2017-12-13
超音波診断装置「ARIETTA E70」
(株)日立製作所(以下,日立)ヘルスケアビジネスユニットは,超音波診断装置「ARIETTA E70」(アリエッタ イー70)を,12月13日から国内で販売開始する。「ARIETTA E70」は,肝臓の硬さを非侵襲的に計測できる超音波診断装置として10月に医療機器製造販売承認を取得した。「ARIETTA E70」に搭載された,組織の硬さをリアルタイムで画像化する「Real-time Tissue Elastography」(以下,RTE)を用いた肝硬度計測に対し,診療報酬が請求可能である。
現在,肝硬変などの診断には,体表から針を刺して肝臓の組織を採取する肝生検が用いられているが,患者への負担が大きく,定期的に検査を行うことができないという課題がある。この課題を解決するため,日立はRTEによるLF Index計測(Liver Fibrosis Index,肝臓線維化計測)の研究開発を行ってきた。RTEは,外力または組織の拍動などにより,力が加わった場合の組織のひずみを測定することで,その硬さを画像化する手法。他の測定法と異なり,肝臓の線維化の影響のみを測定でき,より精度の高い肝硬変の診断につなげることができる。超音波による計測なので痛みを伴わず,短時間に検査でき,定期的な検査を行うことが可能である。
平成28年度診療報酬改定で,超音波エラストグラフィが保険適用となったが,これまで対応装置が無く,診療報酬の請求ができなかった。今回,「ARIETTA E70」が,使用目的,効能又は効果として,肝臓の硬さについて,非侵襲的に計測可能な超音波診断装置として10月に医療機器製造販売承認を取得したことで,「ARIETTA E70」のRTEを用いた肝硬度計測に対して,診療報酬D215-3による200点の診療報酬が請求可能となる。
また「ARIETTA E70」は,せん断波速度を計測可能な「Shear Wave Measurement」も搭載しており,2つの肝線維化検査へのアプローチにより,信頼性の高い肝線維化検査を行うことが可能となる。
超音波検査は,非侵襲で被検者の体の負担が少なく,リアルタイムに体内を画像化できるため,予防から診断,治療に至る医療のさまざまなシーンで使用されている。また腹部,循環器や産婦人科領域をはじめ,高周波探触子や専用アプリケーションにより,乳腺,甲状腺,整形外科や手術領域などでも使用されており,今日の医療の現場に欠かせない診断機器となっている。RTEを用いた肝硬度計測の保険適用により,さらなる診断の質の向上や被検者の負担軽減に貢献する。
●販売価格(税抜き)
6850万円〜(システム構成により価格は異なる)
●問い合わせ先
(株)日立製作所 ヘルスケアビジネスユニット 診断システム営業本部 US 営業部
[担当:鈴木(秀)]
TEL 03-6284-3666
http://www.hitachi.co.jp/healthcare