2022-4-15
デジタルX線透視撮影システム「CUREVISTA Apex」
富士フイルムヘルスケア(株)は,X線透視下での内視鏡検査・治療に特化したデジタルX線透視撮影システム「CUREVISTA Apex(キュアビスタ エイペックス)」を,2022年4月15日より発売する。本製品は,縦・横・斜めに可動し被検者を動かすことなく観察できる「3方向アーム」や散乱X線を可視化する「線量マップ」,声で画像処理エンジンを操作できる「ボイスコントロール」などの新たな機構・機能を搭載したモデルで,高度な内視鏡検査・治療を担う消化器内科や呼吸器内科などの医師を支援する。
なお,同社は,2022年4月15日から4月17日にパシフィコ横浜(神奈川県横浜市)で開催される「2022国際医用画像総合展(ITEM2022)」に本製品を出展する。
近年,内視鏡検査・治療が日本で普及し,国際的にも拡がりをみせている。これは,口や鼻から体内にアプローチする内視鏡と関心部位を俯瞰して観察できるX線透視撮影システムを併用することで,開腹手術のように被検者の身体に大きな負担をかけることなく,検査・治療を行えるからである。
「CUREVISTA Apex」の特長
1. 診たいアングルを提供する3方向アーム「3WAY ARM(スリーウェイアーム)」の採用
内視鏡検査・治療の現場では,手技中の被検者の体動や体位変換による穿孔リスクを避けるために,被検者を動かさずに臓器の重なりを回避したり,対象の臓器の奥行きをX線透視画像で確認したりしたいという要望が多く寄せられています。本製品は,従来から好評を得ている,同社独自の「2WAY ARM(ツーウェイアーム)」*1の可動方向に左右軸の斜入を追加した「3WAY ARM」を搭載。テーブルを完全に固定した状態で,X線管アームを3方向に動かすことが可能。オーバーテーブルタイプ*2でありながら,被検者を動かすことなくアングルを変えて観察できる。
2. 目に見えない散乱X線を可視化する線量マップ「IntelliMAP(インテリマップ)」の搭載
近年,X線透視下で検査や治療を行うケースが増える中,散乱X線による医療従事者の職業被ばくも増加傾向にあると言われている。特に,身体の奥に位置する肝臓,胆のう,膵臓や複雑に分岐する気管支などの内視鏡検査・治療では,複数の臓器が重なりあうことから,高度な内視鏡操作技術が求められる。これに伴い,処置時間が長くなり,検査者が散乱X線にさらされる時間も長くなる傾向にある。これに対して,同社は目に見えない散乱X線を可視化することで,被検者だけでなく,検査や治療に立ち会うすべての医療従事者の被ばく量を減らすきっかけを作りたいと考えた。そこで,本製品の画像処理エンジンに,仮想的な散乱X線の分布をリアルタイムでカラー表示できる線量マップ「IntelliMAP」を搭載した。
3. 声で画像処理エンジンを操作するボイスコントロール「MAGICHAND(マジックハンド)」の実装
検査や治療が複雑化し多岐にわたる昨今,使用する機材も多種多様になっている。医師の手や足が内視鏡などの周辺機器や処置具の操作でふさがり,X線透視撮影システムの操作がしづらいケースも珍しくない。これを受けて,同社は,ボイスコントロール「MAGICHAND」を実装した。「MAGICHAND」は,声による医師の指示を受けて,非接触で画像処理エンジンを操作することにより,新たな音声操作ソリューションで医師をサポートする。
富士フイルムヘルスケアは,ユーザーニーズに応える幅広い製品・サービスの提供を通じて,今後も検査および治療の精度向上に貢献していく。
*1 2WAY ARM:テーブルトップを一切スライドさせずに,X線管アームを縦方向と横方向に動かすことができる機構。X線管アームに合わせて,テーブル内のFPD(Flat Panel Detector)も縦方向と横方向に動くことから,被検者を動かさずに透視や撮影の視野を移動できる。
*2 オーバーテーブルタイプ:X線管がテーブルの上にあるタイプの透視撮影システム。
CUREVISTA Apexのウェブサイト
https://www.fujifilm.com/jp/ja/healthcare/x-ray/fluoroscope/curevista-apex
* 2022年4月18日より公開する予定。
販売名:デジタルX線透視撮影システム CUREVISTA Open / CUREVISTA Apex
(医療機器認証番号:第302ABBZX00032000)
発売日:2022年4月15日
* システム構成により価格は異なる。
* CUREVISTA Apexは3WAY ARMを搭載したモデルの呼称。
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富士フイルムヘルスケア(株)
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