2019-4-23
のべ2,000名以上の高齢者が利用しているIoT睡眠センサーから,毎日の睡眠データをクラウド上へ常時取得し解析することで,介護施設向けの高齢者見守りサービスを提供している,大阪市立大学医学部発スリープテックベンチャーのエコナビスタ(株)(以下「エコナビスタ」)は,日本最大の介護医療院を有する医療法人社団一心会 初富保健病院/初富保健病院介護医療院に,IoT睡眠センサー(SafetySleepSensor)の実証を開始する。
■介護医療院について
介護医療院とは長期的な医療と介護のニーズを併せ持つ高齢者を対象とした新たな施設。エコナビスタのIoT睡眠センサーを医療分野で利用を始める第一歩として,IoT睡眠センサー(SafetySleepSensor)を利用した環境を居室に作ることでSSR(SafetySleepRoom)の実証を開始する。また初富保健病院では医療療養病床・訪問診療事業も展開しており介護医療院だけでなく医療療養病床・在宅分野での活用も進めていく方針。
■IoT睡眠センサーの医療分野での活用について
従来では拘束を伴う医療用睡眠計測機器に近い高品質の睡眠データを,IoT睡眠センサー(SafetySleepSensor)を利用したSSR(SafetySleepRoom)では非拘束・非接触で取得する高精度のセンシング技術を使って常時取得。簡易型PSG相当のデータ品質を誇るため,心拍数,呼吸数,睡眠中の体の動きも高い精度で取得しており,今後は医療の分野でも,これらのデータの活用の場を拡大していく。※図1参照
エコナビスタのIoT睡眠センサーは,「眠っている」という状態からさらに,「深く眠っている」「眠りが浅くなっている」という状態遷移による睡眠の質を評価ができ,また,呼吸が少ない(低呼吸)・無呼吸の状態も把握が可能。無呼吸と低呼吸をくり返すことによって低酸素状態が起こり,睡眠の質が下がるだけでなく,心臓に負荷がかかるため,高血圧・糖尿病・心筋梗塞・脳卒中などの合併症を起こしやすくなると言われている。対象者の睡眠だけでなく,日中や就寝前・起床後の活動の見直しをサポートすることで,高齢者のQOLの向上や生活習慣病予防などに利用する。
■概要
「介護医療院」は,長期的な医療と介護のニーズを併せ持つ高齢者を対象とした,「日常的な医学管理」や「看取りやターミナルケア」等の「医療機能」と「生活施設」としての機能とを兼ね備えた施設として,平成30年4月に創設された。高齢化を迎えた日本社会の現状に合わせたこの施設は,医療機能を持ち合わせている特徴があり,高齢者の住まう住居形態は,決して在宅や有料老人ホーム,サービス付き高齢者住宅だけでなく,このような医療の分野にも大きく広がりを見せている。
しかし当然,介護医療院は住居ではあるものの「医療」の分野であり,利用されるIoT機器にも高い精度・高品質を求められる。
エコナビスタのIoT睡眠センサーは,介護の分野ではすでに1,500台以上を出荷した実績があり,医療機器相当の高品質で膨大な高齢者睡眠データが,クラウドサーバに常時保存され,また解析を行なっている。この高齢者睡眠ビッグデータとデータ解析力を高く評価され,医療の分野でも導入を開始することになった。
今後は高齢者睡眠ビッグデータを,介護分野での生活支援・自立支援へのサポートだけでなく,医療の分野でも利活用を進めていく。
●問い合わせ先
エコナビスタ(株)
http://econavista.com/