2020-10-23
島津製作所は,キヤノンメディカルシステムズ(株)(以下,キヤノンメディカル)に対して,同社の体外診断用医薬品「Ampdirect 2019-nCoV検出キット」※1に含まれる検体処理液を提供することになった。これにより,キヤノンメディカルは検体採取から約30分で検査結果が得られる,蛍光LAMP法※2による新型コロナウイルスRNA検出試薬「LAMPdirect Genelyzer※3 KIT」(研究用試薬)を開発した。両社は,それぞれの試薬の特長を活かして,新型コロナウイルス感染拡大の防止に向けて多様な検査需要に応える協業に取り組んでいく。
Ampdirect技術は「生体試料に含まれるたんぱく質や多糖類などのPCR阻害物質の作用を抑制できるため,DNAやRNAを精製することなく,試料をPCRの反応液に直接添加できる」という島津製作所独自の試薬技術。同社は4月20日に同技術を適用し,試料からのRNA精製工程を省き,検査時間を大幅に短縮した新型コロナウイルス検出試薬キット(研究用試薬)を発売し,9月28日からは体外診断用医薬品として販売してきた。
一方,キヤノンメディカルは,国立大学法人 長崎大学とともに開発した,遺伝子検出法のひとつである蛍光LAMP法による新型コロナウイルスRNA検出試薬「Genelyzer KIT」(研究用試薬)を等温増幅蛍光測定装置「Genelyzer Fシリーズ」とともに9月1日より販売してきた。今回Ampdirect技術の一部である同社の検体処理液を適用することで,検査時間を約60分から約30分へと半減できた。
※1 Ampdirectは島津製作所の商標。
※2 LAMP法:栄研化学株式会社が開発した核酸増幅法(Loop-Mediated Isothermal Amplification)
※3 Genelyzerはキヤノンメディカルシステムズの商標。
●問い合わせ先
(株)島津製作所
https://www.shimadzu.co.jp/