2018-4-3
キヤノンメディカルシステムズ(株)は,トモシンセシス対応マンモグラフィ「Pe・ru・ru™ LaPlus(ペルル ラプラス)」の販売を4月3日より開始する。
同社は女性による女性のためのマンモグラフィ開発を行い,検査のときの不安や痛みを低減する技術と,自然に抱きかかえられるような優しいフォルム,清潔感のあるパール塗装で検査時の緊張を和らげてくれるデザインを採用した「Pe・ru・ru Digital」を2008年に発売した。患者さんにも技師にも優しく使いやすいシステムとして,発売以来,高い評価を得ている。
このPe・ru・ru Digitalの使いやすさやデザインを踏襲し,さらに,角度を変えた連続撮影によって得られた画像から任意高さの断層面を再構成することにより,立体的な診断を可能とするトモシンセシス機能を搭載した「Pe・ru・ru LaPlus」を新たにラインナップに加え,乳がん検査を強力にサポートする。
近年,日本人女性の乳がん罹患率は他の癌腫と比較して高く,欧米では一部地域で減少もしくは横這いとなっているところ,日本人女性は明らかな上昇傾向を示している。特に40代女性のがん死亡率は乳がんがトップとなっており,適切な検診による早期発見,早期治療の重要性が提唱されている。
トモシンセシスは断層画像により病変と乳腺の重なりが少ない明瞭な画像が得られることから,日本人女性に多いデンスブレスト(高濃度乳腺)への適応が期待(注1)されている。
同社はこれからも日本人女性の特性に合わせたマンモグラフィ装置を始め,超音波診断装置,MRI装置等乳がん検診に有用な装置を提供し,ピンクリボン活動やマンモグラフィ講習会のサポート等を通じて乳がん検診受診率向上を目指し,女性の健康に貢献していく。
●新製品の主な特長
・コンパクトな撮影台でトモシンセシス対応
Pe・ru・ru Digital から継承したコンパクトな撮影台により,従来の乳房を挟むポジショニングのしやすさを保ちながら,トモシンセシス対応を実現した。特にMLO(内外斜位方向)撮影時の腋下欠損部分が少ないため,大胸筋の描出が無理なく適切に行える。
Pe・ru・ru Digitalで好評なフラット形状アームレストに加えて,受診者の腕の形に合わせた撮影台側面の曲面形状化により,MLO撮影時の受診者の安定感が更に向上する。
フェースガードは,トモシンセシス撮影時に可動する管球ヘッド部分ではなくCアーム内側に固定する方式であるため,受診者は安心して顔を預けることができる。2D撮影時とトモシンセシス撮影時に取り替える必要もない。
・高画質と低被ばくの両立
トモシンセシス撮影角度は「±7.5°」と小さく,FPD検出器へのX線の斜入を抑えることで画像のボケや被ばくを低減する。 また,「WターゲットとAgフィルタ」の採用により,被ばくに影響を与える低エネルギー領域とコントラスト低下を引き起こす高エネルギー領域を適切にカットし,トモシンセシス撮影に効果的なエネルギー領域を抽出する。
さらにトモシンセシス撮影でも2D撮影と同じピクセルサイズ(85μm)で画像を収集するため(ノンビニング方式),複数の画素をひとつの大きな画素として収集する方法(ビニング方式)に比べ,分解能の高い断層像が得られる。再構成方式は「逐次近似法」を用い,同社独自の再構成技術と画像処理技術にて,高画質と低被ばくを実現する。
(注1)乳癌診療ガイドラインでの推奨グレードはC1(トモシンセシスを用いたマンモグラフィ検診に,いまだ十分な科学的根拠はないが,細心の注意のもと行うことを考慮してもよい。)。
●問い合わせ先
キヤノンメディカルシステムズ(株)
広報室
TEL 0287-26-5100
https://jp.medical.canon/