2017-6-19
診察室 画面イメージ
日立メディカルコンピュータ(株)(以下,同社)は,無床診療所向け電子カルテシステム「Hi-SEED W3 EX」(ハイシード ダブリュースリー イーエックス)を7月3日から販売開始する。
本製品は,画面の表示形式,項目の配置や色を自由に変更できることにより,直感的な操作を実現し,医師のカルテ入力を支援する。また,タブレット端末を使用したオプションの「スタッフ支援システム」により,院内のどこからでもカルテ内容の閲覧,記入が可能で,回診時の医師や看護師の業務をサポート。さらに,ハードウェアは高性能プロセッサ搭載の最新型産業用パソコンを採用し,安定稼働と高速処理を実現する。
厚生労働省の「電子カルテシステム等の普及状況の推移」*1によると,2014年時点で200床以上の中規模・大規模病院の普及率60%,約1,200施設の導入に対し,一般診療所の電子カルテ普及率は,35%,約35,000施設の導入となっている。今後,厚生労働省が推進する地域包括ケアシステムの構築のため,ますます医療情報の標準化や広域な医療情報連携が必須となり,診療所における電子カルテシステムの普及がより一層進むと見込まれている。
そこで同社は,2006年から販売している電子カルテシステム「Hi-SEED」の特長である,受付・診察室・スタッフ室などの部屋管理機能や,当社開発のレセプトチェックシステム「べてらん君 Collaboration」*2機能を継承しつつ,無床診療所に特化した使いやすさを追求し,よりシンプルに,より快適に,業務と経営を最適化する電子カルテシステム「Hi-SEED W3 EX」を開発した。
なお,本製品は,2017年7月12日から東京ビッグサイトで開催される国際モダンホスピタルショウ2017に展示される。
●新製品の特長
1. 自由にカスタマイズ可能な画面構成により,カルテ入力を支援
無床診療所では医師の負担が多く,特にカルテ記入や処置オーダーなどの時間短縮は,医師の負担軽減とともに,患者サービスの向上につながる。「Hi-SEED W3 EX」では適切な情報の入出力をスムーズにできるよう,入力パネルの色変更や表示切替え,さらにメニューボタンなどの配置を自由に切替えて,画面構成をカスタマイズすることができる。また,背景色カラーは8色から選ぶことができる。シンプルな画面構成により,直感的な操作を実現する。
2. 院内無線LANとタブレット端末の活用により,情報の確認・入力・共有を効率化
タブレット端末を使用した「スタッフ支援システム」*3により,院内のどこにいても医師からのオーダーや過去のカルテ内容を確認することができ,看護師が患者に関わる情報を閲覧する場合に,端末のある場所に行く時間を省くことができる。また,脈拍,血圧や体温などのバイタル情報や問診の結果,医師への申し送り事項を患者のそばで入力することもでき,情報共有や業務の効率化を図れる。
3. 経営を見える化し,経営効率の改善に貢献
近年,診療報酬改定による診療報酬率ダウン,患者数減,コストアップなど経営を取り巻く環境は厳しくなっている。このような中,適切な経営判断を支援する診療業務支援ソフト「Hi-SEED PMS」*2*4により経営を見える化し,経営効率化を支援する。電子カルテから出力された日次・月次データを取り込み,毎日の患者数や診療報酬額の推移など,経営に関する内容を表示する。また,取り込んだ業務日報データは,速報として指定したアドレスにメールで配信することも可能。
4. 最新型産業用パソコンの採用により,長時間の安定稼働と高速処理を実現
電子カルテは,院内の基幹システムであり,診療を行うためには,安定した稼働が求められる。本システムでは,診察室等で使用する業務入力用クライアント用装置に最新型産業用パソコンを採用することで,長時間の安定稼働を実現し,大量のデータをシステムの遅延なく,処理する。
*1:出典:厚生労働省 医療分野の情報化の推進について
*2:別途月額利用料が必要。
*3:有償オプション。
*4:PMS(Practice Management Software)とは,クリニック経営・業務の見える化,生産性・満足度の向上等を目的とした診療業務支援ソフトの総称。「Hi-SEED PMS」は(株)メディ・ウェブが提供するPMSシステムを活用したサービス。
●標準価格(税抜)
820万円
*上記価格は電子カルテシステム「Hi-SEED W3 EX」に加え,サーバー1台およびクライアントの産業用パソコン2台を含む一式価格であり,システム構成により価格は異なる。
●問い合わせ先
日立メディカルコンピュータ(株)経営戦略本部企画部
[担当:石田,行田]
TEL 03-3490-0769
http://www.hitachi-mc.co.jp/