2021-7-30
最大級の展示面積となった
富士フイルムブース
横浜での開催となった国際モダンホスピタルショウ2021で富士フイルムメディカルは,富士フイルムメディカルITソリューションズ,富士フイルムヘルスケアシステムズの3社共同でブースを構成した。
富士フイルムグループでは,2021年3月に日立製作所のヘルスケア事業を子会社化するなどヘルスケア事業の強化を進めているが,ブースでは富士フイルムヘルスケアシステムズ(旧・日立ヘルスケアシステムズ)のクリニック向け電子カルテシステムを展示し,ヘルスケアIT領域においても,トータルソリューションを提供できることをアピールした。
●医師の診断を支援する“COVID-19肺炎画像解析プログラム”
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大が続く中で,ブースではHydro Ag+や新型コロナウイルス抗原検査キット「富士ドライケムIMMUNO AGカートリッジ COVID-19 Ag」など,感染症対策関連の製品を展示した。“COVID-19肺炎画像解析プログラム”は,胸部単純CT画像からCOVID-19の特徴的な所見を有する可能性を高・中・低の3段階で示して医師の診断を支援する。3D画像解析システム「SYNAPSE VINCENT」のアプリケーションとして提供される。所見があると着目した領域は,画像上にカラーで表示される。アキシャル画像のほかサジタル,コロナル,3D画像でも確認できる。
●働き方改革や電子署名など医療現場の課題に応えるCITA Clinical Finder
「CITA Clinical Finder」は,病院内のさまざまな部門システムで管理されているデータを集約して表示し,診療支援や業務支援を行う統合診療支援プラットフォームだ。CITA Clinical Finderでは,画像や検査結果,文書を患者ごとに表示する“統合診療支援ポータル”のほか,レポートの見落とし防止機能,診療プロセスを可視化することで検査や文書作成の漏れを防ぎ,業務の効率化を図る“クリニカルフロー”などの機能を搭載する。クリニカルフローでは,入院基本料算定に必要な書類を抽出したり,術前に必要な書類や業務を一覧にしたりすることで,書類作成の負担やチェック漏れを防ぐことができる。これによって,手間や時間がかかっていた業務の負荷を軽減し,今後さらに求められる医療機関の働き方改革や業務改善に貢献することが期待される。
また,診療文書作成支援システム「Yahgee」と連携し,手術や検査の同意書の電子サインを可能にするソリューションを展示した。
●SYNAPSE SAI viewerの画像診断支援機能をクラウドで提供
“医療クラウドサービス”は,AIプラットフォーム「SYNAPSE SAI viewer」の画像診断支援機能(アプリケーション)をクラウドで提供するサービスだ。現在提供されているのは肺結節検出機能と肺結節性状分析機能で,指定した条件にあった画像がクラウドのサーバにアップロードされ解析を行い,その結果をSYNAPSE SAI viewerで表示する。オンプレミスのシステムと変わらないフローで運用が可能で,利用回数に応じて費用が発生するサービスのため導入コストを抑えられるのがメリットだ。
●富士フイルムヘルスケアシステムズクリニック向け電子カルテを展示
ブースでは,2021年3月に富士フイルムグループ入りした富士フイルムヘルスケアシステムズ(旧日立ヘルスケアシステムズ)のクリニック向け電子カルテシステムである,クラウド型の「Hi-SEED Cloud」とオンプレミス型の「Hi-SEED W3 EX」が展示された。Hi-SEED Cloudは,レセプトには日医標準レセプトソフト(ORCA)を採用し,初期導入費用を抑えて導入が可能だ。また,Hi-SEED W3 EXは,電子カルテ,レセコン,レセプトチェックシステム「べてらん君 Collaboration」を一体として提供できるのが特徴で,パネルやテンプレートなどの機能でカルテの作成を支援する。今回,富士フイルムグループとなったことで,X線撮影装置,内視鏡などのモダリティから,PACS,電子カルテまでトータルでの提案が可能になることをアピールした。
●お問い合わせ先
富士フイルムメディカル株式会社
営業本部 マーケティング部
〒106-0031
東京都港区西麻布2-26-30富士フイルム西麻布ビル
TEL:03-6419-8033
URL:https://www.fujifilm.com/fms/