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富士フイルム,AI技術を活用して開発した技術で検査ワークフロー効率化と高画質化を実現 新ソフトウェア搭載1.5テスラ超電導MRIシステム新発売「ECHELON Synergy」「ECHELON Smart Plus」「ECHELON Smart ZeroHelium」

2025-4-10

富士フイルム(株)は,AI技術*1を活用して開発した検査ワークフロー効率化と高画質化を実現する新ソフトウェアを搭載した1.5テスラ超電導MRIシステム「ECHELON Synergy(エシェロン シナジー)」「ECHELON Smart Plus(エシェロン スマート プラス)」*2「ECHELON Smart ZeroHelium(エシェロン スマート ゼロヘリウム)」*3の新モデルを富士フイルムメディカル(株)を通じて6月2日より発売する。
富士フイルムは,4月11日~13日にパシフィコ横浜(神奈川県横浜市)で開催される「2025国際医用画像総合展(ITEM2025)」にこれらのMRIシステムを出展する。

1.5テスラ超電導MRIシステム「ECHELON Synergy」「ECHELON Smart Plus」「ECHELON Smart ZeroHelium」

1.5テスラ超電導MRIシステム
「ECHELON Synergy」「ECHELON Smart Plus」「ECHELON Smart ZeroHelium」

 

今回,AI技術を活用して開発した検査ワークフロー効率化技術や高画質化技術などを搭載した新ソフトウェアを,「ECHELON Synergy」「ECHELON Smart Plus」「ECHELON Smart ZeroHelium」の同社1.5テスラ超電導MRIシステムすべてに搭載する*4
この新ソフトウェアは,AI技術を活用して開発した技術で高画質化・高速化の両立を実現した。繰り返し演算技術IP*5とAI技術を組み合わせて開発した再構成機能による高画質化・高速化で検査時間を60%*6削減する。また,ポジショニングから撮像後の画像処理までの各工程におけるサポート機能により検査ワークフローの効率化を実現し,医療従事者の負担軽減に寄与する。

同社は,被検者・医療従事者の負担を減らすための各種サポート機能を充実させ,検査の効率化と医療の質の向上を図ることで,人々の健康維持増進に貢献していく。

*1 AI技術のひとつであるDeep Learningを用いて開発した。導入後に自動的に装置の性能・精度が変化することはない。
*2 「ECHELON Smart Plus」は,「ECEHLON Smart」に新しいバージョンのシステムソフトウェアを搭載したモデルの呼称。
*3 「ECHELON Smart ZeroHelium」は,「ECEHLON Smart」にZeroHelium磁石を搭載した液体ヘリウムを一切使わないMRIシステムの呼称。
*4 ハードウェアの違いにより,検査ワークフロー効率化に関して,「ECHELON Smart Plus」「ECHELON Smart ZeroHelium」には搭載されていない機能がある。
*5 Iterative Processingの略称。繰り返し演算処理により,未取得の信号の推定やノイズ除去を行う。撮像の高画質化・高速化に使用される。
*6 「ECHELON Synergy」における数値。同社比。頭部ルーチン撮像における,機能の有無による撮像時間比較数値。

1.販売名

MRイメージング装置 ECHELON Smart(医療機器認証番号: 229ABBZX00028000)
MRイメージング装置 ECHELON Synergy(医療機器認証番号: 305ABBZX00004000)

2.発売日

2025年6月2日

3.主な特長

(1)検査ワークフローの効率化をサポート

検査ワークフローの効率化をサポート

 

  • 検査前のポジショニングでは,頭頸部をスキャンする際に簡単なスライド操作で被検者の頭部にセッティングできる頭頸部用受信コイルに加え,MRIシステムの両サイドに設置されているタッチパネルのスタートボタンを押すだけで,寝台が装置内に移動し,磁場の中心で対象部位をスキャンできるように寝台の位置を自動的に調整する機能を装備している。また,検査者が検査室から退出し扉を閉めると,自動的にスキャンを開始する*7
  • 撮像する際には,AI技術を活用したスライスライン設定サポート機能「AutoPose」により,取得する断層画像の位置・角度を自動で設定することが可能*8。従来の頭部,脊椎,四肢関節,乳房,股関節に加え,新たに心臓,腹部,骨盤にも対応し,全身を広範囲でカバーする。スライスライン設定のアルゴリズムには,国内外で多くの医療機関への納入実績を持つ3D画像解析システム「SYNAPSE VINCENT(シナプス ヴィンセント)」*9で培ってきた臓器認識技術を活用している。
  • 撮像後の画像処理では,頭部MRAの自動クリッピング処理機能「AutoClip」*10に加え,3D画像取得後に,事前に撮像した2D画像と同じスライス(スライス断面)を自動で実行する機能「AutoMPR」*11が,ワークフローの効率化をサポートする。

 

*7 簡単なスライド操作でセッティング可能な頭頸部用受信コイルと,タッチパネルのスタートボタンを押すだけで寝台の位置を自動的に調整する機能に対応しているのは「ECHELON Synergy」のみ。
*8 最終的に操作者が提示されたスライス位置を確認し,必要に応じて手動で調整する。
*9 販売名:富士画像診断ワークステーション FN-7941型,認証番号:22000BZX00238000
*10 本機能は最終的に操作者が表示画面上で結果を確認し,必要に応じて手動クリッピングを行うことも可能である。
*11 本機能は最終的に操作者が表示画面上で結果を確認し,必要に応じて手動でスライス断面の修正を行うことも可能である。

(2)AI技術を活用して開発した高画質を実現する画像再構成

  • AI技術を活用して開発した「DLR Clear」により,MRIの撮像原理上発生するトランケーションアーチファクト*12を低減し,画像鮮鋭度を向上することができる。AI技術を活用したノイズ除去技術と,繰り返し演算処理を行う高速撮像法と組み合わせることで,より短時間で高画質な画像を取得することができる。
  • 撮像時間を短縮するために,本来計測すべきデータの一部を計測せず,未計測部分を推定データで補うハーフスキャンという手法がある。しかし,ハーフスキャンは,撮像時間が短縮する一方で,MRI画像にアーチファクトが生じる場合がある。新ソフトウェアを搭載したMRIシステムは,AI技術を活用してハーフスキャンの未計測部分を推定する新開発の「DLR Symmetry」により画質劣化の少ない画像を得ることが期待できる。
AI技術を活用して開発した高画質を実現する画像再構成

 

*12 有限のデータで画像再構成を行う際に生じる,本来存在しない像。信号の段差が原因で発生する。

本ニュースリリースに記載の機能・内容についてはオプション品を含む。

 

●問い合わせ先
富士フイルムメディカル(株)
マーケティング部
E-mail:shm-fms-hansoku@fujifilm.com