2017-7-14
富士フイルムメディカルブース
富士フイルムメディカルは,統合診療支援プラットフォーム「CITA Clinical Finder」を中心に,統合アーカイブの「SYNAPSE VNA」,PACSの「SYNAPSE 5」など,先進技術を搭載した医療ITソリューションを展示した。また,富士フイルムの写真用フィルムで培った技術を応用した抗菌技術である“Hydro Ag+”を利用した環境清拭剤「Hydro Ag+アルコールスプレー・クロス」やタブレット型超音波画像診断装置「SonoSite iViz」なども併せて展示した。
●統合アーカイブ「SYNAPSE VNA」
SYNAPSE VNAは,さまざまなPACSの画像データやJPEGやPDFなど汎用データを統合的に一元管理できるアーカイブシステムである。今回の展示では,nonDICOMデータの取り扱いが可能になり,DICOMの通信規格として“DICOM Web”を採用し,より高速な画像の呼び出しが可能になったことを紹介した。別システムのサーバで管理されているDICOMデータを呼び出す規格にDICOM Q/Rがあるが,呼び出しの速度に問題があった。SYNAPSE VNAでは,VNAからデータを呼び出すインターフェイスとしてDICOM規格の一つであるDICOM Webを採用した。DICOM WebによってPACSビューワからVNAのアーカイブへのアクセス速度が高速化し,VNAに画像データを保存しても通常のPACSサーバのデータと同等のスピードでの運用が可能になった。これによって,ベンダーチェンジやデータ移行の懸念のないシステムの構築が可能になる。SYNAPSE VNAでは,nonDICOMデータを含めたさまざまな診療データを一元管理できるので,SYNAPSE VNAに保存されたデータを基に,患者ごとに必要な情報を一覧表示するなど,利用場面に合わせたレイアウトが可能になる。また,SYNAPSE VNAは,富士フイルム製のビューワだけでなく,標準的な規格に対応したビューワであればアーカイブしたデータを参照できるオープンなソリューションとなっていることも特長だ。
●統合診療支援プラットフォーム「CITA Clinical Finder」
CITA Clinical Finder(CITA)は,電子カルテやPACS,その他部門システムの情報を統合し,患者ごとの情報の把握や診療科,職種など必要に応じたレイアウトやデータ形式で最適な情報提供を可能にする。CITAには,各システムの情報を統合的に管理し閲覧できる“統合診療支援ポータル”と,診療プロセスの全体像を一覧として表示し進捗の確認や情報共有を簡単にする“クリニカルフロー”の機能がある。クリニカルフローでは,病棟を管理する看護師,手術を行う外科医など,職種や所属によって必要な情報を抽出し,フローとして表示。必要な検査や書類などイベントごとのチェックポイントを表示することで確実な診療をサポートする。さらに,新たに“未読・既読”を管理する機能が搭載された。画像診断レポートなどの見逃しを防ぐための機能で,リスト上で未読と既読のレポートが確認できるほか,通知(ポップアップ)などで未読レポートがあることを知らせるなど,医療安全向上ための機能を強化している。
●環境清拭剤「Hydro Ag+アルコールスプレー・クロス」
富士フイルムの写真用フィルムで培った技術を応用した抗菌技術である“Hydro Ag+”は,カセッテDRの「FUJIFILM DR CALNEO Smart」などに利用されているが,医療機関での感染症対策としてアルコールスプレーとクロスが展示された。Hydro Ag+は,銀系抗菌剤と超親水ポリマーを組み合わせ,アルコールが蒸発したあとでも持続的な抗菌効果を発揮する。今年2月にアルコール濃度80%のスプレーとクロスが発売されたが,今回,アルコール濃度を60%に落とし一般家庭でも扱いやすくした製品をラインアップに追加した。
●お問い合わせ先
社名:富士フイルムメディカル株式会社
住所:東京都港区西麻布2-26-30
TEL:03-6419-8033
URL:http://fms.fujifilm.co.jp/