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ITEM2014 東洋メディック ブースレポートX線検査装置や検査支援システムなど海外メーカーの特色ある製品を紹介

2014-4-25

東洋メディック ブース

東洋メディック ブース

欧米を中心とした海外メーカーの国内代理店として,放射線分野を中心に医療機器,測定機器を輸入販売している東洋メディックは,今回,10社以上の海外メーカーの製品,また自社製品を展示した。同社では,ユニークな製品や特殊な分野の製品を多く扱っており,それぞれトップグレードの製品を紹介することで,国内ユーザーの潜在ニーズにも応えている。アフターセールスサポートに関しても,技術サポートに特化した事業所も含めて国内に8拠点を構え,迅速なレスポンスに努めている。ブースでは,各製品の展示スペース上部にメーカーのロゴを掲げ,多彩な製品を来場者に紹介した。(4月12日取材)

●衝突防止機能などを備えた世界初の4軸可動Cアームを初展示

2011年から国内販売を行っているドイツ・ziehm imaging社のCアームX線透視診断装置「ZIEHM VISION RFD HYBRID EDITION」を,国内で初めて展示した。世界で初めて4軸可動の電動Cアームを搭載した装置で,縦・横・斜め・上下に動作することで,より正確でスムーズなポジショニングを可能にする。手動での操作も可能で,万が一電気系統のトラブルなどがあっても手技を続行できる。クラス最大級の25kWの大容量ジェネレータを搭載し,Cアームは86cmの広い開口径を持つ。30cm×30cmの間接変換パネルが搭載されており,この受像部に患者感知センサを備えて衝突を未然に防ぐことで,術者は手技に集中することができる。また,手技中に3ポジションまで記憶させる機能を搭載。ボタンひとつで記憶されたポジションに自動的にアームが移動し,同じ角度からの観察を可能にするなど再現性を高め,正確で安全な手技に貢献する。
血管撮影が主となるが,循環器,心臓血管,整形外科,脳神経外科など幅広い領域で使用できる。画像処理ソフトウエアが全面的にリニューアルされており,血管撮影においてはマイクロカテーテルの視認性が大幅に向上している。

世界初の4軸可動Cアーム「ZIEHM VISION RFD HYBRID EDITION」

世界初の4軸可動Cアーム
「ZIEHM VISION RFD HYBRID EDITION」

3つ並んだ丸いボタンでポジショニングを固定

3つ並んだ丸いボタンでポジショニングを固定

 

●精密検査用とスクリーニング用の2種類の骨密度測定装置を紹介

HOLOGIC社の「QDR Horizon」

HOLOGIC社の「QDR Horizon」

骨密度測定装置は,精密検査用のベッドタイプとスクリーニング用の前腕専用装置の2種類が展示された。骨粗しょう症については,骨粗鬆症財団から予防と治療のガイドラインが出ており,正確な診断には腰椎での測定が推奨されている。また,治療薬の効果判定には腰椎や大腿骨での測定が必要であるため,近年では設置スペースが許せばクリニックにもベッドタイプが積極的に導入されているという。
ベッドタイプとしては,米国・HOLOGIC社の「QDR Horizon」を展示。国内薬事が承認され,発売に向けた準備が進められている。スキャンから解析,レポート作成まで,シンプルな操作性で腰椎や大腿骨の骨密度測定を行うことができる。被検者の氏名やIDの入力,または電子カルテから飛ばされたオーダ一覧から対象者を選択し,測定モード(部位)を選択後,開始ボタンで自動的にスキャンが行われる。スキャン時間は,各部位10秒と短い。取得した画像はすぐにコンソールに表示され,測定のためのROIが自動で設定されるが,側彎症などにより自動でのROI設定ができない場合は,手動で容易に設定可能である。測定結果は,画像,DXA測定結果(数値),人種別平均と比べた曲線グラフからなる院内レポートにまとめられる。また,患者提供用にカラーでわかりやすいレポートを作成するソフトウエアを東洋メディックで独自に開発し,実装している。

QDR Horizonの解析画面

QDR Horizonの解析画面

QDR Horizonの患者用レポート

QDR Horizonの患者用レポート

 

前腕専用の簡易型装置「B-Cube」は,東洋メディックのオリジナル製品で,2013年から販売を開始している。被検者はいすに座り,腕を差し込むだけで,約15秒で簡単に計測できる。前腕の計測では,利き手と反対の腕で測定するため,アタッチメントの位置を交換するだけで,左右どちらでも計測可能。解析からレポート作成までがすみやかに行われる。被検者が横になる必要があるベッドタイプと比べ,ポジショニングは容易で,被検者も楽に検査を受けることができる。小型で扱いやすく,場所を取らないため,既存の一般撮影室の片隅に置くなど,スペースが限られているクリニックなどへも容易に導入できる。

東洋メディック社製の「B-Cube」

東洋メディック社製の「B-Cube」

手のひらを当てるアタッチメントを左右で交換する。

手のひらを当てるアタッチメントを左右で交換する。

 

●被検者に優しく,確実な固定が可能なポジショニングシステム「Pearltec」

スイス・Pearltec社の「Pearltec MRI/CT用患者ポジショニングシステム」は,撮像時間が長く体動が画像に影響しやすいMRI検査で特に有用性を発揮する。このPearltecは,フレキシブルに動くポリエチレン・ビーズとエアパウチを組み合わせた構造で,被検者とコイルの間に入れ,ハンドポンプでエアパウチの空気を調整することで,体の輪郭に沿った固定が可能となる。従来の施設で自作されるようなウレタンクッションでは,ストラップなどを使って固定するため,被検者へ圧迫感を与えていたが,Pearltecでは体型や姿勢にあったポジショニングをサポートするため,快適性が向上する。また,部位や体格ごとに作成していた自作クッションの役割を1つで果たすことが可能となる。さらに,エアパウチに被せる使い捨てのカバーも用意しており,衛生的に繰り返し使用することができる。
頭頸部や四肢の固定に使用できる「MULTIPAD」は,大きさが17cm×6cmと17cm×11cmの2タイプ,それぞれ厚さの範囲が2〜5cmと2〜3cmの2タイプがあり,計4種類のサイズを展開。また,このほかに特定部位用の製品として,頭部用の「Crania」と,膝など整形外科用の「Genus」がラインナップされている。

コイルと被検者の間に入れて固定するPearltec

コイルと被検者の間に入れて固定するPearltec

頭部用の「Crania」

頭部用の「Crania」

 

●放射線治療用教育ソリューションをデモンストレーションで紹介

VERTシステムのデモンストレーションブース

VERTシステムのデモンストレーションブース

ブース正面にはプレゼンテーションスペースを設置し,イギリス・Vertual社の放射線治療用教育ソリューション「VERTシステム」のデモンストレーションが行われた。VERTシステムは,3D映像をスクリーンに投影して放射線治療室の仮想空間を構築し,映像と音でリニアック治療を再現。治療装置のハンドペンダント(コントローラ)の実機を用いて,操作方法のトレーニングを行うことができる。照射される放射線を3Dアニメーションで可視化することで,治療計画によりどのように臓器に放射線が当たるかを確認することができる。例えば,計画から5mmずれることで,どの程度目標から外れ,正常臓器に照射されるかを視覚的に確認することができ,セットアップの重要性の理解につながる。また,実機を使用しないため,安全に,かつ実機の故障などを心配せずにトレーニングを行うことができる。
仮想的にファントム試験が行える機能も搭載されており,実機で行うのと同じように,治療計画の線量測定や,衝突を防ぐためのガントリの動作確認を行える。実機でファントム測定を行う場合は,夜間帯など治療に使用しない時間に実施しなければならなかったが,このシステムにより時間や手間をかけずに試験することが可能。現在市販されているリニアックのデータが実装されており,イギリスでは放射線治療にあたる技師の標準的なトレーニングツールとして採用されている。プレゼンテーションスペースでは,来場者は実際に3Dメガネを装着してシステムを体感していた。
なお,東洋メディックでは,PC上で2D映像にて放射線治療をシミュレーションできるVertual社の「PEARLシステム」も取り扱っており,理解の難しい放射線治療を患者に説明する際に用いることができる。

 

●お問い合わせ先
東洋メディック株式会社
住所:東京都新宿区東五軒町2-13
TEL:03-3268-0021
URL:http://www.toyo-medic.co.jp/


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