2021-2-17
(株)アルム(以下 アルム)は,アルムが開発・提供する医療関係者間コミュニケーションアプリ「Join」を活用した手術の遠隔支援サービスの実証を,2021年2月より医療法人社団のう救会 脳神経外科東横浜病院と東京慈恵会医科大学附属病院で開始した。
2020年初頭より世界的に感染拡大している新型コロナウイルスの影響により,医療現場における医師の働き方改革や,遠隔による手術支援のニーズが高まっている。
そこでアルムは,医療関係者間コミュニケーションアプリ「Join」を活用することで,医療情報のガイドラインに準拠したセキュアな環境で,手術カメラ映像や血管造影装置の映像を病院の外で参照でき,執刀医が院外にいる指導医や器械技術者に,リアルタイムに手術支援が求められるサービスを構築し,臨床現場での有用性を実証することとした。
本実証では,医療法人社団のう救会 脳神経外科東横浜病院で行われる脳血管カテーテル治療を,東京慈恵会医科大学附属病院が遠隔で手術支援を行うためのシステム要件を満たし,実際の手術環境で実証する。過去行われた映像配信の実証結果では,血管造影装置の映像の場合,遠隔配信での遅延が0.5秒以内と,目視で違和感のない速度を実現させ,院内のモニターで見る場合と遜色ない画質および速度を達成している。本実証においてアルムは,実臨床において指導医が遠隔で手術を支援するために必要なシステム構成およびリアルタイム性,手術室内の運用等を確認する予定。
【遠隔指導側の利用イメージ】
【執刀病院側の利用イメージ】
遠隔指導医として検証に協力した,東京慈恵会医科大学附属病院 脳神経外科教授 村山 雄一氏は「現場にいるかのように指導・支援ができました。新型コロナウイルスの影響で,医学生の臨床見学や,経験の少ない医師への出張指導が制限される中,このような仕組みを活用してコロナ時代の新しい医学教育システムを提供していきたい。」と述べている。
また,本システムを導入した,医療法人社団のう救会 脳神経外科東横浜病院 副院長 郭 樟吾氏は「指導医が院外にいる時に当院へ急患が来た場合でも,スマホ1台があるだけで簡単かつ迅速に,手術をサポートできるようになった。若手の医師からも安心して執刀できるとの声を多くもらっている。また,指導医としても常に病院の近くに待機しなければいけないという精神的/肉体的なストレスから解放されて仕事のパホーマンスが飛躍的に向上して助かっている。この便利なシステムを一度経験してしまうと元には戻れない。」と,述べている。
今後は,国内医療機関300施設以上に導入されているJoinの新しい付加価値サービスとして展開し,脳血管カテーテル治療以外の領域での活用や,プロクタリング等での医師や企業職員の手術立会の代替としての遠隔化,手術の臨床研修のオンライン提供を進め,ニューノーマルにおける医療関係者の働き方改革に寄与することを目指す。また,国内だけでなく,新興国への医療支援の一環として,越境での手術支援体制構築など,海外市場での活用も目指す。
●問い合わせ先
(株)アルム
https://www.allm.net/