2017-5-9
富士フイルム(株)は,内視鏡システムの光源に波長の異なる2種類のレーザーを用いた内視鏡システム「LASEREO(レザリオ)」用スコープのラインアップとして,下部消化管用スコープ「EC-L600MP7」を,2017年5月15日より富士フイルムメディカル(株)を通じて発売する。本製品は,スクリーニング検査に適した先端部径11.1mmの細径スコープ。スコープ軟性部の硬さを任意に調整できる硬度調整機能を搭載し,スコープ先端部を大腸の深部までスムーズに挿入でき,大腸の内視鏡検査において,患者の身体的苦痛の軽減が期待される。
なお,本製品を5月11日から13日まで大阪国際会議場で開催される「第93回 日本消化器内視鏡学会総会」に出展する。
「LASEREO」は,波長の異なる2種類のレーザー光による病変観察が可能な内視鏡システム。それぞれのレーザー光の発光比率を変え,さらに粘膜表層の微細な血管や粘膜の微細な模様などを強調して表示する「Blue LASER Imaging(BLI)機能」や,画像の赤色領域のわずかな色の違いを見やすく表示する画像処理機能「Linked Color Imaging(LCI)」などにより,微小な病変の観察をサポートする。特に早期がんに特徴的な粘膜表層の微細血管などの変化の観察で,医療機関から高い評価を得ている。
今回発売するLASEREO用の下部消化管用細径スコープ「EC-L600MP7」は,先端部径11.1mmの細径化を実現し,挿入時の患者の身体的負担の軽減に寄与する。また,細径でありながら,消化管内の粘液などを除去するウォータージェット機能を搭載するとともに,鉗子口径3.2mmを確保。体液などの吸引性能と生検鉗子などの処置具の操作性能を有している。本製品は,硬度調整リングを回すと軟性部の硬さを任意に調整できる「硬度調整機能」によって,腸管の屈曲や形状に合わせて,適切な硬さを選択することが可能。スコープ先端部を大腸の深部まで挿入することをサポートする。さらに,高い弾発性(*1)を持つ素材を採用することで,手元の力が先端部まで伝わりやすくなった「高追従挿入部」と,腸管壁のカーブに沿ってスムーズに曲がり,カーブ通過後はまっすぐに戻りやすくする「カーブトラッキング技術」との組み合わせにより,特に,屈曲部が多く,挿入が難しい大腸へのよりスムーズな挿入をサポートする。
本製品の操作部の各種ボタンは,術者が操作しやすい高さと配置になっている。これにより,従来の操作部よりスムーズな検査を実現し,検査時間の短縮と患者の身体的苦痛の軽減が期待される。
*1 挿入部を曲げた際に、元の位置に戻ろうとする力。
●主な特長
(1)細径でありながら,鉗子口径3.2mmを確保
先端部径11.1mmと細径でありながら,消化管内の粘液などを除去するウォータージェット機能を搭載するとともに,鉗子口径3.2mmを確保。体液などの吸引性能と生検鉗子などの処置具の操作性能を維持した。
(2)スコープ軟性部の硬さを任意に調整できる硬度調整機能を搭載
操作部に組み込まれた硬度調整リングを回すことで,スコープ軟性部の硬さを任意に調整することができる。腸管の屈曲や形状に合わせて,適切な硬さを選択可能。スコープ先端部を大腸の深部まで挿入することをサポートする。
(3)「高追従挿入部」と「カーブトラッキング技術」により,挿入性を向上
高い弾発性を持つ素材を採用。医師が操作部をねじった時に,手元の力が先端部に伝わりやすくなった「高追従挿入部」を実現した。さらに,腸管壁のカーブに沿ってスムーズに曲がり,カーブ通過後はまっすぐに戻りやすくする「カーブトラッキング技術」を搭載。スコープの挿入が難しい症例において,患者の身体的苦痛の低減と検査効率の向上が期待できる。
(4)ユーザビリティを追求した使いやすい操作部
各種操作ボタンを術者がアプローチしやすい位置に配置することで,スムーズな検査を実現。送気・送水ボタンと吸引ボタンも,指先で押せるように設計した。
(5)イメージセンサーにメガピクセルCMOSセンサーを採用
画像処理技術と組み合わせて,より精細な静止画と動画を提供し,病変の早期発見をサポートする。また,最短2㎜からの近接観察が可能。拡大機能を使うことなく,スコープを近づけるだけで病変などをより細部まで観察できる。
●問い合わせ先
富士フイルムメディカル(株)
販売統括本部 マーケティング部
TEL 03-6419-8033
http://fms.fujifilm.co.jp/