2014-4-13
国立大ホールマリンロビーのCyPos閲覧会場横に実機展示コーナーが設けられ,3学会から9演題の発表が行われた。12日(土)には,11時からと14時からの2回,コアタイムが設けられた。
|
|
JSRT 10136
ステレオ撮像法によるシンチグラフィにおける距離弁別能の評価
石原匡彦氏(岐阜大学医学部附属病院放射線部)ほか
昨2013年の実機展示発表の継続研究報告。ステレオ撮像法によるシンチグラフィの立体読影法の距離弁別能を評価した。ファントム画像の立体読影実験の結果,ステレオ像の弁別能上限は4mmであり,SPECT撮像と同じか,それ以上の空間認知精度を持つ可能性があることが認められた。
JSRT 10605
Development of a novel X-ray shielding device for neurointerventional procedures
孫 略氏(筑波大学大学院人間総合科学研究科)ほか
IVRによる患者水晶体被ばくを低減するX線遮蔽装置の開発を発表。頭部IVRでX線透視下に行うカテーテル治療時に,しきい値が低い水晶体の被ばくを守る目的で研究開発を行った。X線管球側につける装置で,2つの遮蔽体が照射野内を自由自在に動くことで,任意の位置を選択できる。左側は医療被ばく線量を記録し管理するシステム「RADIREC」。頭部や心臓のIVRに際し,一番問題になるのは皮膚の被ばく線量であり,副作用として紅斑や潰瘍,脱毛などが起こりうる。このシステムはベストや帽子型で小さいガラス線量計を多数装着できるポケットがついている。施術時に患者さんに装着してもらって,術後に線量計を読み取ってマップを作成し,視覚的に被ばく線量が把握できる。それにより,副作用のフォローなど,術後の管理に役立つ。本研究は筑波大学,東京大学,放射線医学総合研究所,虎の門病院,秋田成人病医療センターほか,企業も含めた他施設共同研究。今年度中に臨床試験を開始し,来年度以降の製品化をめざす。
JRS10468
臨床における統合的CAD開発環境の構築(第七報):他施設連携によるCAD継続的性能講演
野村行弘氏(東京大学放射線科)ほか
JRS10203
読影知識に基づく肺CT類似症例検索システム
坂井豊彦氏(福井大学教育支援センター)ほか
約1000例のびまん性肺疾患を含む症例の中から,医師が診断に迷ったCT画像に似た症例を検索するシステム。検索すると候補を挙げてくるので,選択すると類似画像が表示される。結節以外のびまん性肺疾患の検索は難しかったが,本システムはそれを実現している。パラメータを医師の読影知識を使って動的に切り替えながら検索するのがポイント。今後は対象疾患を広げることをめざし,まずパナソニック社製PACSのオプション搭載を想定している(共同研究を行っているパナソニック(株)先端技術研究所の小塚和紀氏に聞く)。