2018-9-26
シーメンスヘルスケア・ダイアグノスティクス(株)は,生化学自動分析装置「Atellica CH930(アテリカ シーエイチ930)」を2018年9月より販売開始した。
生化学検査とは,血液や尿中の物質を化学的に分析する検査のことで,肝臓や腎臓,心臓など各臓器の状態を把握し,病気の診断や治療の判定,病状の経過観察に役立てるなど,現在の医療において欠かせない検査。健康診断や採血検査でも広く用いられており,一般的な健康診断においては,コレステロールやγ-GTを含む約10項目を生化学分析装置で測定している。その簡便さと有用性の高さから,生化学検査は臨床検査室の血液測定業務の大部分を占めている。
昨今,多くの医療機関が医療の質の向上とコスト削減の両立に取り組む中,臨床検査においても,より少ない労力で多くの検査や病院業務のサポートをすること,つまり,人・物・時間の有効活用によるコストの最適化が求められている。Atellica CH930は,煩雑な装置管理業務を削減する独自の新技術により,検査業務の大幅な効率化を実現することで,検査室スタッフがより重要な診療支援に注力できるようサポートする。
・3つの自動化技術により機器管理業務やヒューマンエラーを削減
現在多くの施設が手作業で実施しているキャリブレーション作業(既知濃度の試料を用いて測定値の指標を作成すること)をフルオート化するオートCal機能,精度管理(検査室の装置及び試薬性能を最善に保つ作業)をフルオート化するオートQC機能を有しており,保冷管理されたQC及びキャリブレータを事前に設定したタイミングで自動測定する。また,測定の終わった検体を自動で仕分ける機能も搭載されている。これらのオート機能により生化学検査業務のワークフローを簡素化することで,早朝の業務が集中する時間帯でも少人数での検査が可能になるほか,ヒューマンエラーの削減も期待できる。
・特許取得の双方向磁気搬送システムAtellica Maglineによる高速かつ柔軟な検体搬送
検体と検体容器の種類を瞬時に読み取るマルチカメラ機能により,従来手作業で実施していた検体の仕分けが不要になる。従来のコンベアの10倍の速さ*を誇る双方向磁気搬送システムAtellica Magline(アテリカ マグライン)は,検体を独立制御し緊急度の高い検査を最優先で実施する。高度に自動化された検体測定は,検査時間の短縮に貢献できる。
* 同社調べ
・オペレータータブレットで装置を遠隔操作・管理
オペレータータブレットの搭載により,生化学自動分析装置で初めて,離れた場所で優先業務を実施しつつ,装置を遠隔操作・管理することを可能にした。
・次世代の免疫・生化学統合分析装置「Atellica Solution」としても販売
本製品は,本年4月に発売した免疫自動分析装置「Atellica IM1600」と連結し,免疫検査と生化学検査を1台の装置で実施することが可能。この統合機をAtellica Solutionと呼び,柔軟性と拡張性に優れた分析プラットフォームとして中央検査室向けに販売活動を進めていく。全世界ですでに560台が導入されており(2018年6月末時点),導入施設での調査では,Atellica Solutionの導入により手作業での機器管理業務が66.5%削減されたという結果が得られた。
Atellica Solutionの国内販売に伴い,11月より「Atellica三田トレーニングセンター」(東京都港区)を開設する。Atellica Solution導入施設へのより専門的かつ実践的なトレーニングを提供する施設となる。
同社は,10月11日(木)〜13日(土)に神戸国際展示場で開催される日本臨床検査自動化学会(JACLaS EXPO 2018)に出展する。ブースでは,Atellica Solutionをはじめ,臨床検査やポイント・オブ・ケアに関するソリューションを数多く展示する。
JACLaS 2018 同社展示情報ページ
https://www.healthcare.siemens.co.jp/news-and-events/conferences-events-new/jaclas-expo2018
本製品に関する情報は,Atellica Solution製品紹介Webページを参照。
https://www.healthcare.siemens.co.jp/integrated-chemistry/systems/atellica-solution-analyzers
●問い合わせ先
シーメンスヘルスケア・ダイアグノスティクス(株)
MSC本部 コミュニケーション部
TEL 03-3493-5022
https://www.healthcare.siemens.co.jp/laboratory-diagnostics