2017-11-15
(株)ニチイ学館(以下 ニチイ学館)と日本電気(株)(以下 NEC)は,医療・介護分野における業務提携に合意した。
両社はこれまで,経済産業省の「医療技術・サービス拠点化促進事業」(注1)に対して共同で提案し採択されるなど,中国における介護ビジネス領域において活動を進めてきた。両社はこのような共創活動を一層加速すべく,今回の業務提携に至り,第一弾としてAI(人工知能)を活用した高齢者の介護・自立支援サービス開発に向けた共同研究を開始した。
両社による共同研究の内容は,通常,ケアマネージャーが人手で作成する個々の高齢者に合ったケアプランの作成において,NECの最先端AI技術群「NEC the WISE」(注2) の一つで多種多様なデータを分析できる異種混合学習技術(注3)を用いて高齢者の様々なデータを学習・分析することで,本技術を搭載したシステムが自立に適切と思われるケアプラン案を提案することを目指すもの。
具体的には,従来からある要介護者に対する入浴介助・通院介助などの身体介護,調理・掃除などの生活支援に向けたケアプランに加え,AIによる根拠(注4)をもとに要介護者のより効率的な運動機能改善などを促す新しいケアプランを作成する。これにより,介護事業者が要介護者の自立を促すサービスの開発を支援する。
本共同研究により両社は,介護事業者におけるケアマネジャー等の現場スタッフの負担を軽減するとともに,より効果の高いケアプランを作成できる人材育成の実現を目指す。
昨今,日本では高齢化や医療の高度化のため社会保障給付は年々増加し,高齢者が健康で自立した生活を送ることが可能な時期を伸ばす「健康寿命の延伸」が重要となっている。
健康寿命の延伸に向けて,介護サービスのニーズはますます高まっているが,介護業界では人手不足のため,より効率的な運営が課題となっている。
一方,介護業界ではセンサーやウエアラブル機器などのIoTの導入が進みつつあり,それらのデータをもとにしたAI・IoTの活用に大きな期待が寄せられている。
ニチイ学館は,介護業界シェアNo.1で,在宅系・居住系介護サービスから生活支援サービスまで多様なサービスを全国47都道府県の1,400ヵ所以上の拠点で約15万人に提供しており,介護に関するサービス実績・知見と全国規模の様々なデータを保有している。
NECは,異種混合学習技術をはじめとする最先端AI技術群「NEC the WISE」を有し,医療・ヘルスケア領域をはじめとする様々な領域で社会課題解決・価値創出に向けた導入を進めている。
ニチイ学館とNECは今回の業務提携により,従来のケアプラン策定のプロセスを革新するとともに,今後も両者の強みを活かし,地域住民の健康促進,地域包括ケアに向けた取り組みなど,様々な介護・自立支援サービスの開発を進めていく。
(注1)経済産業省「医療技術・サービス拠点化促進事業」の採択に関するお知らせ
http://www.nichiigakkan.co.jp/ir/topics/news_2199.html
(注2)
「NEC the WISE」(エヌイーシーザワイズ)は,NECの最先端AI技術群の名称。"The WISE"には「賢者たち」という意味があり,複雑化・高度化する社会課題に対し,人とAIが協調しながら高度な叡智で解決していくという想いを込めている。
・プレスリリースNEC,AI(人工知能)技術ブランド「NEC the WISE」を策定
http://jpn.nec.com/press/201607/20160719_01.html
・NECのAI技術
http://jpn.nec.com/bigdata/ai/
(注3)異種混合学習技術
参考URL:http://jpn.nec.com/bigdata/analyze/pattern.html
多種多様なデータの中から規則性を高精度かつ自動で発見し,その規則に基づいて,状況に応じた最適な予測を行う技術
(注4)例えば,NECのAI技術「異種混合学習技術」により,AIの分析結果について判断に役立つ根拠を示すことが可能。
※本内容は技術実証の段階であり,販売・授与はできません。
●問い合わせ先
ニチイ学館 広報部 飯田・植野
TEL 03-3291-395
E-Mail:kouhouka@nichiigakkan.co.jp
http://www.nichiigakkan.co.jp/
NEC 産業営業本部 第五営業部
TEL 03-3798-6009
http://jpn.nec.com/