2020-1-6
キヤノンメディカルシステムズ(株)は,ディープラーニングを応用した画像再構成技術および新たなDual Energy技術を搭載した,320列エリアディテクターCT(以下,ADCT)Aquilion ONE / PRISM Edition(アクイリオン ワン / プリズム エディション)の国内販売を1月6日より開始する。
Aquilion ONEは,1回転で16㎝の幅を撮影できる320列面検出器(エリアディテクター)を搭載し,脳や心臓などの臓器全体を1回転で撮影でき,低被ばく線量下で高精細な画像取得が可能。また,血流や臓器,四肢の動きなど,動態や機能情報を可視化でき,その臨床的価値が広く認められている。
本製品では,ADCTの臨床的有用性をさらに高めるために,ディープラーニングを用いて設計された画像再構成技術「Advanced Intelligent Clear-IQ Engine (AiCE)」(注1)や,新たなデュアルエネルギー技術である「Spectral Imaging System(スペクトラルイメージングシステム)」(注1)を搭載。
ディープラーニングとADCTの融合で,さらに確信度の高い情報を提供し,日常診療に貢献する。
●製品の特長
1)ディープラーニングを用いて設計された再構成技術 AiCE(注1)
AiCEはDCNN(ディープコンボリューショナルニューラルネットワーク) を用いてノイズ成分とシグナル成分を識別する処理を,CTの画像再構成に適用したもの。ニューラルネットワークのトレーニングでは,教師データにMBIR (Model Based Iterative Reconstruction) を応用したデータを用いることで,CT装置が持つ最大限の分解能を引き出しながら,高いノイズ低減効果を得ることができる。
2)新たなデュアルエネルギー技術 Spectral Imaging System(注1)
Spectral Imaging Systemは,Rapid kV Switchingと自動照射制御(Auto Exposure Control:AEC)との連動を可能としたSpectral Scanにより,同時相の低エネルギーと高エネルギーのデータを部位に合わせた線量で収集できる。また,DCNNを用いたSpectral Reconstructionにより高いエネルギー弁別能と低ノイズを両立させた画像再構成が可能となり,医用画像処理ワークステーション Vitrea VWS-001SAに搭載される専用の解析ソフトウェアを用いることで,仮想単色X線画像や様々な物質弁別など,従来の診断画像に更なる付加情報を提供する。
3)臨床の可能性を高める最先端技術
ADCTの有用性を高める,スキャン技術や被ばく線量低減/画質改善技術に留まらず,4D解析や非線形位置合わせによるサブトラクションなどの,臨床価値を高める豊富な臨床アプリケーションソフトも搭載可能。さらに,CT透視下での手技においても,新たに開発したタッチパネル式デバイスによるインターフェースにより,シームレスに操作を簡便に行うことができるため,より高速に安全な手技が可能となる(注1)。
4)検査環境をフレキシブルに支える装置設計
専用の高性能GPUの採用により,AiCEやSpectral Reconstructionと,従来のFBPやAIDR 3Dとの並列再構成が行える。また,78cmの大開口径や,±30°まで可能なガントリチルト,被写体のポジショニングをサポートする寝台左右動機構(注1)や,ボリュームスキャン時の撮影範囲を直接視認できるエリアファインダ(注1)など,ADCTによるワークフローの効率化,快適な検査環境を提供する。さらにコンパクトデザインによる省スペースや省電力も実現することで,日常の検査と運用に新しい価値を創出する。
(注1) オプション
一般的名称:全身用X線CT診断装置
販売名:CTスキャナ Aquilion ONE TSX-306A
製造販売認証番:301ADBZX00028000
一般的名称:汎用画像診断装置ワークステーション
販売名:医用画像処理ワークステーション Vitrea VWS-001SA
製造販売認証番号:224ACBZX00045000
●問い合わせ先
キヤノンメディカルシステムズ(株)
広報室
TEL 0287-26-5100
https://jp.medical.canon