2014-4-11
合同開会式から引き続き,同じくメインホールにて,合同特別講演が行われた。杉村和朗・JRC代表理事(神戸大学)の司会により,戸口田淳也氏(京都大学再生医科学研究所/京都大学iPS細胞研究所)が「iPS細胞研究の現状と展望」と題して講演した。
山中伸弥氏が所長を務める京都大学iPS細胞研究所(CiRA:サイラ)は2010年に設立され,世界をリードするiPS細胞による再生医学の拠点である。整形外科を専門とする戸口田氏は副所長であり,増殖分化機構研究部門の主任研究者でもある。
周知の通り,2012年に山中伸弥氏がジョン・ガードン氏とともにノーベル医学生理学賞を受賞したiPS細胞は,分化成熟した細胞でも,リプログラミングによって多能性を獲得できることを発見したもの。戸口田氏はCiRAの10年間の達成目標である,基盤技術の確立・知財確保,再生医療用iPS細胞ストック構築,前臨床試験から臨床試験へ(パーキンソン病,糖尿病など),患者由来iPS細胞による治療薬開発(難病,希少疾患など)の4つのテーマの現状を解説した。世界中の研究者がしのぎを削るiPS細胞,再生医療の研究をリードするCiRAの健闘に期待したい。
京都大学iPS細胞研究所(CiRA)
https://www.cira.kyoto-u.ac.jp/j/about/index.html
戸口田研究室ホームページ
http://www.frontier.kyoto-u.ac.jp/ca02/index-j.html
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