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2016-12-27

Signa 甲子園2016 受賞者（写真左より）
小野浩二郎氏，中孝文氏，木下友都氏

GEヘルスケア・ジャパン（株）は，12月17日（土），MRI（磁気共鳴断層撮影装置）の先進的な撮像技術の工夫の共有を通じて，MRI診断の質の向上を図る「Signa甲子園2016」（MR Signaユーザーズミーティング・全国大会）を下記の通り，開催した。

MRI 画像の質は，撮像を担当する診療放射線技師や臨床検査技師のテクニックに依存する面が大きいことから，GEヘルスケア・ジャパンでは，GE製のMRIユーザーがそれぞれの撮像技術の創意工夫などの情報交換を行う「Signaユーザーズミーティング（UM）」を全国各地で開催している。また，技師同士のさらなる交流を図り，ユーザーの皆様に先進的な撮像技術を習得できるよう，2005年より，ユーザーズミーティングの全国大会である「Signa甲子園」を実施している。

12回目となる今回の「Signa甲子園2016」では，約180名の全国のGE MRIユーザーの出席のもと，全国各地のUMから選出された10名の代表が，コンテスト形式で実際の臨床にすぐに応用できるアイデアの数々を発表した。会場にいる参加者全員による採点の結果，最優秀の金賞には，神奈川UM代表，川崎幸病院の中孝文氏による「small-FOV SSFSE」が選ばれた。

●「Signa甲子園2016」概要

日時：2016年12月17日（土）15：00〜19：30
会場：TKPガーデンシティ横浜
主催：GEヘルスケア・ジャパン（株）
企画・運営：Signa甲子園2016実行委員会
実行委員長：福井県立病院 村中良之氏
スケジュール：
・全国コンテスト（全国10代表が発表）
・MRI最新技術紹介
・Signa Master選手権 （GEのMRIに関するクイズ）
・表彰式

●受賞者

金賞：神奈川UM 川崎幸病院　中 孝文氏
発表演題：「small-FOV SSFSE」
発表要旨：体幹部のT2 強調画像の撮像において，SSFSE (Single Shot FSE) 法で従来よりも撮像視野（FOV）を絞った，より高分解能な撮像を行うためのアイデアが発表された。

銀賞：千葉UM 千葉県こども病院　小野 浩二郎氏
発表演題：「Perfect な SHINKEI 描出への挑戦… ‐PROPELLER 法で腕神経叢‐」
発表要旨：従来の撮像方法では困難だった腕神経叢の描出について，PROPELLER 法にて撮像条件を工夫することで良好な画像を得ることができるというアイデアが発表された。

銅賞：埼玉UM 三郷中央総合病院　木下 友都氏
発表演題：「3D-short TR FRFSE による濃縮胆汁の描出改善法」
発表要旨：MRCP撮像において，濃縮胆汁の場合でも撮像条件を工夫することで，短時間で高画質な画像を得ることができるというアイデアが発表された。

特別賞- GE Application Selection 賞：千葉UM 千葉県こども病院　小野浩二郎氏
同社MRアプリケーショングループメンバーが本大会審査員と同じ基準で最優秀演題を選出。小野浩二郎氏は銀賞とのダブル受賞。

表彰式では，今回の「Signa 甲子園2016」で実行委員長を務めた福井UM 福井県立病院 村中良之氏から入賞者に楯の贈呈が行われた。
Signa甲子園の大きな特長のひとつとして，全国のMRユーザーの交流を深められことがあげられる。毎年，大会では全国様々なUMでの情報交換を含め，ユーザー同士の親交が深められている。普段はなかなか機会の少ないこうした場は，他の技師のテクニックや工夫を習得し，自身の撮像技術を高められる場として好評を得ている。また，もう一つの特長として，発表されたアイデアが大会後にMRユーザーの各施設ですぐに活用できることがある。発表された内容はGE MRIユーザーのコミュニティーサイトである『Signa･る』*で公開される。このWebサイトで発表の様子が確認できるため，多くのMRIユーザーがさまざまなアイデアを臨床検査で活用できる。今年の発表スライドについては，年内に公開予定。尚，この「Signa・る」は開設後12年で，約3,000名のユーザー登録を獲得している。
*Signa・る：https://gecommunity.on.arena.ne.jp/signa-l_entrance/index.html

同社ではこのようなUMの開催を，MRIのみならず，CTやPET，核医学装置，超音波診断装置など他の製品群にまで拡大しているほか，開催地域を国内だけでなく世界各国に広げている。
また最先端の技術開発に努め，時代のニーズに合った製品を市場に投入していくとともに，複雑高度化する診断装置の性能をフルに引き出してもらえるよう，ユーザーの方々のアイデアや工夫も共有しながら，顧客サポートにより一層注力していく。

●Signa甲子園2016の発表演題と発表者（UM : User’s Meeting）