2021-10-7
キヤノンメディカルシステムズ(株)(以下,キヤノンメディカル)の新型コロナウイルスRNA検出システムが,飛鳥II(郵船クルーズ(株)),にっぽん丸(商船三井客船(株))の船内検査室に設置された。乗組員や乗船客の乗船直前検査および,船内で有症状者が発生した場合の検査に使用される。本システムによる,飛鳥IIの乗船直前検査は10月8日より,にっぽん丸の乗船直前検査は10月11日より,開始される。
設置したのは,キヤノンメディカルの蛍光LAMP法(注1)による「新型コロナウイルスRNA検出試薬 LAMPdirect / Genelyzer KIT」(注2),および等温増幅蛍光測定装置 Genelyzer Fシリーズ。この検査システムは,核酸検出検査で,無症状者に対して唾液から検査が可能であり(注3),迅速に大量に検査を行うことができる。
これまでクルーズの乗船直前検査は検査を外部機関に依頼しており,検査結果判明までに時間を要していた。同社の新型コロナウイルス検査システムを利用することにより,乗船直前に港で検査を行い,出航前に迅速に検査結果がわかるため,陰性を確認できた乗船客のみ乗船することができる。
今年5月より,船内検査室における乗船直前検査の準備を先んじて始めた,郵船クルーズ(株)は,「乗船直前に検査を行うことで,安心して出航できる」,「迅速に検査を行うことができ,乗客の待機時間を最小限におさえることができる」,「当社のみならずクルーズ業界全体に広げていきたい」とコメントしている。
キヤノンメディカルは,新型コロナウイルスの検査をオンサイトで迅速に実施することにより,クルーズ船の再開や,様々なイベントが再開され,経済活動の活性化に役立つことを期待している。
注1 LAMP:栄研化学(株)が開発した核酸増幅法(Loop-Mediated Isothermal Amplification)
注2 (株)島津製作所のAmpdirectTM技術による専用試薬「LAMPdirect」を用いて,検体採取後,結果を得るまで約30分(最短)と大幅な時短を実現し,昨年10月に国立感染症研究所のホームページで公 表され,行政検査に使用可能となっている。
https://jp.medical.canon/News/PressRelease/Detail/64331-834
https://www.niid.go.jp/niid/images/lab-manual/2019-nCoV-17-current.pdf
本試薬は研究用試薬。医薬品医療機器法に基づく体外診断用医薬品としての承認・認証などを受けていない。ただし,「臨床検体を用いた評価結果が取得された2019-nCoV遺伝子検査方法について」(厚生労働省健康局結核感染症課 国立感染症研究所 2020年10月23日版)に記載され,厚生労働省の通知により保険適用の対象となっている。また,本試薬の使用には,専用装置 Genelyzer Fシリーズ(https://jp.medical.canon/products/dnachip/genelyzer_F/
)に加え,分注ピペット,小型遠心機をはじめとする機材や,試料・遺伝子の取扱技術を要する。
注3 新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 病原体検査の指針 第4版
https://www.mhlw.go.jp/content/000790468.pdf
Ampdirectは(株)島津製作所の商標。
Genelyzer, Made for Life はキヤノンメディカルシステムズ(株)の商標。
●問い合わせ先
キヤノンメディカルシステムズ(株)
広報室
TEL 0287-26-5100
https://jp.medical.canon