2022-4-1
日本における診療所,病院,および調剤薬局向けヘルスケアITソリューションのプロバイダーとして業界をリードするPHC(株)メディコム事業部(以下,「PHC」)は,2022年3月31日,診療所用医事一体型電子カルテシステム「Medicom-HRf」と,様々なクラウドサービスとのAPI(*1)連携を実現するクラウド連携システム「Medicom Cloud Connect API」(*2)を公開した。
国が掲げるデータヘルス改革の一環として,患者の医療情報を一元的に管理するPHR(Personal Health Record)の構築に向けた取り組みが推進されている。一方で,電子カルテシステムやオンライン予約システムなど個々のサービスに登録された医療情報は,システム間連携の欠如によって分断され,医療機関や薬局における情報管理の煩雑化や患者さの利便性の低下を招いている。2021年10月より本格的な運用がスタートしたオンライン資格確認に続き,2023年1月には電子処方箋の運用が始まるなか,患者さんの医療情報を様々なサービス間でシームレスに連携し,医療機関,薬局,患者がリアルタイムで情報共有することで,より適切な医療サービスの提供と患者自身による健康管理や疾病予防を推進するためのソリューションが求められている。
今回公開した「Medicom Cloud Connect API」により,診療所向け電子カルテシステムの国内市場においてトップシェア(*3)を有するPHCの主要製品である診療所用医事一体型電子カルテシステム「Medicom-HRf」と,オンライン予約システムやオンライン問診システムなどの他社が提供する各種クラウドサービスとの連携が可能となる。これにより,両システム間で患者の医療情報が共有されるため,各システムへの重複した入力作業が不要となり,医療従事者の業務負担の軽減に寄与する。また,医師の診察だけでは得られない医療情報を連携先のクラウドサービスから取り込むことで,患者へのよりきめの細かい診療の実現に役立てることができる。
PHCは,今後,「Medicom Cloud Connect API」を共通基盤として,診療所向け電子カルテシステムのみならず,保険薬局向け電子薬歴システム「Pharnesシリーズ」や電子版お薬手帳アプリ「ヘルスケア手帳」サービスと他社のクラウドサービスとの連携に向けた開発も進めていく。同システムによるAPI連携を通じて断片化されたサービスを繋ぎ,医療機関,薬局,患者が医療情報をシームレスに,リアルタイムで共有できる環境を整備することで,医療従事者の業務効率の更なる改善と,医療サービスの質の更なる向上へ貢献する。
PHCホールディングス(株)にて執行役員およびヘルスケアソリューション共同ドメイン長を務める大塚孝之氏は,「当社は,1972年に日本で初めて医事コンピューターを発売して以来,ヘルスケアIT事業の拡大を図り,国内の診療所にベストインクラスの電子カルテシステムを提供してまいりました。このたび公開したクラウド連携システム『Medicom Cloud Connect API』の開発をさらに進め,当社が有する幅広いシステムと他社が運営するサービスとの連携を実現することで,医療機関,薬局,および患者さんのより円滑な情報共有を促し,政府が推進するデータヘルス改革に寄与するものと期待しています。社会の変容に柔軟に対応する包括的な医療IT基盤の構築を通じて,患者さんへのより適切で質の高い医療の提供に貢献してまいります」と述べている。
(*1)Application Programming Interfaceの略称。ソフトウェアやプログラム,アプリケーションの間を繋ぐインターフェース
(*2)www.phchd.com/jp/medicom/medical_it/medicomcloudconnect
(*3)出典:(株)富士経済「2022年 医療連携・医療プラットフォーム関連市場の現状と将来展望」(2020年企業シェア 数量ベース)
●問い合わせ先
PHC(株)
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