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ジンマー・バイオメット,「ROSA One ロボットシステム」を活用した初症例の実施を発表てんかんの外科適応を判断する頭蓋内深部脳波検査の普及と てんかん外科手術の臨床成績向上を期待

2021-10-4

ROSA One ロボットシステム

ROSA One ロボットシステム

ジンマー・バイオメット合同会社は,2021年10月1日,日本では最初となる(※)患者がROSA One ロボットシステムによる頭蓋内深部電極植込術を受けたことを発表した。「ROSA One ロボットシステム」は,脳神経外科及び脊椎脊髄外科手術を適応として承認されており,独立行政法人医薬品医療機器総合機構によって脳神経外科において手術用ロボット手術ユニットの薬事承認を取得した唯一の医療機器である。
※同社調べ

https://www.youtube.com/watch?v=kPzDq9Tb0uE

製品名・薬事情報
製品名 ROSA One ロボットシステム
製造販売承認番号:23100BZX00060000

日本初症例は,2021年10月1日に順天堂大学医学部 脳神経外科 先任准教授 菅野 秀宣氏を執刀医に,順天堂大学医学部附属順天堂医院にて実施された。
「てんかんは,『てんかん発作』を繰り返す脳の病気であり,年齢,性別,人種に関係なく発病する。現在,日本国内では推定100万人以上(100人に1人)の患者がいると言われている。
私たちの脳は,神経細胞が集まって構成されている。神経細胞は,通常『興奮』と『抑制』がバランスよく働き,私たちの体をコントロールしている。しかしてんかんの場合このバランスが崩れ,ある神経細胞が異常に興奮し,過剰な電気を放つ。その場所を『てんかん焦点』と呼ぶ。

てんかんイメージ

てんかんイメージ

 

てんかん焦点の場所によって,現れるてんかん発作は様々である。そのため,てんかん外科手術において,てんかん発作の原因となるてんかん焦点が脳内のどこに位置しているのかを特定することは非常に重要。本邦においては開頭を必要とする硬膜下電極留置術による検査が普及しているが,長時間にわたる手術であり,術後の患者負担が高いこと,また評価可能な範囲が脳表面に限られるなど課題があった。

■硬膜下電極留置術
定位的深部脳波検査(Stereo-Electroencephalography:SEEG)は,頭蓋骨に開けた直径約2-3mmの孔から電極を留置する手技であり,脳深部を含む広範な領域を評価することが可能。

■深部電極留置術
ヨーロッパで開発された方法だが,現在は先進国を中心に世界中で広く行われており,脳神経外科手術支援ロボットの普及と共に標準的なてんかん脳波検査の一つとなっている。SEEGによる評価を経て実施されたてんかん手術(焦点切除術等)では,てんかん発作の消失・減少率が有意に向上し,良好な臨床結果へ寄与することが報告されている。

ROSA One ロボットシステムは米国高度てんかんセンター(Epilepsy Center Level 4, National Association of Epilepsy Centers, USA)を中心に全世界で200台以上の導入実績がある。SEEGを含む数々のてんかん手術に活用され,その高い留置精度,安全性及び手術効率性が評価されている。十分な実績と高い信頼性のあるロボットを活用し,てんかん患者へより安全かつ高度な治療を提供するよう尽力する所存です」と菅野氏は述べている。

■ROSA One ロボットシステムについて
ROSA One ロボットシステムは,脳神経外科及び脊椎脊髄外科領域の手術を支援する医療機器。患者及び手術器具の位置情報などをリアルタイムで画像表示しながら,術前に定められた手術計画に従いロボットアームが手術器具を運搬・把持することで術者を支援する。
海外においては,主にてんかんにおける頭蓋内深部脳波検査,凝固術等定位脳手術,パーキンソン病における脳深部刺激装置植込術,脳腫瘍領域における腫瘍生検及び内視鏡下経鼻的腫瘍摘出術等に活用されている。
ジンマー バイオメットは,患者のQuality of Life向上に貢献すべく,今後とも様々なソリューションをご提案していく。

■参考文献等
Han Yan et al , Method of invasive monitoring in epilepsy surgery and seizure freedom and morbidity: A systematic review, Epilepsia. 2019
Nitin Tandon et al., Analysis of Morbidity and Outcomes Associated With Use of Subdural Grids vs Stereoelectroencephalography in Patients With Intractable Epilepsy, JAMA Neurology, 2019
Jay Gavvala et al., Stereotactic EEG Practices: A Survey of United States Tertiary Referral Epilepsy Centers, Journal of Clinical Neurophysiology, 2020

 

●問い合わせ先
ジンマー・バイオメット合同会社
https://www.zimmerbiomet.com/ja