2017-3-21
Visia AF MRI ICDシリーズ
日本メドトロニック(株)は,2017年3月1日,心房細動(AF)検出の診断機能を搭載したシングルチャンバの植込み型除細動器(以下ICD)「Visia AF MRI ICDシリーズ(ヴィジア エーエフ エムアールアイ アイシーディーシリーズ)」(以下「Visia AF」)の販売を開始した。
Visia AFは,シングルチャンバのICDに心房細動検出の診断機能を搭載した製品。脳梗塞の主な原因の一つである心原性脳塞栓症のうち70%は心房細動が原因[1]といわれており,脳梗塞の発症予防は重要である。しかしながら同社の今までのシングルチャンバのICDでは,心房側の情報を入手することに限界があった。そこでVisia AFでは,従来のICDのシステムに心房細動検出のアルゴリズムを追加し,従来製品からの除細動リードの構造を変更することなく長期の信頼性を維持しながら,心房細動の把握を可能にした。Visia AFの心房細動検出アルゴリズムは,感度95.0%,特異度99.6%で心房細動を検出することができる[2]と論文において報告されている。当該検出機能は,医療従事者による心原性脳塞栓症の予防を目的とした抗凝固薬等の適切な薬物治療の検討に寄与する。
●製品の特長
(1) SmartShock™ テクノロジー2.0を搭載
Visia AFは,T波オーバーセンシングを回避できるなど,不適切作動防止のための独自のアルゴリズムSmartShock™(スマートショック)テクノロジー2.0を搭載。メドトロニック独自の技術によって,不適切作動の頻度を年間2.5%まで低減し,高い精度で致死性不整脈を検出することを可能とした[3]。
(2) 条件付き1.5テスラ及び3テスラMRI全身撮像が可能
Visia AFは,一定の条件を満たした場合にMRI検査が可能となる条件付きMRI対応[4]のICD。また,メドトロニックが1997年より約10年かけて開発し,2008年に同社ペースメーカに導入した,条件付きMRI対応テクノロジーSureScan™(シュアスキャン)を採用している。また,MRI装置が1.5テスラ及び3テスラであることという条件下で,全身のどの部位についても,MRI撮像を可能とした。
(3) 植込み部の圧迫を軽減する滑らかなデバイス形状,PhysioCurve™ デザインを採用
2014年に販売を開始したEvera™ MRI ICD(エヴェラ エムアールアイ アイシーディ)シリーズ(販売名:Evera MRI ICDシリーズ,承認番号:22600BZX00404000)と同様に,体の表面と同じように曲線を描き,植込み部の圧迫を軽減する滑らかなデバイス形状PhysioCurve™ (フィジオカーブ)デザイン,高い耐久性を実現したSprint Quattro™(スプリント クアトロ)ICDリード(販売名:Sprint クアトロ MRI スクリューインリード,承認番号:22600BZX00406000)など,患者さんの負担をさらに軽減する低侵襲性を実現している。
メドトロニックは,世界中の医師,研究者,科学者といった医療従事者と連携して,心血管疾患と心不整脈のインターベンション治療及び外科治療に,多くの医療技術を提供している。Visia AFは,優れた耐久性と不適切作動を減らす技術で患者さんの負担を軽減することに加え,心房細動検出の診断機能を実現し,脳梗塞の発症予防に貢献する。
[1] 2015年版脳卒中データバンク
[2] PACE 2016; 39:1031–1037
[3] Heart Rhythm 2015; Vol 12, No 5: 926-936
[4] 「条件付きMRI対応」とは,限定された種類のMRI装置を使用する,限られた設定下で撮像する,などの一定の条件を満たしたうえで,MRI装置での撮像が可能になるデバイスを指す。
●問い合わせ先
日本メドトロニック(株)
http://www.medtronic.co.jp/