共に同様に使用可能であるが,クラウド型のAmiVoice CLxでは読影端末のCPUパワーに大きく依存することなく使用できるほか,遠隔読影や自宅での読影でもAmiVoice CLxのソフトウエアとハンドマイクがあれば辞書やテンプレートなどを職場と同じ環境で使用可能となる。料金も,従量課金制もしくは月額固定制を選択できるため,初期投資を少なく導入することができる。
また,AmiVoiceでは現在,Ex7,CLx共に深層学習(ディープラーニング)を用いてより高精度な音声認識を実現した「DNN型音声認識エンジン」を採用している。DNN型音声認識エンジンに搭載された辞書は,従来の音響学習を用いた辞書と異なり,深層学習を行うことで,ほとんど音響学習を行っていない使用開始初期の段階でも高い認識精度が得られるが,特にAmiVoice CLxでは,同社のクラウドサーバ内の辞書を使用するため,ユーザーが気づかないうちに常に最新の辞書を使用できる点も大きなメリットとなっている。ユーザーごとに音響学習を行えば,さらに認識精度を向上することも可能であり,クラウド型のメリットを最大限に生かした製品と言える。
●iOSに対応しスマートフォンでの音声入力を実現した「AmiVoice MLx」
昨年のITEM2017でモバイルサービスとして「AmiVoice CLx Mobile」が発表されたが,今回,AmiVoice MLxとしてリニューアルし,バージョンアップしたことが紹介された。
AmiVoice MLxは,クラウド型のAmiVoice CLxと連携することで使用可能なiPhone専用アプリケーション。iPhoneのマイクで音声入力を行うと,同社の音声認識サーバへ送信され,認識結果のテキストがiPhoneにリアルタイムで表示される。自分のIDでログインできるため,辞書やテンプレートはAmiVoice CLxと同等に使用できるほか,iPhoneに保存されたテキストデータは,院内ネットワークを介することなく専用のUSBドングル経由でPCに転送し,レポートなどに貼り付けることができる。AmiVoice MLxでは,複数のメモページの作成や長文の保存も可能であり,また,テキストの転送はiPhoneの画面をスワイプするだけと非常に簡単で,遠隔診断の施設にAmiVoiceが導入されていない場合や病棟回診時,往診時,出張先などでも手軽に音声認識で記録を残せるようになるなど,“Pocket AmiVoice”としての活用が期待される。
●訪問医療・介護向けクラウド型音声入力管理サービス「AmiVoice iVoX Medical」が登場
今回,新製品として,訪問医療・介護向けクラウド型音声入力管理サービス「AmiVoice iVoX Medical」が紹介された。
AmiVoice iVoX Medicalは,医療や介護に特化したiOS専用アプリケーションで,iPhoneのアプリケーションを立ち上げて発話したり写真撮影を行うと,音声はサーバ上で認識されて文字化され,テキストおよび写真のデータを管理サイトで閲覧することができる。訪問看護や往診などの際の現場でのメモを書き写す作業が不要となり,記録作業を大幅に軽減できるほか,管理サイトには音声も保存され,PCのWebアプリケーション上で音声を再生しながら誤認識箇所の修正や編集なども可能である。編集した文章を電子カルテや正式な記録文書に貼り付けることも行うことができる。
●AmiVoice Ex7に“サーバマネージャー”“デフォルト設定”など新機能を搭載
スタンドアローン版,クライアントサーバ版(ソフトウエアをインストールするクライアント端末数に制限あり),フローティングサーバ版(クライアントサーバタイプで,クライアント端末の同時接続台数に制限あり)の3タイプをそろえ,ユーザーのニーズに応える幅広い運用が可能なAmiVoice Ex7に,いくつかの新機能が搭載されたことが紹介された。
クライアントサーバ版(フローティングサーバ版含む)で対応可能な“サーバマネージャー”は,ユーザーごとの使用頻度を統計的に確認できる機能。発話時間などがグラフ化されるため,医療機関の経営者や診療科の管理者が確認して,仕事の偏りの解消などに役立てることができる。また,AmiVoice Ex7では従来,マイクの環境などを端末ごとに一つひとつ設定する必要があったが,新機能である“デフォルト設定”によってサーバ上で一括設定することが可能となった。これにより,医療機関内で運用方針を決定し,それをデフォルトとして設定しておくことができる。
辞書ツールにも新たな機能が搭載された。AmiVoice Ex7ではテンプレート作成が可能なため,医師によっては作成数が多くなり,後でどのような読みを登録したかがわからなくなることがある。そこで,新機能の“類似語検索”によりテンプレートの内容に関連するワードを検索することで,そのワードが使用されたテンプレートがすべて表示されるようになった。
さらに,前回のITEMではW.I.P.だった“音声コマンド”も新たに搭載された。AmiVoice Ex7でコマンド設定を行うと,例えば「しゅくしゅく」と言えば画像を3回分縮小するなど,発話することでレポートへの画像の貼り付けや,リセット,画像のサイズ変更などが可能となる。音声入力マイクによっては,ファンクションキーにもさまざまな機能を割り当てられるため,ファンクションキーと音声コマンドを駆使することで,レポートソフトウエアによってはキーボードを一切使用しない入力も可能となる。
●自社製マイクの新製品「AmiVoice Front SP01」が登場
同社では,インプットデバイスとしてさまざまなタイプの音声入力マイクなどを用意しているが,今回自社製マイクのAmiVoice Front SP01も展示された。
AmiVoice Front SP01は,女性の小さな手にもフィットするよう日本で設計されたハンドマイクで,小型化・軽量化が図られたほか,耐性の高いボタンはハードな運用に耐えるものとなっている。また,抗菌加工が施されており,清潔性も向上している。
このほか,ブースには,ハンズフリーマイクや無線ヘッドセットマイク,PCに接続してマイクのオン,オフを操作可能なフットスイッチなどが展示された。
●お問い合わせ先
社名:株式会社アドバンスト・メディア
住所:東京都豊島区東池袋3-1-4 サンシャインシティ文化会館6F
TEL:03-5958-1045
URL:http://medical.amivoice.com/