2022-1-11
アライドテレシス(株)は,2021年7月下旬にパラマウントベッド(株)とともに,次世代医療・介護用IoT端末である体動センサ「眠りSCAN」,カメラシステム「眠りSCAN eye」をそれぞれ無線LANソリューションと組み合わせ,ネットワーク上で可視化し円滑で効率的な運用管理を実現する接続検証を行った。
■実証実験の背景
パラマウントベッド(株)の「眠りSCAN」および「眠りSCAN eye」を活用した見守り支援システムは,医療施設入居者の状態を見守り,その情報をネットワーク経由で収集し集積することができる。利用者の睡眠状況などの状態を可視化し,ケアプランの改善やスタッフの業務負担軽減に役立てることができるシステム。しかし,安定した見守り支援システムの運用とその実現には,安定した無線LAN環境が必要となる。また,利用状況の追跡や在庫数の管理,メンテナンスなどが適時適切に行えない「医療機器の迷子」が発生する恐れもある。
そこでアライドテレシスでは,同社製の無線LANアクセスポイントで利用可能な,シングルチャンネルテクノロジーによるローミングレス通信を実現する独自の無線LANソリューション「AWC-CB(Autonomous Wave Control-Channel Blanket)」と「眠りSCAN」および「眠りSCAN eye」との接続検証を行い,位置情報の測位による効率的な機器運用の実現性を確認した。
■共同検証の結果
本検証によって,同社より提供するAT-TQ5403/AWC-CBを用いた無線LAN環境で「眠りSCAN」と「眠りSCAN eye」の接続および位置情報と移動履歴の測位が可能であることが確認された。
機器の使用状況を追跡して適切に管理し,安定した通信環境で運用することによって,より安心で質の高いサービスを提供することが可能となる。
■共同検証の概要
同社無線LANアクセスポイントAT-TQ5403および,シングルチャンネル型無線LANソリューションAWC-CBを用いた通信環境において,パラマウントベッド(株)の「眠りSCAN」および「眠りSCAN eye」との間で検証機器と移動しながらの通信を行い,以下の動作を確認した。
(1) 「眠りSCAN」および「眠りSCAN eye」の位置情報と動線表示
アライドテレシス製ネットワーク統合管理ソフトウェア「AT-Vista Manager EX」のネットワーク機器と接続端末の全体が可視化可能な“統合マップ”上において,無線LANアクセスポイントに接続されている「眠りSCAN」および「眠りSCAN eye」の位置情報と移動履歴を表示することができる。さらに,統合マップ上で「眠りSCAN」および「眠りSCAN eye」の専用アイコンを設定することも可能。
この機能により,機器が施設内で所在不明になることを防ぎ,効率的な機器の運用管理を実現する。
(2) シングルチャンネル環境における移動中の安定した通信
ステーションに設置されるノートPCやスマートフォンなどの接続端末が,リアルタイムで安定した通信を行えるようになる。また複数の無線LANアクセスポイントが同一のチャンネルを用いることで,アクセスポイント間を移動した際のローミングが不要になるため,通信の遅延や途切れを回避することができる。
【検証環境について】
■パラマウントベッド(株)提供環境
・「眠りSCAN」(一般的名称:体動センサ,医療機器製造販売届出番号:12B1X10020000128)
「眠りSCAN」は,マットレスや敷布団の下に敷いて,体動(寝返り,呼吸,脈拍など)を検出するシート状のセンサ。ベッド上の利用者の状態をリアルタイムでモニタリングできる。
・カメラシステム「眠りSCAN eye」
「眠りSCAN eye」は,入居者の映像を遠隔のパソコン端末や携帯端末で確認できるほか,「眠りSCAN」で設定した状態の変化を検知した際の通知にあわせて映像を表示することができるシステム。
■アライドテレシス(株)提供環境
・AT-TQ5403
AT-TQ5403は,IEEE 802.11ac(Wave2)および従来規格に対応し,2.4GHz帯と2つの5GHz帯の同時使用が可能な3ラジオ搭載無線LANアクセスポイント。最新規格のIEEE 802.11acは11nを超える通信速度を幅広い周波数帯を持つ5GHz帯で利用することができ,安定した通信環境を構築できる。
・AT-Vista Manager EX
スイッチやルーター,無線LANアクセスポイントなどの機器を,オンプレミスでもクラウド環境でも一括管理するネットワーク管理ソリューション。ネットワークを可視化させることで直感的な画面操作が可能になり,簡単にシンプルにネットワーク管理を実現。ネットワークの状況,ネットワークのトラブルを即座に確認し,タイムリーに問題や事象を解決する。
・AWC-CB(AWC-Channel Blanket)
無線エリア内の複数のアクセスポイントで同一のチャンネルを使用し,仮想的に1台のアクセスポイントとして動作するテクノロジー。端末に近いアクセスポイントが自動的にデータ転送を行うため,ローミング時の通信切断や移動によって通信が遅くなるスティッキー端末問題を解消する。
同社は,今後も安定した無線LANを必要とする顧客へ快適な利用環境を提供するため,様々なデバイスとの相互接続性の検証を実施していく。
●問い合わせ先
アライドテレシス(株)
info@allied-telesis.co.jp
https://www.allied-telesis.co.jp