2020-10-9
Genelyzer F-MS外観
キヤノンメディカルシステムズ(株)は,新型コロナウイルスRNA検出試薬 Genelyzer KITと組み合わせて使用可能な等温増幅蛍光測定装置「Genelyzer F-MS(MS:Molecular Station)」の販売を,2020年10月12日より開始する。本装置は1台で同時に96検体の検出を行うことができるため,検査数の多い検疫所,地方衛生研究所,大手検査センターや,災害被災地の避難所,スポーツイベント会場でのオンサイト検査を実現する移動型検査車(モバイル・ラボ)など,より短時間に高感度な検査結果が求められるシーンでの活用が期待される。
すでに販売中のGenelyzer FII 16検体(2ユニット)/ FIII 8検体(1ユニット)は,新型コロナ対策の行政検査で使用可能であり,モバイル型で迅速な検査を実現することが評価され,離島対策などでも活用されている。一方,顧客からは「一度により多くの検査を実施できる装置」の要望も多く,そのニーズに応えてF-MS 96検体(12ユニット)をラインアップに加えた。
同社は,これまで,国立大学法人 長崎大学の協力のもと「新型コロナウイルス迅速検査キット」の開発,普及研究に取り組んできた。Genelyzerシリーズの迅速,簡便な特長に加え,F-MSのハイスループット機能を活かして,実現が期待されるアスリート向け試合前検査,アーティストの公演直前の検査,空港・埠頭における乗便,乗船前検査など,新たな検査シーン,検査機会の創出,実現を目指す。今後もモノづくりを通じて,感染症対策の高度化,社会の安心・安全に貢献していく。
●新製品の主な特長
(1) 一度に多くの検査を迅速に実施可能
据置型で12ユニットを備え,一度に最大96検体の検査を実現する。新型コロナウイルスRNA検出試薬Genelyzer KITの場合,1回の検査時間は20分なので,1台で1日(8時間)で約1500検体の処理が可能。
(2) 最大12種類の細菌・ウイルスを検出可能
12ユニットがそれぞれ個別に制御可能なため,検体の数に応じて効率的な対応ができるだけでなく,例えば,類症疾病の原因を特定したい場合,複数の原因微生物(細菌・ウイルス等)を遺伝子で識別することがある。その際検査プロトコルが異なっていても,同時に検査することが可能。一度に最大12種類まで同時並行で検出するなど,これまでにない遺伝子検出法を実現する。
装置外形寸法 :635mm (L) X 434mm (W) X 153mm (H)
装置重量:18kg
※本装置および本試薬は,医薬品医療機器法の対象外製品のため,診断,治療を目的とした販売,授与はできない。研究・実証試験・評価用としての使用を想定している。
●問い合わせ先
キヤノンメディカルシステムズ(株)
広報室
TEL 0287-26-5100
https://jp.medical.canon