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ITEM2017 東洋メディック ブースレポート 患者位置決め補助パッドやX線骨密度装置,放射線治療QAツールなど,質の高い検査・治療に貢献する製品を展示

2017-5-2

東洋メディックブース

東洋メディックブース

東洋メディックは,「医療現場のニーズに応える,注目の製品と技術の今を」というブーステーマの下,患者と医療スタッフの負担軽減を実現するMRIとCT検査用患者位置決め補助パッド「Pearltec」をはじめ,X線骨密度測定装置や放射線治療のQAツールなどの展示を行った。ブースでは,最新情報として品質管理の効率化,放射線治療QA,新しい骨評価法による骨折予防など,7つのトピックスで各30分のセミナーが開催された。

●精度の高い検査を支援し,患者負担を軽減するMRI・CT検査用患者位置決め補助パッドPearltec

スイスPearltec社のPearltecは,MRIとCT検査用患者ポジショニングシステム。MRIやCTの検査時に頭頸部や四肢の位置決めを支援する“MULTIPAD”として17cm×6cm,17cm×11cm,17cm×9cmの3サイズが用意されている。MULTIPADは2つのシンプルなパッドから構成されており,小さなポリスチレンソフトビーズとエアパウチを組み合わせて撮影位置を固定することで,モーションアーチファクトを低減し,高精度の画像を取得することが可能である,再検査回数の削減に貢献する。患者の体格や姿勢,体位に応じてフィットさせることができるため,患者は苦痛が少ない状態で,安心して検査を受けることができる。3歳以上の小児や精神疾患患者,救急領域においても高い有用性を発揮する。
また,特定部位用製品として,頭部およびfMRI用“Crania”,膝の整形外科検査用“Genus”という撮影部位に特化したパッドがある。これらのパッドには,それぞれ大人用と小児用が用意されている。
Pearltecは,従来のポジショニング支援ツールなどに比べ,短時間でのセッティングが容易で,収納も省スペースですむ。エアパウチの空気の微調整が容易なため,すき間なくフィットさせることができるので,再撮影のリスクが少なく,運用面でもメリットが高い。また,使い捨てカバーが用意されており,衛生面にも配慮されている。このほか,空気厚によるビーズ体積の減少などが生じるとパッド内部の赤いサインが出現してくるようになっており,更新目安となる時期がわかりやすい。

MRI対応製品の特設ゾーン

MRI対応製品の特設ゾーン

精度の高い検査を支援するMRI・CT検査用患者ポジショニングシステム「Pearltec」

精度の高い検査を支援するMRI・CT検査用
患者ポジショニングシステム「Pearltec」

 

●短時間で高精細画像を取得できるX線骨密度測定装置「QDR Horizon」

腰椎,大腿骨,前腕骨,全身の骨密度測定ができる米国ホロジック社のQDR Horizonは,腰椎L2〜L4を10秒という短時間で高精細画像の取得可能である。全身撮影では体組成の解析が可能で,脂肪量などをグラム単位で出すことができ,健診などにおいて,骨密度の測定とメタボリック診断などをQDR Horizonだけで行える。最新のセラミックディテクターと高周波X線管球の搭載で小型化された装置で,前腕骨のポジショニングが容易で患者への負担も少ないのが特長である。
骨粗鬆症の治療薬の中には,長年服用し続けると大腿骨などに生じた小さなこぶに亀裂が入り,ある日突然骨折を起こす副作用が報告されているものがある。QDR Horizonでは,そのような微細な兆候を早期に診断することができる。
また,オプションとして,海綿骨スコア(TBS)マッピングが可能な“TBS iNsightソフトウェア”が用意されている。TBSマッピングにより,全体の平均の骨密度だけではわからない海綿骨の骨質評価が,ワンクリックでレポート表示される。2型糖尿病の場合,骨密度では問題はなくても,骨の中にある海綿骨の密度が低下していることがある。TBSマッピングによってより正確な強度を検出することが可能となる。
ほかに,5μSvの低被ばくを実現しながらも,ヒト生体に使用できる四肢用CTとして,60μmという世界最高の解像度を有するScano Medical社の末梢骨QCT装置「Xtreme CT II」が紹介された。高解像度の3D画像による解析を行うことで,骨粗鬆症の早期診断や早期治療への可能性が期待されている。

X線骨密度測定装置「QDR Horizon」は短時間での骨密度測定が可能

X線骨密度測定装置「QDR Horizon」は短時間での
骨密度測定が可能

海綿骨スコア(TBS)マッピングが可能な“TBS iNsightソフトウェア”による海綿骨の骨質評価

海綿骨スコア(TBS)マッピングが可能な
“TBS iNsightソフトウェア”による海綿骨の
骨質評価

 

●測定作業の負担を軽減できる放射線治療QAツール「PerFRACTION」

米国Sun Nuclear社のPerFRACTIONは,放射線治療における患者QAツール。放射線治療の照射前から分割照射までの患者QAを行う。治療計画の取り込みを自動で行い,EPIDデータ画像の自動キャプチャと解析をバックグラウンドで実行する。ファントムによる計測が不要で,Fraction 0(F0)として治療計画のQAを実施することにより,測定作業の負担を軽減する。また,Fraction n(Fn)として,実際の分割照射の各回の線量解析を実施することで,エラーを検知することができる。
分割照射の結果サマリの参照や2D,3D線量解析は,ダッシュボード画面で簡便に閲覧可能である。患者のQAファイルを自動で読み込みから解析まで行い,データベースに結果を保存。エラーを検知した場合は,自動的に通知メールが送られることで,タイムラグなくエラーを知ることができる。確認したい項目は,ドリルダウンによってスムーズに情報を参照できる。2D線量解析では,すべての分割照射と予測画像の比較が自動計算される。また,3D線量解析では,患者体内での3D線量分布を詳細に解析表示することで,ビームの微細なズレなどを把握できる。新たに,2D線量解析において,従来では治療後でないとできなかった線量の検証・解析がキャリブレーションすることで可能となり,2Dと3Dの比較など,より詳細な事前検証や解析が行える“FZAD(Fraction 0 Absolute Dose)”という機能が追加された。
Sun Nuclear社の放射線治療QAツールは,今後,一つのプラットフォームとして,PerFRACTION,TG-142対応QAツール「SNC Machine」,線量検証ソフトウェア“DoseCHECK”など,複数のアプリケーションが蓄積したデータをひも付けして統合管理する。ブース内では,スムーズなQAツールの運用について紹介された。

分割照射と予測画像の比較が自動計算する「PerFRACTION」の2D線量解析

分割照射と予測画像の比較が自動計算する「PerFRACTION」の2D線量解析

 

 

ビームの微細なズレなどを把握できる「PerFRACTION」の3D線量解析の結果(左)と画像(右)

ビームの微細なズレなどを把握できる「PerFRACTION」の3D線量解析の結果(左)と画像(右)

 

●お問い合わせ先
東洋メディック株式会社
住所:東京都新宿区東五軒町2-13
TEL:03-3268-0021(代表)
URL:http://www.toyo-medic.co.jp/


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