2021-1-25
富士フイルム(株)は,インドを始め,東南アジア,中東,アフリカなどの新興国で健康診断サービス事業を開始する。第一弾として,がん検診を中心とした健診センター「NURA(ニューラ)」を,インドのバンガロールで2021年2月4日にオープンする。「NURA」では,高精細な診断画像を提供する当社の医療機器やAI技術を活用したITシステムなどで医師の診断をサポートし,がん検診をはじめ生活習慣病検査サービスを提供する。
なお,本健診センターは,同社の現地法人「FUJIFILM Middle East FZE」(アラブ首長国連邦,ドバイ)と,インドや中東で病院や検診センターを経営するDr. Kutty’s Healthcare(以下,DKH社)の合弁企業「FUJIFILM DKH LLP(以下,FUJIFILM DKH)」が運営する。
新興国におけるがん罹患者の生存率は先進国と比べて低く,なかでもインドはがん罹患者の5年生存率が約3割となっている※1。がん罹患者の生存率を向上させるためには,定期検診による早期発見と早期治療が非常に重要。しかし新興国ではがん検診サービスを提供する施設が少なく,健診の文化も定着していない。一方で,日本はがん検診をはじめとした健診サービスが広く普及しており,健康診断の受診率が高く,その結果,がんなどの病気の早期発見・治療につながっている。現在,日本におけるがん罹患者の5年生存率は7割と新興国に比べて高く,定期的な健診による早期発見・治療の重要さを示している。
富士フイルムは,マンモグラフィーなどのX線画像診断装置をはじめ,内視鏡システム,体外診断装置,医療ITシステムなどの幅広い製品を世界中の医療機関に提供している。トルコやカタール,サウジアラビアなどでは,製品を提供するだけでなく,国のパートナー企業としてがん検診サービスの導入・普及をサポートしてきた。今回,それらの経験と,AI技術を活用して医師の診断を支援する機能を搭載した医療ITシステム,高性能な医療機器などを生かし,新興国でがん検診を中心とした高品質な健診サービスを提供する。将来的には,検診バスなども活用してより多くの方がリーズナブルな価格で検査を受けられる体制を構築し,新興国でのがんや生活習慣病の早期発見に貢献していく。
【インドの健診センター「NURA」について】
インドで罹患者の多い疾患を中心に,がん検診と生活習慣病の検査を用意。がん検診は,口腔がん,乳がん,子宮頸がん,肺がん,胃がん,大腸がん,前立腺がん,食道がん,喉頭がん,白血病の合計10の検査を実施する。また,生活習慣病の検査は,慢性閉塞性肺疾患や心筋梗塞リスクの早期発見に向けた検査をCTで行う。さらに全身の体組成をビジュアル化し,内臓脂肪量や筋肉量,骨密度測定を行うことでメタボリックシンドロームやロコモティブシンドローム(運動器症候群)のリスクを早期に発見し,健康寿命の延伸に貢献する。
診断の質と効率を高めるためにAI技術を積極的に活用。2020年6月に富士フイルムが日本で提供を開始したCT画像から肺結節の候補を自動検出する技術を搭載したITシステムや,画像強調技術で観察画像の視認性を高めた内視鏡,高精細な診断画像を提供するマンモグラフィーなどの医療機器により,医師の診断を支援する。
健診センター内では,すべての受診者にコーディネーターがつき,検査内容の事前説明や各部屋への案内を行うサービスを提供。洗練されたデザインの居心地の良い空間で,定期的に健康診断を受けたくなる環境構築を目指す。
所在地
NO.376, 100 FEET ROAD, INDIRANAGAR, HAL 2ND STAGE, Bangalore - 560038(Karnataka)
コンタクト
+91 7310494949
Website
https://nura-in.fujifilm.com/
富士フイルムは,今後も医療現場のニーズに応えるさまざまな製品・サービスの提供を通じて,世界の医療の発展と,人々の健康の維持増進に貢献していく。
※1 国際がん研究機関(IARC)のデータベース「GLOBOCAN 2020」より。
●問い合わせ先
富士フイルム(株)
メディカルシステム事業部
TEL 03-6447-5159
https://www.fujifilm.com/jp/ja/