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JRC2012 「冠動脈CTにおける造影法」をテーマに開催された産学連携セミナー5─根本杏林堂が初めての共催─

2012-4-13

司会:真鍋徳子氏

司会:真鍋徳子氏

13日(金)の午後17時からは,5つの産学連携セミナーが企画された。

インターコンチネンタルホテルのシルクで開催されたのは,初の共催となる根本杏林堂の産学連携セミナーで,テーマは「冠動脈CTにおける造影法」。

真鍋徳子氏(北海道大学)の司会により,山口隆義氏(北海道社会保険病院)が,「新たな造影手法であるTest Bolus Tracking法による冠動脈CT撮影法とその応用」と題して講演した。

講演する山口隆義氏

講演する山口隆義氏

MDCTの最適な撮影タイミングを得る方法には従来,テストインジェクション法とボーラストラッキング法があるが,山口氏は双方の利点をあわせた,Test Bolus Tracking(TBT)法を開発。すでに,冠動脈CTで800例以上の経験を持つ山口氏が,TBT法について詳細で豊富なデータを示した講演を行った。

TBT法はTest bolusとmain bolusを連続注入する方法で,息止め+心拍安定までの時間設定を自由に行える,リアルタイムに撮影タイミングが得られる,簡単で検査スループットが向上する,安定した造影効果が得られ造影剤量も増えないなど,冠動脈CTがより簡便に行えるというメリットがある。

冠動脈CTでは,高心拍患者(心拍数60以上)へのβブロッカーの使用が一般化している。2011年9月から使用可能になった,塩酸ランジオロール(短時間作用型β1選択的遮断剤:コアベータ)は作用時間が短く,撮影タイミングが難しいため,TBT法が最適という。

根本杏林堂の新しいオートインジェクタ「DUAL SHOT GX7」は,TBT法を容易にプログラムできる機能が搭載されていると紹介した。

また,TBT法は,脳血管3D CTA,肺動静脈分離撮影,4D CTAにも有用だと述べた。

多くの参加者がメモをとりながら熱心に聴講していた。

多くの参加者がメモをとりながら熱心に聴講していた。

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