2013-7-19
ファイルメーカーブース
ファイルメーカー は,医療向けソリューションを開発,販売する同社のFBA(FileMaker Business Alliance)11社によるブースinブースの展示を行った。小中規模向けの電子カルテシステム,在宅医療支援システム,透析業務支援システム,問診システムなど,いずれもFileMakerによる柔軟できめの細かい構築と,FileMaker Goと組み合わせたiPadを活用した運用など,バラエティに富んだシステムが紹介された。展示企業は次の通り。ジェネコム ,ジュッポーワークス ,イエスウィキャン ,バルーンヘルプ ,トップオフィスシステム ,ラジエンスウエア ,キー・プランニング ,テクニカル・ユニオン ,オネスト ,テクノネットワーク ,三栄メディシス 。
【バルーンヘルプ
】
小規模な在宅診療グループを支援する在宅診療支援システム「Linkle(リンクル)」を紹介した。バルーンヘルプは,兵庫県神戸市などで在宅医療を展開するおひさま会のネットワークを支援する「おひさまシステム」をFileMakerベースで開発しているが,ユーザー数が少ない小さな規模の連携でも使えるシステムの要望に応えたものだという。
在宅医療や訪問看護での患者情報の共有や多職種のスタッフ間のコミュニケーションを可能にするメッセージングや掲示板の機能を中心に提供する。必要な利用環境に合わせてHOME(基本アプリ:患者情報管理,スタッフ間コミュニケーション機能,カレンダー機能を使ったスケジュール管理などが可能),OFFLINE(オプション:往診先などへのLinkleのデータ持ちだしが可能),TERMINAL(オプション:インターネット環境による連携機能の提供)のシリーズを用意する。
【ラジエンスウエア
】
地域医療介護ネットワークシステム「MUCS/care」を出展した。在宅患者を中心とする多職種の情報共有を可能にするシステムで,クラウド(データセンター)とVPN接続,PKI端末認証によってセキュリティを確保したネットワークの運用が可能になる。訪問診療,看護,歯科,薬剤,介護など職種ごとの画面を用意してわかりやすく簡単に利用できるように工夫されている。職種別ログイン権限や個々の医療機関のIDと地域の共通IDのひも付け機能などで実際の運用をサポートする。MUCS/careは,今年から所沢医師会を中心とする在宅医療ネットワークで導入されており,多職種の情報連携に活用されているという。
【三栄メディシス
】
FileMakerによる医療ソリューションであるSmartシリーズのさまざまなシステムを紹介した。「Smart Monsin」は,病名から問診項目を検索することができ,さらに入力した問診内容から新たな疾患の可能性を予測するなど,医療機関での問診をサポートする機能を特長とする。iPadでのタッチ入力で簡単に問診を取ることができるのも特長だ。そのほか,iPad,iPhoneを使った地域医療システム「Smart Zaito24」,検査結果を取り込みグラフ表示や,さらに検査値の未来予測を提供する機能を搭載した「Smart Doctor Labo」,クラウド上にアップロードしたレセプト電算データをiPadで閲覧できる「Smart Viewer」などを展示した。
【ジュッポーワークス
】
「Tools4Med『i-Sheet』」は,iPadを使った問診票システムである。キーボード入力を極力排除し,画面タッチによる簡単な入力を追究している。患者自身の入力のほか,iPadのカメラを使った画像撮影や進捗状況の確認などの機能を搭載する。ブースでは,愛知医科大学の学際的痛みセンターで利用されている問診票システムの内容を紹介した。ジュッポーワークスでは,葵鐘会ロイヤルベルクリニックの新生児診察システムなどさまざまな施設からの要望でFileMakerでの受託開発を行っており,導入事例を含めてアピールしていた。
【オネスト
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クリニックから100床クラスの病院まで,医療機関の要望に合わせた機能をオンデマンドで提供する電子カルテシステム「CANVAS Clinic」を展示した。CANVAS Clinicでは,電子カルテ,オーダリングといった基本機能から,施設の規模や機能に合わせて検査や処方,透析実施記録,物品管理などの部門システムまでオンデマンドで提供する。電子カルテ部分では,患者ポータルから処方内容のDo入力,記録の入力などシンプルな操作性で実現するほか,PCからiPadまで同じ画面,同じ操作性で入力できるようになっている。CANVAS Clinicは,神奈川県のさがみ循環器クリニックで稼働中で,一般病床19床に透析ベッド80床を合わせた規模でiPadを活用して,院内業務の支援に効果をあげている。