2024-3-7
コニカミノルタ(株)は,プレシジョンメディシン事業を展開する米国子会社であるREALM IDx, Inc.(レルム アイディーエックス インク,以下 REALM IDx社)を通じて保有する,創薬支援のための画像解析,医療画像データ分析サービス事業を提供するInvicro, LLC(以下 Invicro社)の全持分を,Calyx Services Inc.(以下 Calyx社)に譲渡することを,2024年3月6日に代表執行役において決定し,持分譲渡契約を締結したことを発表した。
なおCalyx社は,プライベート・エクイティ・ファームであるCapVest Partners LLP傘下のファンドによって設立された製薬サービスプラットフォームで,成長を続けている。
本持分譲渡の実行は,関係当局の承認等の条件を充足した後で,2025年3月期第1四半期の完了を予定している。
また,これと併せて,REALM IDx社の米国株式市場における公開・上場準備についての取りやめも決定した。
1. 譲渡の理由
コニカミノルタは,医療の新潮流である個別化医療への貢献を目指し2017年にプレシジョンメディシン事業へ本格進出しており,2018年にはInvicro社を含む事業会社3社を傘下に持つKonica Minolta Precision Medicine, Inc.(現:REALM IDx社)を設立し,各社が持つ強みを統合して世界的に事業展開を進めている。
しかしながら,同事業のさらなる成長加速の実現に向けては今後も継続的に成長投資が必要である点に加え,コニカミノルタの現状の財務状況を考慮した結果,2023年度.2025年度の中期経営計画においてはプレシジョンメディシン事業を非重点事業と位置づけるに至った。
これにより,当初準備を進めてきた米国株式市場への上場に加え,他社への事業譲渡も含めた戦略的選択肢の検討を進めることとなり,今回,Invicro社のコニカミノルタ持分をCalyx社へ譲渡することが最善の選択であると判断した。
Invicro社は,高度な数値解析技術とバイオマーカー※1探索技術に強みを持つイメージングCRO※2を専門とする創薬支援企業。社員の多数はPhD(博士号),MD(医師)資格を保有するサイエンティストであり,AIを駆使した高度な画像解析技術をベースに,バイオマーカーの特定や治験の効率化,創薬プロセスのリスク低減などの創薬支援サービスを提供している。なかでもアルツハイマー病やパーキンソン病などを含む中枢神経分野を得意とし,新薬開発が進む分野での今後のさらなる成長が期待されている。
またCalyx 社は,製薬会社とグローバル臨床研究コミュニティ向けに,メディカルイメージングとIRT/RTSM (Interactive Response Technology / Randomised Trial Supply Management)を持つ世界有数のサービスプロバイダーである
※1 バイオマーカー: 身体の状態を反映する指標となるものすべてが該当する。血液や尿などの体液や組織に含まれるたんぱく質や遺伝子などが,病気の変化や治療に対する反応に相関するためよく利用される。
※2 CRO (Contract Research Organization) : 医薬品開発支援業務受託機関
2. 異動する子会社の概要
(注)2023年3月期の連結営業利益及び親会社株主に帰属する当期純利益には減損損失115百万米ドル(174億円)の影響が含まれている。またLLCのため1株当たり純資産,1株当たり当期純利益は割愛している。
3. 譲渡先の概要
4. 譲渡持分及び譲渡前後の持分の状況
5. 譲渡価額
(注1)上記に加え,当社はCalyx社との間で条件付対価について合意している。対象期間は2024年2月.4月の3か月間で,Invicro社の新規受注額に連動し最大15百万米ドル(約23 億円)を追加で受け取る。
(注2)2.異動する子会社の概要 (9)当該会社の最近3年間の連結経営成績及び連結財政状態(米国会計基準)に計上している連結純資産は,米国会計基準により現地財務諸表に計上している金額であり,本持分譲渡による損益を計算する際に使用する純資産額(未確定)とは異なる。
6. 日程
(注)本持分譲渡の実行は,関係当局の承認の取得等を条件としており,これらの進捗状況によっては変更される可能性がある。
7. 今後の見通し
本持分譲渡による損益は,2024年3月期第4四半期並びに2025年3月期第1四半期に計上する見込み。2024年3月期第4四半期の損益については,純資産額が未確定であること,為替相場の変動の影響を受けること,及び価格調整事項があること等の影響はあるが,軽微と見込んでいる。2025年3月期第1四半期の損益については,上記影響に加えて,譲渡実行時に在外営業活動体の換算差額の調整による損益が発生する見込みであり未確定である。
そのため,2024 年3月期のコニカミノルタ連結業績に与える影響についても軽微と見込んでいる。今後,開示すべき事項が生じた場合には速やかに発表する。
(注)本資料における為替レートは,1米ドル=150.67円(2024 年2月29日時点)を前提としている。
●問い合わせ先
コニカミノルタジャパン(株)
https://www.konicaminolta.jp