2018-9-26
富士フイルム(株)は,手軽に持ち運ぶことができる携帯型X線撮影装置「CALNEO Xair(カルネオ エックスエアー)」を,富士フイルムメディカル(株)を通じて10月1日より発売する。本製品は,総重量3.5kgの軽量・小型で携帯性に優れており,在宅医療での撮影など,スペースが限られた場所での簡便なX線検査と画像確認をサポートする。本製品は,同社の画像読取技術であるISS方式(*1)を採用したFPD(X線画像平面検出器)(*2)と,ノイズ低減回路(*3)を搭載したX線画像診断装置(以下,カセッテDR)「FUJIFILM DR CALNEO Smart(カルネオ スマート)」(*4)のような高感度検出に対応したカセッテDRを利用することで低線量でも高画質な画像を得ることができる。
日本は,超高齢化社会を迎えており,団塊の世代が75歳以上となる2025年には,高齢者の割合が人口の3割に達するとみられている。このような中,政府は,重度の要介護者が,できる限り住み慣れた地域で療養できるよう,在宅医療の普及を推進している。
在宅医療で扱われる症例は多岐にわたり,例えば,誤えん性肺炎(*5)や転倒などによる骨折のケースでは,入院の必要性を判断するために,在宅でのX線検査が強く望まれている(*6)。しかし,現在在宅医療で用いられている可搬型のX線撮影装置は,機材が重く,医療施設からの運搬が困難である。また,在宅で撮影しても,医療施設に戻るまで撮影した画像を確認できないなどの課題がある。
今回発売する「CALNEO Xair」は,在宅医療などにおいて簡便なX線検査を実現する携帯型X線撮影装置。総重量約3.5kgで,医療施設から在宅療養者宅への運搬や,撮影準備が簡単に行える。
本製品での撮影時に,同社の画像読取技術であるISS方式とノイズ低減回路を用いた同社カセッテDR「カルネオ スマート」のような高感度検出に対応したカセッテDRを利用することで,低線量でも高画質な画像が得られる。また,カセッテDRに付属するノートPC型コンソールを使えば,撮影した画像をその場ですぐに確認できるため,後日の再訪問を伴う再撮影を防止することができる。さらに,撮影部位に合わせて撮影条件を3つまで登録できる機能や,ACケーブルからの給電なしで撮影できる内蔵式バッテリーを搭載し,住宅内など限られたスペースでの撮影や,災害現場など幅広いシーンでの活用が期待される。
*1 ISS(Irradiation Side Sampling)方式。センサー(TFTパネル)を,X線照射面側に配置する方式。従来方式のFPD(X線画像平面検出器)に比べ,より減衰が少ない段階のX線エネルギーを光信号に変換でき,X線エネルギーの変換効率を高めることができる。
*2 Flat Panel Detectorの略。被写体を通過して照射されるX線エネルギーを検出し,電気信号に変換する,画像平面検出器のこと。
*3 X線情報をセンシングする性能を高め,かつX線を低ノイズで検出することを可能とした電気回路。
*4 販売名:デジタルラジオグラフィ DR-ID 1200/認証番号:226ABBZX00085000
*5 物を飲み込む機能の低下などにより,唾液や食べ物,あるいは胃液などと一緒に細菌を気道に誤って吸引することにより発症する肺炎。
*6 平成25年「在宅医療における医療機器等ニーズ調査」 (厚生労働省)
●主な特長
(1) 小型・軽量化による優れた携帯性を実現
総重量3.5kgの小型サイズで,優れた携帯性と取り回しやすさを実現した。
本製品は,同社のカセッテDR「カルネオ スマート」のような高感度検出に対応したカセッテDRを利用することで,低線量でも高画質な画像が得られる。また,カセッテDR付属のノートPC型コンソールを使えば,撮影した画像をその場ですぐに確認することができるため,後日の再訪問を伴う再撮影を防止することができる。
(2) 内蔵バッテリーでの撮影が可能
電源がない環境でも,内蔵バッテリーによる撮影が可能。在宅医療だけでなく,災害現場など幅広いシーンでの活用が期待される。
●問い合わせ先
富士フイルムメディカル(株)
営業本部 マーケティング部
TEL 03-6419-8033
http://fms.fujifilm.co.jp/