2013-7-18
NECブース
NEC は,電子カルテシステムを中心に,データの2次利用や医療機器との連携など院内での運用の効率化を進めるソリューション,スマートフォンやタブレット端末を活用するシステム,地域連携から医療と介護の包括的な運用をサポートするネットワークシステムなど幅広く紹介した。電子カルテシステム「MegaOakHR」,300床以下の中小病院向け電子カルテシステム「MegaOak MI・RA・Is/PX」,地域医療連携ネットワークサービスの「ID−Link」などのほか,日本事務器の提供する健康支援サービス「手軽にカルテ」,マルマンコンピュータサービスの「ナース物語SMBG」,かごしま医療ITセンターの「e-Byoin指標システム」 など関連企業の製品をあわせて展示した。
NECは,7月8日に新しい電子カルテ「MegaOak/iS(メガオーク アイエス)」を発表 したが,11月発売ということで今回ブースでの展示はなかった。展示では,MegaOak/iSと同様に300床以上の大規模病院をターゲットにする同社の電子カルテシステムであるMegaOakHRの新しい機能を中心に紹介した。HRでは,データの2次利用に焦点を当てて“モニタリングシート”,“ヒストリーマップ”などの機能強化を図っているが,展示では2014年早々にリリース予定のカルテの“全文検索機能”をアピールした。所見や記録だけでなく,検査名や薬剤などカルテの記載内容がすべて対象となる。単語だけでなく“抗がん剤”と検索した場合に該当する薬剤も表示されることも可能だ。
「MegaOak MI・RA・Is/PX」(開発はシーエスアイ)は,300床以下の中小病院向け電子カルテシステムで,ユーザーごとのボタン表示や画面配置を設定できるユーザーカスタマイズ機能や,タブに登録された過去の記録やオーダ画面などを別のウィンドウとして切り離して表示できるドッキングタブ機能などを特長とする。MI・RA・Is/PXは,富士ゼロックスの診療記録統合管理システム「Apeos PEMaster ProRecord Medical」との連携強化 を図っているが,展示では電子カルテからProRecord Medicalをワンボタンでクリックして起動し,文書の取り込みや参照が可能になるDACSの機能を説明した。
マルマンコンピュータサービスは,電子カルテ(MI・RA・Is/PX)と連携して,血糖計や体温計などの計測機器のデータを取り込み,グラフ化などデータマネジメントを可能にする「ナース物語SMBG」を展示した。従来,体温計や血糖計測装置など機器との連携では,データを温度板にコピーするシステムが主だったが,ナース物語SMBGでは,電子カルテと連携し機器の管理やデータの2次利用など,より多様な連携を可能にしている。
地域医療連携ネットワークの「ID−Link」では,従来の医療機関を中心とした連携に加えて,地域包括ケアシステムとして介護施設など保健,福祉領域の施設が参加した連携が増えてきたことから,登録された患者情報の参照範囲を職種ごとに管理する機能が強化された。データの閲覧可能な範囲について職種ごとに設定が可能で,利用者が閲覧許可がないデータはアイコンがグレーアウトして表示される。例えば処方データなどでは,内容は参照できないが薬が出ていることがわかるようになっている。
NECシステムテクノロジーの「フィンガージェスチャー」は,Kinectなどのセンシングデバイスと専用ドライバをインストールしたPCで,既存のPACSビューワなどのアプリケーションをジェスチャーだけで操作できる非接触型のユーザーインターフェースシステムである。グーやパーといったシンプルな指先のモーションを認識して直感的にアプリケーションの操作が可能になる。倉敷中央病院の手術室の画像参照システムや,外来の院内案内システムとして導入の予定だ。