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ニコンとDeepEyeVisionが,日本初の健常眼との差異を色表示する,AIを用いた眼底カメラ用プログラムを共同開発

2022-2-8

(株)ニコン(以下:ニコン)と,自治医科大学発ベンチャーのDeepEyeVision(株)(以下:DeepEyeVision)は,健常眼との差異を色表示するものとしては日本初※1となる,AIの一種であるディープラーニングを用いた眼底カメラ用プログラム※2「DeepEyeVision for RetinaStation」(以下:本製品)を共同で開発し,DeepEyeVisionが医療機器認証を取得した。

本製品を利用することで,ニコンの子会社である(株)ニコンソリューションズ(以下:ニコンソリューションズ)が販売する眼底撮影装置「RetinaStation」※3で撮影した眼底画像に対して,本製品をインストールしたPCで,AIが解析した健常眼との差異を色表示できるようになる※4。これにより,医療現場における眼科医の負荷軽減と,医療の質の向上に寄与することが期待される。

なお,本製品は,「第126回日本眼科学会総会」(4月14日~17日,於:大阪府立国際会議場)において,ニコンソリューションズのブースで展示を予定している。

「DeepEyeVision for RetinaStation」の画面イメージ

「DeepEyeVision for RetinaStation」の画面イメージ

 

開発の経緯

近年,急速な高齢化により,緑内障や糖尿病網膜症などに代表される眼疾患が増加している。疾患の早期発見,適切な治療の実現のためには,眼科医に対して,より診断しやすい画像情報を提供する医療機器プログラムの製品化が急務となっている。

このような社会的ニーズに応えるため,DeepEyeVisionが持つディープラーニングの技術を活用し,ニコンとDeepEyeVisionは共同で本製品を開発した。ニコンソリューションズの眼底撮影装置「RetinaStation」で撮影した眼底画像に対して,DeepEyeVisionの「逸脱可視化AI」※5が健常眼との差異を色表示する。医師が重点的に診察すべき関心領域を示唆することで,眼科医による迅速な診断を支援し,医療の質の向上に貢献する。

なお,本製品の開発にあたっては,日本眼科AI学会の関連団体である一般社団法人Japan Ocular Imaging Registryの支援を受けた。

「RetinaStation」は,PC一体型の眼底撮影装置。ワンタッチで両眼のアライメント,フォーカス,撮影まですべて自動で,直感的な操作が可能である。10.1型の大型タッチパネルに1,200万画素の高解像度な画像を表示し,眼底の細部まで忠実に再現。PC一体型のコンパクトな筐体は,省スペース化を実現する。

眼底撮影装置「RetinaStation」

眼底撮影装置「RetinaStation」

 

今後の展開

ニコンとDeepEyeVisionは,AIを活用した本製品を市場に展開することで,眼科医療における質の向上に取り組むとともに,医療現場で用いるAIのさらなる市場創出実現に向け,研究開発を引き続き進めていく。

※1:2022年2月8日現在,医療機器認証済みの,健常眼との差異を色表示する,ディープラーニングを用いた眼底カメラ用プログラムにおいて。両社調べ。
※2:医療機器認証番号:303ADBZX00110000(販売名:「眼底カメラ・眼撮影装置用プログラム DeepEyeVision for RetinaStation」)
※3:医療機器認証番号:301ABBZX00030000(販売名:「スマートイメージャ RetinaStation」)
※4:本製品は眼底カメラから得られた画像情報をさらに処理して,被験者の健康状態の診断のために使用する医療機器プログラムであり,特定の疾病や疾患を判別したり,病状の進行度などを診断したりするような用途は意図しておらず,いわゆる自動診断機能は有していない。
※5:「逸脱可視化AI」とは,医用画像の画像ファイルを読み込み,濃度・色の計測と解析およびそれらの幾何学的計測・解析により健常者との類似度を算出,ヒートマップによって可視化し,透明度を持たせ,入力画像と重ねて表示する機能を実現する医療AIのことであり,DeepEyeVisionが定めた呼称。

 

●問い合わせ先
(株)ニコン
https://www.nikon.co.jp/

DeepEyeVision(株)
https://deepeyevision.com/