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ホロジックジャパン,トリコモナス原虫とカンジダ症の原因菌種を同時検出する,核酸増幅法TMA法を用いた研究用試薬を8月15日より販売開始

2022-8-15

Aptima カンジダ ヴァジナイティス/トリコモナス ヴァギナリス Assay  100テスト用

Aptima® カンジダ ヴァジナイティス/トリコモナス
ヴァギナリス Assay  100テスト用

ウィメンズヘルス分野のリーディングカンパニーであるホロジック社の日本法人,ホロジックジャパン(株)は,女性の膣トリコモナス症の発症原因となるトリコモナス原虫と,性器カンジダ症の発症原因となるカンジダ属の一部の菌種を同時に検出する研究用試薬である,核酸増幅法TMA法を用いた,「Aptima®カンジダ ヴァジナイティス/トリコモナス ヴァギナリス Assay」を2022年8月15日に発売する。同試薬は,全自動遺伝子検査システム「パンサー®システム」により測定を行う。

膣トリコモナス原虫による感染症は,性行為以外にも身に着ける下着やタオル,トイレなど身近なものからも感染する可能性がある,最もポピュラーな性感染症として古くから知られているものの1つ1。男女で症状が異なり,女性では泡状で悪臭の強いおりものの増加や外陰,膣のかゆみなどを示し,男性感染者の70.80%,女性感染者の約50%が無症状である2。性器カンジダ症は,激しいかゆみ・発赤・白いカス状のおりもの・おりものの増加等の症状を伴う性感染症。カンジダは健康な人でも体内に存在する常在菌であるカビの一種で,主に女性に頻繁にみられる疾患。なお「膣炎」の9割は,「細菌性膣炎」,「性器カンジダ症」,「膣トリコモナス症」が個別原因,または混合感染して引き起こされていると言われる3。混合感染と重複した症状は診断を難しくし,適切ではない治療につながる可能性もあり,正確な診断には感度・特異度の高い遺伝子検査の応用が期待されている。発症原因となる病原体の正確な特定により,抗微生物薬の適切な投与など,臨床上の対応が重要と言われている。なお「性器カンジダ症」「膣トリコモナス症」の検出法として現在国内では主に鏡検法,培養法が使われている。

同社はこれまでに「Aptima® トリコモナス ヴァギナリス Assay」(研究用試薬)を販売してきたが,今回の改良された研究用試薬の発売により性器カンジダ症の原因菌種も同時に検出することで,より正確で早期の性感染症の識別を実現するための研究が推進される事が期待される(本品は研究用試薬であり,診断またはその補助を目的とした使用はできない)。

ホロジックジャパンは,同社のソリューションを通じて性感染症検査へのアクセスを改善することで,性感染症の感染予防,蔓延の防止に貢献し,日本の女性の健康を守るために活動していく。

【製品情報】

●販売名及び希望販売価格(税抜)
Aptima® カンジダ ヴァジナイティス/トリコモナス ヴァギナリス Assay 100テスト用  400,000円

●販売開始日:2022年8月15日

●製品の特長
- 「Aptima® カンジダ ヴァジナイティス/トリコモナス ヴァギナリス Assay」は,米国,欧州及び豪州でも販売されている。
- Aptima® カンジダ ヴァジナイティス/トリコモナス ヴァギナリス Assayは検出を同時に行えるため,両疾患の予防及び治療に向けた研究に有用。
- 細胞内に最も多く含まれている,リボゾームRNA(rRNA)をターゲットとしているため,高感度な核酸の検出が期待される。

本製品は試料中のカンジダ属(C. albicans, C. tropicalis, C. parapsilosis, C. dubliniensis)※,C. glabrata及びTrichomonas vaginalisが保有するリボゾームRNAを検出する。※カンジダ属の4菌種の同定はできない。

1. 参考文献:『性感染症 診断・治療 ガイドライン 2020』 日本性感染症学会 2020
2. WHO: https://www.paho.org/en/topics/trichomoniasis
3. Paladine HL. Vaginitis: Diagnosis and Treatment. Am Fam Physician. Am Fam Physician. 2018 Mar 1;97(5):321-329.. Sobel J. Approach to females with symptoms of vaginitis. UpToDate. Updated May 25, 2021. Accessed August 2021. www.uptodate.com

<参考>
[検査の種類と方法]
鏡検法:採取した組織(尿や膣分泌物)を顕微鏡で観察する
培養法:採取した組織(尿や膣分泌物)を培地を用いて培養し判定する
核酸増幅法(TMA法・PCR法など):採取した検体等から対象微生物の核酸を増幅して検出する

[採取器具と対応機種]
「Aptima® カンジダ ヴァジナイティス/トリコモナス ヴァギナリス Assay」 は,採取に「Aptima® Multitest スワブ採取セット」を使用する。
本試薬を用いた検出には,専用の全自動の遺伝子解析装置「パンサー®システム」が必要。

[パンサー®システムについて]
〜臨床における核酸増幅法の使用をより多くの施設で可能に〜
「パンサー®システム」は,遺伝子検査の完全自動化を実現した,全自動の遺伝子解析装置。
検体到着後,専用ラックに検体をセットし装置に投入するだけで,核酸の抽出・増幅・検出・結果報告までの一連の工程,および核酸増幅反応によって得られた核酸増幅産物の不活性化処理までを全自動で行う。最初の測定結果はHIV-1, HBV, HCVで2時間40分,他の項目では3.5時間で得られるほか,最大275検体を8時間,500検体を12時間で測定することが可能であり,オペレーターの作業時間を大幅に削減する。
またランダムアクセス機能により,単一のラック内であっても複数の検査項目を測定できるとともに,随時,検体を投入することができるため,それぞれの種類の検体を溜めて待機するなどの手間を省き,最適なワークフローを実現する。必要な機器類をコンパクトに集約した一体型デザインによりラボにおける設置スペースを有効に活用することが可能。

[TMA(Transcription Mediated Amplification)法とは]
PCR法とTMA法 - どちらも同じ核酸増幅法検査(Nucleic adic Amplification Test:NAT)
核酸増幅検査(NAT検査)とは,遺伝子の一部の核酸を取り出し(抽出),その核酸を増やして(増幅),増えた核酸を検出することで遺伝子の有無を確認する検査法のこと。PCR法は検出対象が主にDNAであり,温度変化をさせることで対象核酸の増幅を行うが,TMA法は検出対象が主にRNAであり,温度変化を必要とせずに(等温下で)対象核酸の増幅を行う,という違いがある。(測定対象によってはPCR法でもRNAを検出する場合,TMA法でもDNAを検出する場合がある。)
TMA法のメリットの1つとして,温度変化が不要なことで検体を溜めて待機する(バッチ処理)などの手間を省き,随時検体の投入が可能となること,また自動化機器のコンパクト化が可能になる,といった点がある。
またHPV検査においては,がん関連タンパク質であるE6/E7 のmRNAを測定対象とすることで,実際の疾患との関連が高い検査が可能となる。(偽陽性の減少)*
*J Cuzick et al., Comparing the performance of six human papillomavirus tests in a screening population. (https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3590662/ )

 

●問い合わせ先
ホロジックジャパン(株)
https://hologic.co.jp/