2017-5-9
ホロジックジャパンブース
ホロジックジャパンは,検診からバイオプシーまでの一貫したブレストケアをテーマに,マンモグラフィやバイオプシーシステム,診断支援ソフトウエアなどを展示した。今回,展示の核となったのが,日本国内初展示となった新製品の腹臥位式乳腺バイオプシー専用システム「Affirm Prone Biopsy System」である。FPD搭載やトモシンセシス撮影が特徴の装置で,デジタル式乳房X線撮影装置「Selenia Dimensions」と同等の機能が実装されている。Selenia Dimensionsによるトモシンセシスガイド下バイオプシーの有用性が認識されている米国では,腹臥位式システムへの搭載ニーズが高く,これに応えるシステムとして開発された。このほか,Selenia Dimensions専用のバイオプシーガイドシステム「Affirm」の新しいオプション機能や,乳腺画像診断を支援する各種ソフトウエアなどを紹介した。
●被検者の負担を軽減し,検査のスループットを向上させる「Affirm Prone Biopsy System」
腹臥位式乳腺バイオプシー専用システムAffirm Prone Biopsy Systemは,「Selenia Dimensionsで可能なトモシンセシス下バイオプシーを腹臥位で行いたい」という現場の要望に応えて開発された新製品である。Selenia Dimensionsと同じ画素サイズ70μmのFPDを搭載することによって,ステレオ撮影に加え,トモシンセシス撮影にも対応した。トモシンセシスでは,管球振り角±7.5°(15°)の範囲を30回照射して,約5秒でデータを収集する。トモシンセシスの画像再構成も70μmで行うことで,トモシンセシスの弱点である石灰化の描出能を向上させた高画質なシステムとなっている。また,従来システムではステレオ撮影での管球左右動が手動だったが,これを自動化した。
アプローチでは,症例に合わせてバーティカル(縦),ラテラル(横)のどちらの方向でも穿刺が可能となっている。ニードルは10°の傾斜を付けることで,より胸壁側へのアプローチが行えるとともに,麻酔や切開時のワークスペースを広く確保している。
圧迫板は,照射範囲を14cm×11cmと拡大することで圧迫板開口部内にターゲットがない場合にもターゲットの位置がわかりやすくなっている。圧迫板は,軽量化を図ることで脱着がより容易になったほか,開口部を6cm×7cmと大きくしたものや,より腋窩側へ近づけるために幅を細くしたものなど,4種類を標準装備している。また,乳房サイズにかかわらず適切な検査が行えるように,乳房を入れる患者プラットフォームの開口部の大きさ,および患者の体位を支えるマットは数種類ずつ用意。体格の小さい被検者では,大きなホールを用いて腕から下ろすことで,圧迫しやすくするといった使い方ができる。この際に,下ろした腕を載せるアームレストも新しい機能として実装された。
トモシンセシスガイド下バイオプシーでは,ワンクリックで座標が自動計算され作業効率が向上。バイオプシーガイダンスモジュールの画面には,Selenia Dimensionsと同様にニードルの開口部とターゲットの位置関係がイラストで表示されるため,採取可能かを直感的に確認することができる。
トモシンセシスの実装により,ステレオ撮影・スカウト撮影を行う従来の方法よりも被ばく線量を抑えることができ,かつ撮影スループットの向上が可能になる。なお,これまでのモリブデンターゲットからタングステンターゲットに変更したことも,トータルの被ばく線量低減に貢献する。
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●Selenia Dimensions専用のバイオプシーガイドシステム「Affirm」にオプション機能が追加
デジタル式乳房X線撮影装置Selenia Dimensionsは,乳腺の重なりで埋もれてしまう病変を検出しやくするトモシンセシス撮影が特徴のマンモグラフィシステムである。米国内では1000万人以上の女性が受診し,大規模スタディに用いられ,多くの臨床論文が発表されているなど,豊富な実績を有する。今回は,ユーザーのニーズに合わせてカスタマイズが可能なユニバーサルコンソールとともに展示した。
また,専用のバイオプシーガイドシステム「Affirm」には,ラテラル(横)方向の穿刺を可能にするオプション「Affirmラテラルアーム」が追加された。乳房厚が薄い場合,バーティカル(縦)方向の穿刺では開口部が皮膚から出てしまい,組織を吸引できないようなケースもあったが,ラテラル(横)方向の穿刺が可能となることで,より多くの症例に対応できるようになる。2017年7月からの提供開始を予定しており,アップグレードにも対応する。
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●コンピュータ診断支援装置「Cenova」に搭載されたソフトウエアを紹介
コンピュータ診断支援装置Cenovaに搭載されている“ImageChecker 9.3”は,2D画像上で石灰化と腫瘤の場所を表示するコンピュータ支援検出(CAD)ソフトウエア。ホロジックが有するデータベースを基に腫瘤や石灰化のパターンを画像から検出し,三角形(石灰化)や米印(腫瘤)のマークや,腫瘤の場合は範囲のライン取りなどによりマーキングを行う。Mammography CAD SR,あるいはセカンダリキャプチャの出力に対応しており,結果はPACSやマンモグラフィビューワに送信できる。ImageCheckerでは,感度が石灰化97%,腫瘤88%でデフォルト設定されているが,導入時に設定の変更も可能となっている。
また近年,アジア人女性に多い高濃度乳腺の認識が浸透しつつある中で,乳腺密度を計測するソフトウエアが注目されているが,Cenovaには乳房体積評価ソフトウエア“Quantra”も搭載されている。計測結果は,乳腺量(cm3),乳房ボリューム(cm3),乳腺密度(%)が,トータル,左・右,RCC,RMLO,LCC,LMLOの各方向について数値で示され,乳腺密度を客観的に評価することができる。
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●お問い合わせ先
ホロジックジャパン株式会社
住所:〒112-0004 東京都文京区後楽1-4-25
TEL:03-5804-2386
URL:http://hologic.co.jp/