2019-3-18
携帯型X線撮影装置「CALNEO Xair
富士フイルム(株)は,iFインターナショナルフォーラムデザイン(ドイツ・ハノーバー)主催の「iFデザイン賞(iF Design Award)」において,ハイブリッドインスタントカメラ「instax SQUARE SQ20」やデジタルカメラ「Xシリーズ」,内視鏡システムなど,さまざまな事業分野の主要20製品が「iFデザイン賞2019」を受賞した。さらに今回,在宅医療などにおいて簡便なX線検査を実現する携帯型X線撮影装置「CALNEO Xair(カルネオ エックスエアー)」が,最高位の金賞(iF Gold Award 2019)を受賞した。
製品の外観デザインだけでなく,各製品の高い性能,使いやすさ,快適な操作性を実現したユーザーインターフェースなど,さまざまな観点から高く評価された。
「iFデザイン賞」は,1953年に設立された国際的なデザイン賞で,ドイツの「red dot design award」,アメリカの「IDEA」と並び,世界三大デザイン賞のひとつに数えられる権威ある賞。今年は,52の国・地域から6,375点の応募があった。
富士フイルムは,あらゆる製品・サービスの開発において,機能や性能を追求するとともに,その優れた機能を最大限に生かすデザイン開発に取り組んでいる。外観デザインの美しさに留まらず,簡単・快適な操作性や携帯性などに徹底的にこだわったデザインの実現により,製品の新たな価値創出を目指している。
デザインを製品価値の一つととらえて注力する中,世界中の応募の中から20もの製品がiFデザイン賞に選ばれたことを励みに,これからも優れた製品の開発に取り組んでいく。
<受賞製品>
■携帯型X線撮影装置「CALNEO Xair」【iF Gold Award 2019】
手軽に持ち運ぶことができる,富士フイルム初となる携帯型X線撮影装置。小型・軽量なX線管球とバッテリーを採用し,可搬性/操作性に優れた総重量3.5kgを実現。在宅医療での撮影など,スペースが限られた場所での簡便なX線撮影と画像確認をサポートする。同社独自のISS方式(*1)とノイズ低減回路(*2)を搭載したX線画像診断装置「FUJIFILM CALNEO Smart」のような高感度検出に対応したカセッテDRを利用することで,低線量でも高画質な画像を得ることができる。
これにより,在宅医療などにおいてX線撮影を行う医師や技師の移動や撮影準備などの身体的負荷低減と,患者の被ばく量低減に貢献する。
■乾式臨床化学分析装置「富士ドライケム NX700」
血液や尿を分析する臨床化学分析装置。写真フィルム製造で培われた,薄膜を多層同時に塗布する技術やカラー写真の評価技術を応用し,乾燥状態の試薬に液体状の検体を添加する,迅速・簡便なドライケミストリー方式。検体と試薬のスライドをセットし,スタートキーを押すだけの簡単操作で測定が可能。本機は5検体の同時処理と,測定方法が異なる多項目の高速処理が可能なフラッグシップ機「富士ドライケムFDC7000」の後継機であり,従来機より小型化した箱型形状に,視認性,操作性を大幅に向上させた大型タッチパネルを備える。また検査データ処理支援システムとの接続により,電子カルテや検査センターとの連携も可能である。
■感染症検査装置「富士ドライケム IMMUNO AG2」
感染症を引き起こすウイルスや細菌の高感度検出に加えて,検査の効率化をサポートするさまざまな機能を搭載した感染症検査装置。写真フィルムの銀増幅技術を応用した高感度検出技術により,発症初期などウイルスや細菌の量が少ない状態でも検出でき,早期発見による患者負荷軽減と感染拡大防止に貢献する。検体を滴下した試薬カートリッジを本装置にセットするだけの簡単操作で陽性/陰性を自動判定し,目視による判定ミスを防止する。内蔵のバーコードリーダーで読み取った,検体の容器にラベリングされたIDや操作者のIDカードを,判定結果と合わせて電子カルテなどの院内システムに送信可能。検査の効率化を実現した。検査数が多く複数台設置する大病院や,設置スペースが限られるクリニックでの使用を考慮し,設置面積を従来機の半分に削減したタテ型デザインを採用。離れた場所からでも検査の進行状況や判定結果を視認できるカラー液晶タッチパネルを設けたシンプルなデザインとした。
■LED光源搭載内視鏡システム「EP-6000,EG-6400N」
光源に複数の異なる波長のLEDを使用することで,白色光と短波長狭帯域光を生成できる内視鏡システム。照射した光と画像処理を組み合わせることで,粘膜表層の微細な血管や構造などを強調して表示する機能「BLI(Blue Light Imaging)」や,画像の赤色領域のわずかな色の違いを強調して表示する機能「LCI(Linked Color Imaging)」によって,病変の観察をサポートする。患者に威圧感を与えない柔らかな造形の清潔感ある筐体で,情報と操作ボタンを集約させた黒い表示部による特徴的なデザインのLED光源一体型プロセッサー(EP-6000)と,ワンステップでプロセッサーに接続できる専用スコープ(EG-6400Nなど4種)で構成される。
■十二指腸用処置スコープ「ED-580T」
胆管,胆のう,膵管に発生する疾患を検査・治療する十二指腸鏡。スコープ先端の軟性部に弾発性(*3)が高い素材を採用した「高追従挿入部」を搭載することで,医師がスコープの向きを変えるために操作部をねじる際,手元の力を先端まで効率良く伝える。本製品は,処置具の角度を調整する起立台の形状・長さ・可動範囲と,スコープ内で処置具などが通る「鉗子チューブ」の素材を見直すことで,処置具のスムーズな出し入れや交換を実現している。また,起立台を最大起立位置にすると,処置具の挿入を補助するガイドワイヤーが押さえられ,簡単に処置具を交換することができるため,治療時間の短縮が期待できる。
*1 ISS(Irradiation Side Sampling)方式。センサー(TFTパネル)を,X線照射面側に配置する方式。従来方式のFPD(X線画像平面検出器)に比べ,より減衰が少ない段階のX線エネルギーを光信号に変換でき,X線エネルギーの変換効率を高めることができる。
*2 X線情報をセンシングする性能を高め,かつX線を低ノイズで検出することを可能とした電気回路。
*3 挿入部を曲げた際に,挿入部が元の位置に戻ろうとする力。
●問い合わせ先
富士フイルム(株)
コーポレートコミュニケーション部
TEL 03-6271-2000
http://fujifilm.jp/