2020-2-25
キヤノンメディカルシステムズ(株)は,国立研究開発法人 日本医療研究開発機構(AMED)の「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の診断法開発に資する研究(研究開発代表者:国立感染症研究所 感染病理部部長 鈴木忠樹)」における「迅速診断キットの基盤的研究開発」(注1)に参画し,迅速な新型コロナウイルス遺伝子検査システムの開発を開始した。
同社は,2015年エボラ出血熱迅速検査キットのギニア共和国(注2)への緊急支援及び2019年コンゴ民主共和国への供与,2018年ジカウイルスRNA検出試薬 Genelyzer KITの製造販売承認取得(注3)など,これまでの実用化実績が評価され,国立大学法人 長崎大学の協力を得て本研究事業に参画することになった。
開発する新型コロナウイルスRNA検出試薬は,栄研化学(株)が開発したLAMP法(注4)を原理としたもので,同社が提供する小型等温増幅蛍光検出装置で検出するもの。従来法(リアルタイムPCR法)に比べて簡便かつ短時間で検出できることが特長で,現場近くでの検査により適している。
7月の東京オリンピック開催を控え,国を挙げての新型コロナウイルス感染症対策が進められる中,同社は迅速な遺伝子検査システム研究成果の速やかな実用化により,社会の安心・安全に貢献することを目指す。
(注1) AMED ホームページ https://www.amed.go.jp/program/list/01/06/covid-19.html
(注2) 2015年,西アフリカ諸国におけるエボラ出血熱流行に関し,日本国はギニア政府からの要請を受け,長崎大学とキヤノンメディカル(当時,東芝)が共同開発したエボラ出血熱迅速検査キットを供与
https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press3_000088.html
(注3) 販売:ジカウイルスRNA検出試薬 Genelyzer KIT FGNK-0003A
承認番号:23000EZX00035000
新興・再興感染症に対する革新的医薬品等開発推進研究事業「国内侵入・流行が危惧される昆虫媒介性ウイルス感染症に対する総合的対策に関する研究」(平成28年度),「国内侵入・流行発生が危惧される昆虫媒介性ウイルス感染症に対する総合的対策に資する開発研究」(平成29年度.)(研究代表者:林 昌宏 国立感染症研究所)で長崎大学と共同開発し,2018年6月に製造販売承認を取得。
(注4)栄研化学(株)が開発した核酸増幅法であるLoop-Mediated Isothermal Amplification(LAMP法)。
●問い合わせ先
キヤノンメディカルシステムズ(株)
広報室
TEL 0287-26-5100
https://jp.medical.canon