2024-4-9
腰椎・大腿骨X線骨密度測定装置
「ALPHYS LF」
カラーリング変更後※2
富士フイルムヘルスケア(株)は,AI技術※1を活用して新たに開発した腰椎自動解析機能を搭載した腰椎・大腿骨X線骨密度測定装置「ALPHYS LF(アルフィス エルエフ)」を4月下旬より提供開始する。「ALPHYS LF」は,腰椎の骨密度測定における解析の自動化により,解析時間の短縮と解析精度の向上を実現する。
同社は,4月12日〜14日にパシフィコ横浜(神奈川県横浜市)で開催される「2024国際医用画像総合展(ITEM2024)」に「ALPHYS LF」を出展する。
日本国内における骨粗しょう症の患者数は最新データで約1,590万人※3といわれている。高齢者の骨粗しょう症に伴う骨折が増加しており,要支援・要介護となる原因の一つになっている。骨粗しょう症の診断や治療効果の確認には,X線を用いたDXA(デキサ)法※4による腰椎・大腿骨の骨密度測定を行うのが一般的である。しかし,腰椎・大腿骨の骨密度測定には,解析に時間が掛かる,操作者の手技により操作者間で測定結果にばらつきが生じるといった課題があった。
同社は,2018年に腰椎・大腿骨X線骨密度測定装置「ALPHYS LF」を発売。ベッド一体型ではなく,一般X線撮影システムの撮影台との組み合わせが可能で,既存のX線撮影室を有効活用できる省スペース設計などの特長により,多くの医療機関で活用されている。今回,「ALPHYS LF」にAI技術を活用して新たに開発した腰椎自動解析機能を搭載し,刷新。スキャン後の腰椎解析プロセスにおいて,従来は操作者が手動で行っていた椎間線の高さや角度の設定を自動で行い,解析結果を表示する。腰椎自動解析機能の搭載により,従来と比較して解析時間を16.2%削減※5。操作者間の手技のばらつきを抑制し,解析精度の向上にも寄与する。
同社は,簡便な操作性や高画質で解析しやすい画像の提供など,医療従事者が検査に注力できる検査環境をサポートし,検査の効率化と医療の質の向上を図ることで,人々の健康維持増進に貢献していく。
※1 AI技術のひとつであるDeep Learningを用いて開発した。導入後に自動的に装置の性能・精度が変化することはない。
※2 カラーリングの変更を予定している。カラーリング変更後の製品は10月頃より提供を開始する。「ITEM2024」には,カラーリング変更後の「ALPHYS LF」を参考出展する。
※3 Yoshimura N, et al: Trends in osteoporosis prevalence over a 10-year period in Japan: the ROAD study 2005-2015. J Bone Miner Metab 40(5): 829-838, 2022
※4 骨密度の測定方法の一つ。2種類のエネルギーのX線を用いて,X線の吸収度合により骨と骨以外の組織を区別し,骨密度を測定する方法。
※5 「ALPHYS LF」を用いて腰椎骨密度測定を行った骨粗鬆症例45例,骨量減少例55例,正常例101例について,手動で解析を行った場合と腰椎自動解析機能を用いた場合の解析時間を比較したデータ。
1.販売名
X線骨密度測定装置 ALPHYS LF(医療機器認証番号: 第230AABZX00024000号)
2.提供開始時期
2024年4月下旬
3.主な特長
(1) 解析時間の短縮と解析精度の向上
AI技術を活用した腰椎自動解析機能の搭載により,腰椎解析時に手動で行っていた椎間線の設定の手間を削減。操作者間の手技のばらつきも抑制し,解析時間の短縮と解析精度の向上を実現する。椎間線の設定が難しい圧迫骨折や骨棘(こつきょく),石灰化のある受診者の場合でも,腰椎自動解析機能により短時間で精度よく解析結果を表示可能。
(2) 高い設置性の実現
フローティング式の撮影台や折り畳みテーブルなどに組み合わせた設置が可能。また,X線撮影装置「CLINIX Plus(クリニックス プラス)」※6の撮影台YTS-1との組み合わせが可能である。従来のX線撮影装置「CLINIX Ⅲ(クリニックス スリー)」※7の撮影台YTS-1Nとの組み合わせと比較し,撮影台の設置スペースを削減した。
※6 CLINIX PlusはX線撮影装置 CLINIXⅢの管球保持装置YTS-1S,X線撮影台YTS-1を組合せた場合の呼称。
※7 販売名:X線撮影装置 CLINIX Ⅲ 医療機器認証番号: 第228ABBZX00105000号
(3) 画像診断ワークステーション「C@RNACORE」※8のコンソールで操作可能
富士フイルムの画像診断ワークステーション「C@RNACORE(カルナコア)」のコンソールで「ALPHYS LF」の操作が可能。従来X線操作室には「C@RNACORE」と「ALPHYS LF」それぞれのコンソールを設置する必要はあったが,「C@RNACORE」のコンソールに「ALPHYS LF」のソフトウェアをインストールして「ALPHYS LF」を操作できるようになった。同一コンソールのため,受診者の属性情報や検査結果の連携も簡単に行うことが可能。
※8 販売名:富士画像診断ワークステーションCC-WS674型 医療機器認証番号:22200BZX00909000
富士画像診断ワークステーションCC-WS674型をC@RNACOREと呼称する。
●問い合わせ先
富士フイルムヘルスケア(株)
問い合わせフォーム:https://www.fujifilm.com/fhc/ja/form/products