2020-9-14
PHC(株)は,診療所用医事一体型電子カルテシステム「Medicom-HRf」(*1)と電子版お薬手帳アプリ「ヘルスケア手帳」(*2)とのシステム連携(*3)により,患者の他院処方および調剤情報の一元的な把握と診療への活用を実現した。
近年,高齢化の進行に伴い,高齢の患者の健康管理が課題になっている。高齢化とともに,複数の病気をかかえる患者が増え,複数の医療機関や診療科を受診することで処方薬の種類も増加するため,薬剤同士の相互作用や副作用などの発生リスクが高まっている。薬物による健康被害を防止し,より効果的な薬物治療を行うために,患者の処方歴や服薬情報を,医療機関と薬局が一元的かつ継続的に把握できる新しいソリューションが求められている。
「Medicom-HRf」は,入力操作の簡素化など,医師の業務プロセスを改善するとともに,患者への医療サービスの充実を目指した診療所用医事一体型電子カルテシステム。「ヘルスケア手帳」は,患者の服用薬の情報をはじめ,血圧などの個人の健康情報をスマートフォンで一元管理するアプリケーションソフトウェア。さらに,オンライン医療のためのビデオ通話システムや,処方薬のクレジットカード決済および患者の自宅への配送など,多様なサービス(*4)を活用できる。
今回,両システムのデータ連携を実現することによって,他院で処方された患者さんの投薬データが「ヘルスケア手帳」を介して「Medicom-HRf」に取り込まれ,重複投薬や,複数の薬剤による相互作用の有無などをアラート機能によって医師に通知する。これにより,医師は,患者の状況に合わせてより適切な処方内容や治療方針を決定できるため,より安全で,効果的な薬物治療を実施することが可能となる。また,医師から発行された一般名処方(*5)に基づいて薬局で調剤された薬剤情報を,電子カルテ上で対比可能とすることで,医師は一般名処方に対して調剤された薬剤名を容易に確認できる。さらに,2021年1月以降,電子カルテに保存された処方せん情報を「ヘルスケア手帳」を介して薬局に共有するなど,新たな機能追加を予定している。これにより,オンライン診療からオンライン服薬指導までのより効率的で,一貫した医療サービス提供の実現にも寄与することが期待できる。
PHC(株)は,糖尿病マネジメント,診断・ライフサイエンス,ヘルスケアサービスの事業分野で開発,製造,販売,サービスを行い,ヘルスケアソリューションをグローバルに提供するPHCグループの日本における事業会社である。今回の「Medicom-HRf」と「ヘルスケア手帳」サービスとのシステム連携は,クラウドを活用したサービス連携ソリューション「Medicom Cloudコネクト(*6)」と位置づけ,メディコム(*7)ブランドを掲げる国内のヘルスケアIT事業における新たなサービスの拡充を目的とするもの。
PHCホールディングス(株)にて執行役員およびヘルスケアサービス共同ドメイン長を務める大塚孝之氏は,「当社は,1972年に日本で初めて医事コンピューターを発売して以来,蓄積された経験と知識を活用し,診療所をはじめとする医療機関,および薬局において強固な医療IT事業基盤を確立いたしました。このたびの『Medicom-HRf』と『ヘルスケア手帳』とのシステム連携によって,医療機関,薬局,および患者さんをオンラインで繋ぐ包括的な医療ITインフラを構築し,患者さんや医療従事者の利便性のさらなる向上と,患者さんへの,より適切で安全な医療サービスの提供に寄与できることを願っています。日本のヘルスケアサービスにおいてベストインクラスのプレシジョンとデジタルソリューションを提供するリーダーとなることを目指す当社は,今後も,クラウドサービス連携ソリューション『Medicom Cloudコネクト』の更なる展開を図り,医療従事者のニーズに応え,患者さんの健康管理を強化するための最適なソリューションを提供することで,より質の高い医療の実現に貢献してまいります」と述べている。
(*1)www.phchd.com/jp/medicom/clinics/mchrf
(*2)App StoreやGoogle Playで無料ダウンロードできる。詳細は,専用ページを参照。
www.phchd.com/jp/medicom/telehealth/clinic
(*3)特許を2件出願中。
(*4)「ヘルスケア手帳」サービスと,株式会社MICINの薬局向け服薬指導用サービス「curon(クロン)お薬サポート」とのシステム連携 (www.phchd.com/jp/phc/news/2020/0714
)
「ヘルスケア手帳」サービスと,株式会社インテグリティ・ヘルスケアの薬局向け調剤薬局向けオンライン診療・服薬指導システム「YaDoc Quick(ヤードック クイック)」とのシステム連携(www.phchd.com/jp/phc/news/2020/0820
)
(*5)医師が薬の商品名ではなく成分名(一般名)を記載した処方箋を発行した場合,薬剤師は自らの判断で先発医薬品と後発医薬品,どちらでも調剤することができる。調剤した薬剤の銘柄等は,処方せんの発行元医療機関に別途報告する必要がある。
(*6)患者さんと医療従事者をつなぎ,よりよい医療サービスを実現する,クラウドを活用したサービス間連携
(*7)PHC株式会社におけるヘルスケアIT製品のブランド名
●問い合わせ先
PHCホールディングス(株)
コーポレートコミュニケーション部
TEL 03-6778-5311
https://www.phchd.com/jp/phc