2019-1-16
東京大学医学部附属病院脳神経外科の齊藤延人教授と金太一助教らの研究グループは,最先端のコンピュータグラフィックス技術を用い,ヒトの頭部の解剖学的構造を精巧に再現した3次元コンピュータグラフィックス(3DCG)モデルを開発し,その無償提供を開始した。
本3DCGモデルは,内閣府総合科学技術・イノベーション会議が主導する革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)の「バイオニックヒューマノイドが拓く新産業革命」(プログラム・マネージャー:原田 香奈子)の研究の一環として開発されたもので,バイオニックヒューマノイドの基礎設計図となっている。
人体の高精細な3DCG作成には,高度なCG技術と医学的知識,そして高い開発費を要するため,その開発は困難であった。本研究グループは,最先端のコンピュータグラフィックス技術と脳神経外科医の知見を集約し,医療の現場に必要な解剖情報を3DCGとして作製した。
今回開発した頭部3DCGモデルは1,000パーツ以上におよび,世界で最も精巧なもの。今回,専用のホームページ(https://brain-3dcg.org )を開設し,全てのパーツを無償で提供している。
ダウンロードした3DCGモデルは,非商用で,かつ研究もしくは教育用途であれば自由に使用できる。本3DCGパーツは,いくつもの研究機関で開発に利用されるなど,その拡張性は高く,さまざまな分野で活躍することが見込まれる。世界最高レベルの精巧な頭部3DCGを普及させることによって,医療や教育,研究開発など広い分野への貢献が期待される。
●問い合わせ先
東京大学脳神経外科頭部3DCGデータベース
https://brain-3dcg.org