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ITEM2016 東洋メディック ブースレポート全世界20社の放射線関連メーカーの最新機器の展示とQA・QCの最新ソリューションを提案

2016-5-6

東洋メディックブース

東洋メディックブース

東洋メディックは,20社を超える世界各国の放射線関連メーカーの最新機器を展示したほか,放射線診断・治療のためのQA・QCツールなどの最新ソリューションを紹介した。ブース内では,広いプレゼンテーションステージを設けられ,高精度な診断・治療を支援する製品の機能・技術の紹介がPRされた。(4月16日取材)

●ヒト生体四肢用CTでは世界最高レベルの解像度を持つ「XtremeCT II」

XtremeCT IIは,スイス・Scanco Medical社が手がける骨密度を高精度で測定するperipheral Quantitative Computed Tomography(pQCT)装置。ヒト生体四肢用として使用できるCTでは世界最高の解像度60μmを実現している。世界では2015年4月の発表後,約30台の販売実績があり,日本では2016年9月に第1号機が導入された。一般的なモードで2min/cmの撮影時間,5μSvの低被ばくを実現しており,肘から先と膝から下の測定が可能である。
高解像度の3D画像での解析ができることにより,骨密度だけではなく,海綿骨の骨密度や骨塩量,皮質骨の微細構造の解析が可能となる。また,骨梁幅・骨梁数・皮質骨多孔性などの解析など,より精細な骨質の解析によって,骨粗鬆症の診断や治療の研究目的だけではなく,抗がん剤治療における副作用の研究などにも貢献する。

XtremeCT IIの実物大パネル

XtremeCT IIの実物大パネル

 

 

●治療前から分割照射までの確認を容易にする2D/3D患者QAソフトウエア「PerFRACTION」

PerFRACTIONは,米国・Sun Nuclear社の患者QAソフトウエア。electric portal imaging device(EPID)画像のイメージャの搭載によって,治療中ビームの画像をそのまま取得でき,治療前の事前検証だけではなく治療時の分割照射までを管理できる。より正確な照射情報を基に患者QAの検証を行える。
自動でEPID画像の取得からQAファイルの読み込み・加工・解析までを行い,結果はデータベースに保存される。一連の作業はサーバ上でネットワークを介して実施され,解析結果のデータは任意のPCやタブレットなどからのWebブラウザを通じて確認が可能である。
エラーが生じた際にも,メールでの自動通知機能が搭載されていることで,より迅速に解析結果を得ることができる。ダッシュボード画面では,日・週・月別,装置別といった設定でのサマリ情報が表示され,エラーはドリルダウンでの分析が行える。
ファントムは不要で,治療前のIMRTのQAを独立して行うことによりEPID測定のストレスが軽減される。分割照射時は,毎回in vivo QAの実施をすることで,装置エラーや患者セットアップエラーを検知できる。
海外での検証報告によると,事前検証での照射誤差は10%以下であったが,分割照射の検証では患者体位による誤差など約74%で照射誤差があることがわかったという。
PerFRACTIONは,「Collapsed Cone Convolution Superposition」という治療計画システムで採用されているアルゴリズムが搭載されている。そのため,あらかじめ評価点を設定しておくことで,毎回の分割照射時に煩雑な作業が発生することなく,2Dによるビームの検証,3Dによる体内での体積評価での誤差確認ができ,患者にやさしい治療照射を実現する。

PerFRACTIONのダッシュボード画面は設定した期間内で装置ごとにすべての分割照射をサマライズ表示

PerFRACTIONのダッシュボード画面は設定した期間内で装置ごとにすべての分割照射をサマライズ表示

PerFRACTIONは3D線量出力とクリニカルゴールを“Ideal”と“Acceptable”のレベルで比較可能

PerFRACTIONは3D線量出力とクリニカルゴールを“Ideal”と“Acceptable”のレベルで比較可能

   
PerFRACTIONはモバイル端末での参照も可能

PerFRACTIONはモバイル端末での参照も可能

 

 

●グローバルQAプラットフォーム「myQA」で放射線治療におけるQA業務の効率化を実現

myQAは,ドイツ・IBA Dosimetry社のグローバルQAプラットフォームである。放射線治療の現場において,照射技術やデバイスの多様化に伴い,煩雑になりがちなQA業務を効率化し,各種データの一元管理できる。
同一プラットフォーム内でデータ管理されるため,施設情報や患者情報の登録も容易で入力ミスなどのエラーの予防にもつながる。各QAアプリケーションをモジュール化しているため,患者QA用の“myQA Patients”,装置QA用の“myQA Machines”,コミッショニング用の“myQA Accept”など,用途に応じて必要なモジュールが選択できる。
また,線量測定ツールや画像解析ツールによるQAテスト項目だけではく,自由にカスタマイズしてテスト項目を追加することも可能。表計算ソフトウエアなどで管理していた情報をmyQAで一括記録する。さらに“myQA Cockpit”を利用すると,ネットワーク上のPCやタブレットからWebブラウザを通じてmyQAのデータにアクセスできる。myQA Cockpitのダッシュボード画面にはデータのサマリが表示され,エラー情報の詳細を参照したり,日常QAの確認が行える。
myQA上は,現在は,Patients,Machines,Accept,Cockpitのほか,“FastTrack”“CLOUD”が連携可能である。今後,さらなるモジュールの拡充が進められる予定で,データ有効利用の幅が広がるプラットフォームとして紹介された。

患者QA用のmyQA Patients

患者QA用のmyQA Patients

装置QA用のmyQA Machines

装置QA用のmyQA Machines

   
リアルタイムに装置のパフォーマンスを測定・分析するmyQA FactTrack

リアルタイムに装置のパフォーマンスを測定・分析するmyQA FactTrack

 

 

●お問い合わせ先
東洋メディック株式会社
住所:東京都新宿区東五軒町2-13
TEL:03-3268-0021
URL:http://www.toyo-medic.co.jp/


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