2014-4-12
4月12日(土)の13時からメインホールにて,合同シンポジウム2「医療被ばくの低減と正当化,最適化のバランス」が行われた。司会は福士政広・JSMP大会長(首都大学東京大学院)が務めた。
最初に宮嵜 治氏(国立成育医療研究センター)が小児放射線専門医の立場から,ALARA(アララ)の法則に則り小児CTにおける正当化と最適化について発表した。文献によれば不必要な小児CT検査は全体の約1/3に及ぶとし,適応に疑問のあるCTの依頼も多いと述べた。先進国では小児画像診断のガイドラインが策定され,被ばくの低減に寄与しているとし,2013年に発行された日本医学放射線学会の画像診断ガイドラインや,3月末にインナービジョン社より刊行された英国王立放射線医会(RCR)の画像診断ガイドライン「iRefer 第7版 日本語版」,米国ACRガイドラインなどを紹介し,CT適応の確認を行うことを提言した。また,最近のCT最適化の潮流として,CTの線量評価に用いられているCTDI値からSSDE値への方向性,逐次近似再構成法によるさらなる被ばく低減,CTの線量管理システムの搭載などを挙げた。
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<プログラム>
1.
Justification and optimization of pediatric CT
小児CT における正当化と最適化
宮嵜 治(国立成育医療研究センター)
2.
Patient doses and dose reduction in CT examinations
CT検査で患者さんが受ける線量の現状と低減化
鈴木昇一(藤田保健衛生大学)
3.
Evidences on the cancer risk of low dose radiation
低線量放射線の発がんリスクに関するエビデンス
島田義也(放射線医学総合研究所)
4.
Approach to the further appropriate justification and optimization
適切な正当化・最適化に向けた取り組み
赤羽恵一(放射線医学総合研究所)