innavi net画像とITの医療情報ポータルサイト

ホーム

HIROTSUバイオサイエンス,線虫がん検査N-NOSE®検体解析装置の〝完全自動化〟に成功年間100万検体の解析が視野に

2020-7-3

全自動解析装置(全体画)

全自動解析装置(全体画)

(株)HIROTSUバイオサイエンスは,今年1月に線虫がん検査N-NOSE®(エヌノーズ)を実用化した。これまで検査工程の一部は検査員が手作業で行ってきたが,今回全ての検査解析プロセスの完全自動化に成功した。これにより検査効率は飛躍的に向上し,検査精度はさらなる安定化が望める。同社はこの自動解析装置を量産し,既に年間100万件を超える検査依頼について着実に対応していくための体制を構築する。

生物の嗅覚を活用することで「簡便」・「高精度」・「安価」を実現する新しいがんの1次スクリーニング検査N-NOSE®。これを開発した(株)HIROTSUバイオサイエンスは,これまで検査員が一部手作業で行っていた工程を機械化し,全検査工程を完全自動化することに成功した。

この自動解析装置は,同社が愛媛県松山市の大和酸素工業(株)ほか共同開発企業と連携して独自に開発した完全国内生産品で,(1)線虫回収 (2)線虫洗浄 (3)解析シャーレに線虫を配置 (4)検体滴下 (5)自動温度管理下で静置 (6)撮像・行動解析 等,一連の工程を自動で行う。1台当たり年間63,000検体の処理が可能となる上(検査員の約50倍),解析温度・時間の厳密制御等により,検査精度のさらなる安定化が望める。

同社は今回の検査解析装置の完全自動化により,N-NOSE®検査数を一気に拡大すると共に,国内市場だけでなく海外展開も目指していく。また,新型コロナウィルスの感染拡大防止の観点,および医療機関の負担を減らすために〝自宅で受検するモデル(BtoC)〟も検討する。

同社は今後も精度と利便性の両立をたゆみなく追求し,がんの1次スクリーニング検査としてのN-NOSE®の価値の最大化を目指す。

【参考】線虫がん検査N-NOSE® (エヌノーズ)とは

N-NOSE®(エヌノーズ)は,嗅覚に優れた線虫が,がんの匂いに引き寄せられることを利用した検査。生物の能力を活用したこの新しい検査は簡単で痛みがなく,以下6つの特長を有している。

(1)簡便:健康診断と同じく,わずかな尿で検査可能
(2)安価:線虫の飼育コストが安いため,検査料金を安価に提供可能
(3)高精度:感度は86.3%(※1)
(4)早期発見:早期がん(ステージ0,1)にも反応
(5)非侵襲:尿で検査できるので,痛みなどの苦痛を伴わない
(6)全身(※2)網羅的:一度の検査で全身(※2)のがんリスクを調べることが可能

※1日本がん予防学会(2019年6月),日本人間ドック学会(2019年7月),日本がん検診・診断学会(2019年8月)で共同研究機関が発表したデータを集計
※2線虫が反応することが分かっているがん種:胃,大腸,肺,乳,膵臓,肝臓,前立腺,子宮,食道,胆嚢,胆管,腎,膀胱,卵巣,口腔・咽頭(15種類)

 

●問い合わせ先
(株)HIROTSUバイオサイエンス
https://hbio.jp