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2019-7-18

富士通ブース

富士通は，南展示棟4階の南3，4ホールに出展した。今回の展示に関しては，中小規模病院や診療所向けの電子カルテや，介護システムを中心に構成し，「HOPE LifeMark-MX」や「HOPE Cloud Chart」，「HOPE LifeMark-SX」，介護事業者支援システム「HOPE LifeMark-WINCARE」などを展示した。また，最先端技術で医療機関の働き方改革をサポートするソリューションとして，AIを活用した会議発言録作成支援システム「Talk Visible」や臨床意思決定支援システム「CDSS」（仮称）の参考展示など，豊富な実績を土台に進める未来を見据えたソリューション開発の成果がピーアールされた。

新製品の会議発言録作成支援システム「Talk Visible」は，同社の人工知能（AI）「Zinrai」を活用し，録音した音声データを認識，会議録を作成する。高性能な専用マイクなどは不要で，複数の話者の特徴をとらえて自動的に認識できる。事前に登録すれば，最大20名までの識別が可能。また，音量を均一に調整し，環境音などの周辺ノイズを除去することで，より正確に内容を書き起こすほか，独自開発のエディターで効率良くテキストを編集できるなど，会議録作成時間を大幅に短縮する。医療・ヘルスケアの領域では，院内の会議や退院前カンファレンスなどの議事録作成などでの活用が考えられ，システムによる医療機関の働き方改革の支援が期待できる。

AIを活用した会議発言録作成支援システムTalk Visible

再生位置がハイライトで表示されるなど，編集しやすい機能を搭載

臨床意思決定支援システム「CDSS」（仮称）は，電子カルテシステムで検査結果の未読や算定漏れにつながる項目を画面上で通知し，医療従事者の意思決定を支援するシステム（参考出展）。あらかじめルールを登録し，その条件に基づいて電子カルテ内の情報を検索，抽出した情報を通知することで，検査結果の未読や不要な診療行為，算定漏れなどを防止する。例えば，てんかん指導では当該月に指導を行っていない対象患者について，指導を行うよう通知する。また，ルールには重要度をつけることができ，通知を受け取った医療従事者は，重要度の高いものから順に確認，実行できる。

参考出展の臨床意思決定支援システムCDSS（仮称）

ルール（てんかん指導）に基づいて通知を表示

条件を組み合わせ，独自のルールを作成することが可能

院内データの統合管理・参照システム「HOPE LifeMark-VNA」は，部門システムの画像やレポート，文書データを“統合ストレージ”に集約，統合し，DICOMやSS-MIX/MFER，HTML，PDFなどあらゆるフォーマットに対応した“ユニバーサルビューア”で，検査結果や経過などと並べて参照できる。ユニバーサルビューアは豊富なレイアウト設定が可能で，病院共通用と個人用で各100パターンが登録できる。富士通のストレージ技術“FUJITSU Storage ETERNUS”の採用で，ストレージの有効利用や安定したパフォーマンスの提供など，ストレージシステムを取り巻くさまざまな課題を解決する。

部門データの統合管理・参照システムHOPE LifeMark-VNA

ユニバーサルビューアでは，統合ストレージで統合した画像データなどをカルテ情報と合わせて参照可能

「Healthcare Personal service Platform（HPP）」は，個人の健康医療情報を取り扱う各種アプリケーションの開発からサービス提供までを統合的にサポートする情報基盤サービス。HPPでは，富士通の持つ個人の同意管理の仕組みや3省3ガイドラインに対応したセキュリティの高いインフラを利用して，企業や自治体の豊かで健康的な生活を支える付加価値の高いサービスの開発をサポートする。現在，約20団体・サービスが運用中で，富士通が取り組む「共創」の一環として，今後も拡大をめざしていく。

HPPのイメージ

HPPがめざす社会とその仕組み

HPPを採用したサービス事例。医療機関が患者とのつながりを深めるツールとしても活用できる。