2021-8-12
医療AIプラットフォーム技術研究組合(以下略称「HAIP」),(株)エムネス(以下,「エムネス」),並びにエルピクセル(株)(以下,「エルピクセル))は共同で,HAIPが研究開発中の医療AIプラットフォームを通して,エムネスの医用画像共有システムと連携したエルピクセルの脳動脈瘤検出を補助する医療AIサービスを,医療機関へ届ける試行運用を開始する。
今回の試行運用では,日本医師会AIホスピタル推進センター(Japan Medical Association Promotion Center for AI Hospital & Clinic,以下通称「JMAC-AI」)と連携することで,社会実装時の業務プロセス等の評価も併せて検証する。
【試行運用の概要】
今回,使用する医療AIサービスとして,エルピクセルの脳MRA画像から,2mm以上の囊状動脈瘤の可能性がある候補を検出し,医師の読影を補助する医用画像解析ソフトウェア EIRL Brain Aneurysmと エムネスが提供する医用画像データをクラウド上で安全に共有することができるLOOKRECを,HAIPの医療AIプラットフォームに連携させる試行運用を行う。これにより医療AIプラットフォームを社会実装するためのフィジビリティ評価の一環として,画像データの取得,医療AIサービスによる分析,分析結果の医師への報告等の一連の流れについて医療AIプラットフォームを用いて運用するための技術的検証を約10カ所程度の医療機関の協力のもと行う。併せてJMAC-AIにおいて参加を希望する医師を募集し,登録する仕組みの構築や業務プロセスの検証も行う。
【HAIP,エルピクセル,エムネス及びJMAC-AIの連携イメージ】
【医療AIプラットフォームについて】
医療AIプラットフォームは,サービス事業基盤とAI開発基盤で構成される。
そのうち今回試行運用するサービス事業基盤では,高度で先進的な医療AIサービスをメニューとして一元的に提供するポータルサイトを提供し,医療機関等の利用者がこのポータルサイトを介して医療AIサービスを安心・安全に利用することが可能になる重要な基盤となる。これにより医師などの利用者は診断補助AIなど多くのサービスを活用することで,診療現場で患者と向き合う時間を増やしたり,働き方改革などに寄与することが期待されている。
一方,AI開発基盤は,より有益な医療AIサービスを創出させるために,医療AIサービスの開発ベンダーや研究者が外部のデータベースを仮想的に利用し,医工連携や産学連携を後押し,さらなる高度で先進的な医療AIサービスを開発できる環境になる。
【(株)エムネスの製品LOOKRECについて】
LOOKRECは100%クラウドベースのため,ブラウザのみで稼働することができる専門ビューワを通じて,リアルタイムに医用画像を共有することで,閲覧・アノテーション・レポート作成を可能にし,医師間コラボレーションの拡大を実現することが可能。
【エルピクセル(株)の製品EIRL(エイル)について】
医用画像解析ソフトウェア EIRL Brain Aneurysm
EIRL Brain Aneurysmは,脳MRA画像から,2mm以上の囊状動脈瘤の可能性がある候補を検出し,医師の読影をサポートするソフトウェア。
・販売名 医用画像解析ソフトウェア EIRL aneurysm
・承認番号 30100BZX00142000
・製品サイト(医療従事者向け):https://eirl.ai/ja/eirl-brain_aneurysm/
【日本医師会 AIホスピタル推進センター(JMAC-AI)について】
現在AIホスピタル研究の一環として,プラットフォーム事業者と連携して社会実装に取り組んでいるが,将来的には事業者からの申請に基づき,AIホスピタルシステムを支えるプラットフォーム事業者を審査し,認定する形態を取っていく予定。
また,利用者およびサービス提供事業者の登録事業も担うことになる。事業の進展やサービスの多様化に伴い,関係者間の取決めや規程などを整理し,データとサービスの利用が円滑に行われるよう登録体制を整えていく。
HAIPの研究開発の一部は,内閣府戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)「AI(人工知能)ホスピタルによる高度診断・治療システム」課題における受託研究開発費により実施している。
●問い合わせ先
エルピクセル(株) 広報担当
TEL:03-6259-1713
Email:pr@lpixel.net