2024-5-29
超音波診断装置 Aplio i800 EUS
オリンパス(株)(以下,オリンパス)と,キヤノンメディカルシステムズ(株)(以下,キヤノンメディカル)は,2024年1月に発表した超音波内視鏡システムにおける協業の合意に基づき,販売活動を開始する。オリンパスが,内視鏡向け超音波診断装置としてキヤノンメディカル製「Aplio i800 EUS(アプリオ アイ800 イーユーエス)」を欧州,日本国内,オセアニア地域で2024年6月以降順次展開する。高画質の実現や独自技術の搭載により,膵臓がんなどの疾患の早期発見・診断を目指す。なお,本製品は,5月30日(木)~6月1日(土)にグランドプリンス新高輪,国際館パミールで開催される「第107回日本消化器内視鏡学会総会(JGES)」に出展される。
▪背景
超音波内視鏡検査(Endoscopic Ultrasonography,以下EUS)は,超音波内視鏡と超音波診断装置を組み合わせたシステムで,内視鏡の先端についた超音波センサーにより,消化管の内側から膵臓や胆のうなどの臓器を観察することができる。体表からのアプローチに比べて臓器から近い距離で観察できるため,より鮮明な画像で検査をすることができる。特に膵臓がんの診断は,「膵癌診療ガイドライン(2019)」において,EUSは造影CT,MRIと同等の診断能と認められており,重要性が高まってきている。
オリンパスは長年,EUS領域において新たな機器開発による描出方法,診断方法の充実や手技の拡大に医師と共に取り組み,世界的に高い市場シェアを獲得・維持している。一方,キヤノンメディカルは,超音波診断装置において1960年代から開発を続け,脳外科用のAモード装置やリニア電子スキャン方式など,他社に先駆け開発してきたリーディングカンパニー。
今回,膵臓がんをはじめとする病変の早期発見・診断に寄与する高画質を実現し,独自技術を搭載した超音波診断装置「Aplio i800 EUS」の販売活動を開始することで,世界中の内視鏡医をサポートし,内視鏡診断の質的向上を目指す。
▪主な特長
1.革新的なイメージング技術により,迅速かつ確実な診断・治療をサポート
EUSでは超音波画像の濃淡の差を見ることが大切である。キヤノンメディカルが開発したD-THI(Differential Tissue Harmonic Imaging)では浅部から深部にかけて十分な感度を持つ高分解能な映像を得ることが可能で,組織内部や境界エコーの描出能が向上する。これにより腫瘍,のう胞などの病変と正常組織の識別が素早く行え,診断・治療をサポートする。
2.微細で低速な血流を捉えるイメージング機能などの搭載により,信頼度の高い診断に寄与
EUSをサポートする多彩な機能を搭載することで,信頼性の高い診断・治療方針の決定をサポートする。キヤノンメディカル独自技術であるSMI(Superb Micro-vascular Imaging)は,微細で低速な血流を捉える血流イメージング。カラードプラ※1 は描出困難であった低流速血流を高感度,高分解能,高フレームレート※2,低アーチファクト※3 に描出できるため,超音波画像下で穿刺を行う場合でも,より安全な手技をサポートする。また,EUSで病変の炎症度や良悪性などを診断する際,病変組織の硬さに関する情報が重要な判断材料になる。SWE(Shear Wave Elastography)は組織の硬さを数値やカラーマップで表示する技術のため,より客観的な硬さの評価が可能。
3. ユーザーニーズに応じてシステム操作をカスタマイズ可能,ユーザビリティの向上を実現
本製品はボタン1つで術者に合わせて操作パネルの高さを電動で調整することができるため,術者の操作性の向上・検査時の負担軽減に寄与する。また,操作パネルやタッチパネルのボタンをユーザーのニーズによって配置できるため,ユーザビリティの向上を実現する。
※1 生体内の血流に色を付けてリアルタイムで表示する方法。
※2 1秒間に描出できる画像の枚数。フレームレートが高いと滑らかな画像になる。
※3 生体内に実存しない虚像が表示される現象。アーチファクトが低いと虚像の発生を軽減できる。
一般的名称:汎用超音波画像診断装置
販売名:超音波診断装置 Aplio i800 TUS-AI800
認証番号:228ABBZX00021000
類型:Aplio i800 EUS
製造販売元:キヤノンメディカルシステムズ(株)
●問い合わせ先
オリンパス(株)
http://www.olympus.co.jp
キヤノンメディカルシステムズ(株)
広報室
TEL 0287-26-5100
https://jp.medical.canon