2014-1-23
公益財団法人コニカミノルタ科学技術振興財団は,画像領域の研究に従事する若手研究者を対象に公募したコニカミノルタ画像科学奨励賞(助成金総額700万円)の受賞者を決定した。
「画像科学奨励賞」は平成6年に始まり,第20回を迎えた。昨年に引き続き,「光と画像領域への新展開」を基本テーマに,「光と画像に関する材料及びデバイスの研究」「光と画像に関するシステム及びソフトウェアの研究」「光と画像に関するその他の先端的な研究」の3分野に分けて研究テーマを募集したところ,64件の応募があった。多数の意欲的な研究テーマの中から,三宅洋一氏(千葉大学名誉教授)を委員長とする選考委員会において発想の独創性,波及効果,計画の実現性等の視点から厳正な審査を行い,奨励賞(優秀賞)(副賞 1件100万円)3名,奨励賞(副賞 1件 50万円)8名を決定した。
この20年の間に技術革新と共にテクノロジーの潮流はアナログからデジタルへ,さらにネットワークへと著しい変遷をとげてきた。その中にあって,本奨励賞の第1回の受賞テーマ「量子ドット※1」「スピントロニクス※2」は,20年の歳月を経た現在,ようやく世の中に広く認知されてきた技術。このようなチャレンジングなテーマを奨励し,科学技術の発展に貢献することが本奨励賞の趣旨である。
第20回を迎え,「光と画像領域」で活躍する若手研究者の登竜門として認められつつある本奨励賞の実施を通じて,これからもこの分野で活躍される研究者の方々を支援していく。
※1 粒径がナノメートルサイズの半導体微細結晶。バイオ分野での蛍光マーカー或いは太陽電池等への応用が試みられている。
※2 電子の電荷とスピンを用いた新しいエレクトロニクス領域。磁気ディスクのヘッドや不揮発性メモリーへの応用がある。
●「平成25年度コニカミノルタ画像科学奨励賞」の受賞者及びテーマ
奨励賞(優秀賞) 受賞者及びテーマ(五十音順)
岩瀬 英治(いわせ えいじ)氏
早稲田大学基幹理工学部機械科学・航空学科 専任講師
「超深度画像取得のための小型3軸MEMSスキャナ」
加納 英明(かのう ひであき)氏
筑波大学数理物質系物理工学域 准教授
「iPS細胞の多能性可視化に向けた非染色イメージング法の開発」
田原 樹(たはら たつき)氏
関西大学システム理工学部機械工学科 助教
「並列インコヒーレントカラーディジタルホログラフィと高速3次元動画像蛍光顕微鏡応用に関する研究」
奨励賞 受賞者及びテーマ(五十音順)
大山 陽介(おおやま ようすけ)氏
広島大学大学院工学研究院 准教授
「水分の画像化を可能とする蛍光性色素を用いた微量水分検出・定量化蛍光分析法の開拓」
木下 基(きのした もとい)氏
東京工業大学資源化学研究所 助教
「協同現象を利用した非線形光学的分子配向変化と柔らかいフォトエレクトロニクスデバイス材料開発」
齊藤 尚平(さいとう しょうへい)氏
名古屋大学物質科学国際研究センター 助教
「材料歪みや粘性変化を蛍光で可視化する多重発光性スマートマテリアルの開発」
坂上 文彦(さかうえ ふみひこ)氏
名古屋工業大学大学院工学研究科 助教
「プロジェクタ投影光の混合による超高速3次元運動復元と可視化」
中澤 篤志(なかざわ あつし)氏
京都大学大学院情報学研究科 准教授
「角膜イメージング法を用いた新しい注視点推定法の開発」
平田 晃正(ひらた あきまさ)氏
名古屋工業大学大学院工学研究科 准教授
「電磁波を用いた非侵襲脳機能マッピングのための体内誘導電流推定システムの開発」
広井 賀子(ひらい のりこ)氏
慶應義塾大学理工学部生命情報学科 専任講師
「細胞内構造三次元再構成に向けた高精度測定システムの開発」
宮崎 大輔(みやざき だいすけ)氏
広島市立大学大学院情報科学研究科 准教授
「熱放射光の偏光解析にもとづく金属表面の形状計測」
●問い合わせ先
コニカミノルタ科学技術振興財団 事務局(コニカミノルタ(株)内)
TEL 03-6250-2120
http://www.konicaminolta.jp/pr/foundation