2025-4-10

回診用X線撮影装置
「MobileDaRt Evolution MX9 Version」
(cタイプ)
島津製作所は,4月9日に回診用X線撮影装置「MobileDaRt Evolution MX9 Version」シリーズを国内外で発売した。同シリーズは,従来製品のメインモニタに加え,X線照射部にセカンドモニタと業界初の3Dカメラ(オプション)を搭載し,回診業務のワークフローの改善に貢献する。セカンドモニタには患者情報やカメラ画像,様々な撮影条件を表示でき,検査前に必要な情報の確認を効率的に行える。同社の回診用X線撮影装置は,電動アシスト機能による小回りの良さや滑らかな操作感,本体内蔵の大型モニタによるその場での画像確認のしやすさから,医療従事者や患者のウェルビーイング(心身の健康と幸福)に貢献してきた。本シリーズは,全世界で8000台以上の販売実績がある,同社の回診用X線撮影装置のフラッグシップモデル。
回診用X線撮影装置は,病棟や手術室,救急エリアなどに移動させてX線検査を行う画像診断装置。多くの医療従事者に利用されるため,「操作の習熟度による画質のばらつきを抑えたい」「撮り直しの頻度を少なくして業務を効率化したい」といった要望があった。同社はカメラアプリケーションを用いた撮影支援機能「VISION SUPPORT」を提案しており,本製品は,X線照射部にセカンドモニタと3Dカメラを搭載して,カメラからの患者映像の確認と撮影条件の調整を可能にした。業界初搭載※の3Dカメラで撮影に必要な角度や距離を自動計測し,ポジショニング不良による再撮影を防ぎ,業務効率化と被ばく低減に貢献する。
※同社調べ
島津製作所は中期経営計画において,画像診断装置とAIやIoT技術を用いて新たな付加価値を提供する,「イメージングトランスフォーメーション(IMX)」戦略を推進している。同社はIMXの一環として,簡単な操作かつ低被ばくに寄与する回診用X線撮影装置を開発し,より医療従事者と患者の負担が少ない画像診断を支援していく。
なお,同社は回診用X線撮影装置「MobileDaRt Evolution MX9 Version」シリーズを,4月11~13日にパシフィコ横浜で開催される「ITEM2025 国際医用画像総合展」で展示する。

患者情報・撮影条件や3Dカメラ(オプション)で取得した映像をセカンドモニタへ表示(cタイプ)
新製品の特長
1. セカンドモニタが医療従事者の動線を効率化
従来,撮影条件の変更の際には医療従事者が装置本体のメインモニタで操作する必要があった。本製品はX線照射部にセカンドモニタを搭載したことで,医療従事者がベッドサイドで速やかに撮影条件が変更できる。また「MobileDaRt Evolution MX9 Version」 cタイプでは,撮影後の画像をセカンドモニタで確認でき,さらに動線を効率化することで,医療従事者の負担軽減・働き方改革に繋がる。
2. 業界初の3Dカメラで簡便かつより正確な撮影に貢献
3Dカメラで取得した患者映像により,撮影範囲を正確に把握できる。X線照射部とフラットパネルディテクタ(FPD:デジタル平面検出器)が対向しているかを判定するレーザーナビゲーション(オプション)も搭載可能。また,3DカメラでX線照射部から患者表面やベッド面のFPDまでの距離を測定し,セカンドモニタに被ばく量(患者表面線量)を表示できる。施設内での定量的な被ばく量の管理を支援する。
3. チューブ類の位置確認を支援
「MobileDaRt Evolution MX9 Version」cタイプにはチューブ・カテーテル確認支援ソフトウェア「Smart Tube」(オプション)を搭載できる。AI技術を活用したソフトウェアが,チューブやカテーテルの可能性がある画像上の領域を認識して,着色・強調表示し,医療従事者による位置確認を支援する。

チューブ・カテーテル確認支援ソフトウェア「Smart Tube」(オプション/cタイプに搭載可能)
定価:1億2100万円(税込み,システム構成により異なる)
目標販売台数:2025年度に国内外合わせて700台(シリーズ合計)
製造販売認証番号:220ABBZX00229000
販売名:回診用X線撮影装置 MobileDaRt Evolution
一般的名称:
移動型デジタル式汎用X線診断装置
移動型アナログ式汎用X線診断装置※
X線平面検出器出力読取式デジタルラジオグラフ※
特定保守管理医療機器
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●問い合わせ先
(株)島津製作所
https://www.shimadzu.co.jp/